会山行紀行文 2013年
 09.11(水)
晴れ時々曇り
柴倉川の支流西沢遡行
参加者 (紀行文) 1861 K/Y
単独
(男性1名) (写真) 1861 K/Y
≪コースタイム≫
駐車位置(7:20)…柴倉川出会(8:40-9:10)…西沢出会(10:00)…八人岩基部(12:00-12:40)…西沢出合(14:10)…柴倉川出合(15:00)…駐車位置(17:00)
≪紀行文≫
                                 
 旧上川村の菅倉山西の岩稜、八人岩が見たくて西沢を遡行しました。

 西沢に入るには、棒目貫もしくは丸渕わらび園近くのふれあいの森から、あるいは一番手っ取り早く御前ヶ遊窟から流れ来る鍬沢を下り柴倉川を遡上するか、柴倉集落から林道、ついで沼越峠への登山道を歩き、柴倉川に出て、柴倉川を下るかになります。

 柴倉川中流域は好きな所で、何度も歩いていますが、簡単には歩かせてくれる場所ではありません。
 爺さまが柴倉川中流域を遡上して西沢を往復しようとすれば、溪内一泊は必要です。
 若いころ、溪内泊は何度もやっていますが、水の音がうるさく、虫もわらわら出てくるので、まともに眠れたことはありませんでした。
 いまさら溪内泊などしたくはないので、柴倉集落から柴倉川に向いました。

 柴倉集落から柴倉川に至る林道、登山道はまともに日射しを受けます。
 特に登山道は、疲れ切っているであろう帰りに草いきれの急斜面を300mも登り返さなければなりません。
 本来なら夏場に歩く場所ではないと思っていますが、溪内泊を避けようとすれば、このルートしかないのでやむを得ません。

   県道の終点から続く林道の入り口には、チェーンが張ってあり、入山禁止の看板がチェーンに括り付けてあります。
 かつてはトラロープで、春の山菜の季節にのみ張られていました。
 チェーンになってから4〜5年になりますが、チェーンは春夏秋冬張られています。
 林道を管理する営林署のゲートは、林道の入り口から500m程先に在り、ゲート前には駐車のスペースもあります。
 林道入り口のチェーンはたぶん集落の誰かが私的に張ったものだと思うので、外して車を乗り入れてもいいのですが(以前はそうしていました)、最近では、無用のトラブルを避けるため、林道入り口から500m程手前の送電線保守用道入り口の駐車スペースに車を置いています。

 柴倉川は、川床の石や岩が白く、水が澄んでいるので、とてもきれいな所です。
 私の感覚では、沼越峠の登山道(本来は送電線の保守用道)の渡渉点から上流を上流域、ふれあいの森までの下流を中流域と捉えています。
 上流域は滝が少なく、あっても楽に越えれる滝ばかりで、夜鷹山や木地夜鷹山直下の水切点までのどかな沢歩きが楽しめます。
 中流域はゴルジュが連続し、厳しい滝も多くあります。

 渡渉点から西沢までの間はおおむね河原歩きが続きます。
 河原歩きの箇所では、多くの魚影を見ました。柴倉川は今まで何度も歩いていますが、この時ほど多くの魚影を見たのは初めてです。
 もともと魚が多くいたのでしょうか。それともたまたまこの時はこの周辺に魚が集まっていたのでしょうか。
 私は釣りはやらないので、心わくわくとはなりませんが、魚影を見るととても癒されます。
沼越峠登山道の渡渉点(入渓点) 対岸の登山道を進めば、沼越峠に至る 西沢まではおおむね河原歩き

 滝も無いわけではなく、西沢までの間には3カ所の滝があります。2か所は苦労せずに越えられますが、1カ所はかなり構える必要があります。 
2m滝   すごい水圧の5〜6m滝 3〜4m滝

 西沢の出合の少し先の右岸に、面白い形をした岩の塔があります。まるでトルコのカッパドキアのようです。
 岩の塔は西沢の出会箇所を示してくれる良いランドマークになっています。
西沢の出合から見える岩の塔 カッパドキア? それとも・・・・・  西沢入り口、大岩の前で右に曲がる

 西沢に100m程入ると滝が連続します。滝を越えたらまた滝、またまた滝です。滝好きには堪らない場所だろうなと思います。
 そうした人は歓喜の声を上げてスイスイ行くのでしょうが、爺さまにはいづれもかなり歯ごたえのある滝群です。
 滝つぼは総じて背が立ちません。             
最初の滝 何番目かの滝  たぶん滝群最後の滝

 滝群を抜けると気持ちの良い滑床の歩きになります。たまには滝もあって、そこそこ緊張感も保てます。
 滑床は巨大な一枚岩のように感じます。
滑床  4〜5mの滝  滑床が続きます

 西沢は上流で、沼の峠山から流れ下る水流と、沼越峠近くから流れ下る水流の二俣になります。
 二俣が近づくと菅倉山基部の岩稜帯が左岸に見えてきます。面白い形の岩もありますし、なかなかの迫力でもあります。
 二俣を過ぎ、沼の峠山方面からの水流を進むと、滝の形状が変わってきます。
 転げ落ちた大岩が水路を塞いで滝を作ったような滝になります。
菅倉山基部の岩稜帯、かなりの迫力です 大岩を伝って落ちるすだれ滝 涼味最高  大岩ゴロゴロの滝

 八人岩基部に大きな滝が見えました。滝は転がり落ちた大岩が、積み重なって滝状になっています。
 左岸の岩壁から登れると思いましたが、降りる時のことを考えると、20mロープ一本では苦労しかねないということと、滝下に着いたら12時超、今日のタイムリミットでした。
 場所的にも区切りが良いし、今日はここで引き返すことにして、滝下の大岩の上で滝を真正面に見ながら食事をしました。

 八人岩は、沢に沿って生い茂っている木々に邪魔されて、沢床からは見えません。
 食事の後、右岸の草付きの斜面に這い上がり、ようやく眺め見ることが出来ました。
 さすが、地形図に名前が表記されている岩だけのことはあります。すごい迫力でした。
 草付きの斜面からは、大きな滝の上部も見えます。奥のほうには菅倉山と沼の峠山の鞍部のスラブ帯も見えます。
 見たところ顕著な滝はこの大きな滝が最後のように思われました。
大岩が積み重なった大滝 大滝の上部 八人岩 圧倒的な迫力です

 沢内にはあちらこちらでアジサイが群生していました。
 アジサイの花っていまどき咲くのでしょうか?
                                     (おわり)

<追記>
 心配していた通り、柴倉川から林道までの標高差300mの急斜面の登り返しには閉口しました。
 日射と草いきれで暑くて暑くて、ハチマキのタオルを2回絞りました。
 熱中症になりかねないと思い、だれも居ないのでシャツを脱いで上半身裸で歩いたら、アブにおなかを刺されました。