会山行紀行文 2013年
 08.08(木)
曇り時々晴れ
滝沢川中流遡行
参加者 (紀行文) 1861 K/Y
単独
(男性1名) (写真) 1861 K/Y
≪コースタイム≫
入渓(9:30)…大きな滝(10:30)…一つ目の砂防ダム(11:30)…折り返し点(13:00)…入渓点帰投(15:30)
≪紀行文≫
                                   〜〜〜〜〜〜
 7月からは尾根を一度も歩いていません。一人でぶらぶら沢ばかり歩いています。
 滝沢川は土埋山から流れ出し、津川カントリークラブゴルフ場の北側境界に沿って流れ、常浪川の支流、東小出川に注ぎ込む川です。
 滝沢川へは7月20日にも行ったのですが、前日まで数日豪雨が続いていたので、水量が半端ではなく、入渓地点の砂防ダムは上部の窓からも水が流れ落ちていました。
 砂防ダムの上流はアシ原が冠水し、アシの葉先が広い水面に揺れている湖沼状態でした。
 到底そんなところを歩ける訳がないので、7月の時には本流域の遡行を諦めて、右岸側から入渓地点に流れ込む支流を遡行して帰りました。

 私の沢行は、こういう沢に行くというこだわりとか、ガイドブックを見たり、人に話を聞いてそこが良さそうだから行ってみようというのではなく、ただ地図を見て、ほどほどに近い範囲内で、なんとなく面白そうな気がしたら行ってみるというだけのものです。
 滝沢川は、地図上で名前を見つけて、滝にまつわる名前からして、大きな滝が在りそうだなと、よくよく地図を見ると、中流域に滝の記号が表記されていたので、この滝を見てみたいなと思い、行ってみることにしました。

 7月に歩いた支流も、今回歩いた本流も、極々普通の渓相ですが、あえて特徴を言えば、足が滑らないということです。
 沢床のゴロゴロ岩も両岸の岩壁も滑らないので、ピョンピョンと気楽に飛び石で行くことが出来ます。
 緊張せず、安心して沢の歩きが楽しめます。

 阿賀町旧上川地区の牧野集落から、滝沢川左岸沿いの林道を終点まで進むと砂防ダムがあり、砂防ダムの手前には、人が歩いて川を渡れる鉄の橋があります。
 橋を右岸側に渡ると、ダム方向に向かって踏み跡が付いています。
 砂防ダムの脇を通って、踏み跡を100mほど進むと、滝沢川の流れに出会います。
 入渓点の川の景観はお世辞にも美しいとは言えません。沢床は細かい砂で、靴はブスブス川床に潜り不快です。
 到底渓流のイメージではありません。
林道終点の砂防ダムと鉄の橋 右岸の踏み跡(写真右側に砂防ダムがある) 滝沢川本流の入渓点

 でも少し進むと沢床は砂利に代わり、不快感は解消されます。
 その後流域は、アシ原を流れる小川状になったり、河原の流れになったりを繰り返して流れています。
 入渓点から400mほど進むと、ようやく渓流らしい景観になります。
入渓ほどなく砂利の川床になる アシ原の中の水流 入渓点から400m程の地点の渓相

 入渓点から1000m程過ぎると両側に岩壁が切り立ち、ゴルジュ状の様相になります。
 水深がかなり深くなる箇所もありますが、深い所でも身長165pの私の胸までで、泳がなければならない箇所はありません。
 なお、岩に着いたコケの状態から推測すると、この日は平時よりも20pほど水嵩が高いようです。
沢の様子1 沢の様子2  沢の様子3

 前方に大きな滝が見えてきました。地形図に滝の記号が表記されていた滝、たぶん川の呼び名のいわれになったと思われる滝です。
 二段の滝で、一段目は4m程の赤い滝、二段目は10m弱の大きな黒い滝です。
 二段目の黒い滝の上は白っぽいスラブの滑床になっています。
 ちなみに帰りは、黒い滝は懸垂下降しましたが、赤い滝は白い飛沫の滝つぼに、思い切りよく飛び降りました。
地図に表記された滝  一段目の滝を上がって見た二段目の滝 二段目の大きな滝の上、白っぽい滑床

 さらに進むと大きな砂防ダムが現れました。幸いなことにこの砂防ダム、真中が開いていて、通過できるので助かりました。
 砂防ダムの先に進むとゴルジュになり、ゴルジュの出口に5m程の滝が在ります。
 この滝はとても厄介でした。岩がのっぺりしていて、手掛かり、足掛かりが取れません。何度も失敗しましたが、ロープに石を括り付けて投げ、写真左側の  流木にロープを回し取りし、なんとか這い上がりました。
 帰りはもちろん、滝つぼにドボンと飛び降りました。
大きな砂防ダム ゴルジュを進むと出口に滝がある ゴルジュ出口の滝

 厄介な滝を抜けると、その先にもゴルジュが出てきます。ここは水深が深いため、水面は静寂です。水も冷たく、もやが立っています。
 写真ではもやの写りが薄く、明るく見えていますが、実際はもやがもっと濃く、照度も低く、かなり幽玄な様相でした。
 これまでのゴルジュもそうですが、こうしたところを一人で歩くと神妙な気持ちになります。
 ゴルジュを抜けると沢内は明るく開け、気分も穏やかな沢歩きが楽しめます。
 こうした広く明るい所では、滝が出てきても、滝を登らずに脇を難なく通過できるのですが、気分が良くて逆に滝のど真ん中を登ってしまいます。
本当は幽玄なゴルジュ 明るい沢 開けた沢内の滝


 またまた砂防ダムが出てきました。
 この砂防ダムを超えて5〜6分進むと、流れはアシ原の小川になりました。

 時間もほぼ午後1時になるので、この辺が頃合いだなと、ここから折り返しました。
 
                    (おわり)
またまた砂防ダム 流れはアシ原の小川に