会山行紀行文 2013年
 03.24(日)
曇り時々晴れ
(しらぶやま)(さやのきやま)
白布山・鞘ノ木山
1221m  1004m
参加者 (紀行文) 1861 K/Y
4名
(男性1名・女性3名) (写真) 1861 K/Y
≪コースタイム≫
猪苗代町市沢集落(8:45)…主尾根(9:05)…鞘ノ木山(9:05)…白布山(11:20-12:10)…1030m峰(13:10)…林道(13:45)…猪苗代町市沢集落(15:10)
≪紀行文≫
                              〜〜〜快適な尾根歩きの予感に、わくわく〜〜〜

 磐梯吾妻レークラインを走ると秋元湖の対岸に白布山(しらぶやま)が良く目立って見え、前々から気になっていました。
 あまり登ったという話を聞かないので、尾根に踏み跡ぐらいはあるだろうが、登山道は無いだろう、アプローチの便も良いので、雪のある季節にぶらぶら登るには手頃な山だなとチェックを入れていました。

 秋元湖の南側には、白布山、鞘ノ木山(さやのきやま)、焼山(やけやま)の三つの山が並んでいます。
 どうせやるなら三山一緒にと思い、田茂沢集落からまず白布山に登り、尾根伝いに鞘ノ木山、焼山と歩いて、田茂沢集落隣の木地屋集落に降りる周回ルートで計画しました。
 この場合、途中で難儀になれば鞘ノ木山から田茂沢集落に降りることが出来るので、まことにもって安全・安心なルートです。

 猪苗代磐梯高原ICで高速を降り、国道115号線を走り、山間道路に入って、田茂沢集落はこんなに遠くないはず、変だなと思いながらなおも進んで行くと、トンネルの入り口に出ました。
 トンネル入り口上部のコンクリート壁には「市沢トンネル」と大きな銘板が付いていました。

 木地屋集落を田沢集落の入り口と勘違いし、秋元湖の東の外れ、磐梯吾妻レークライン終点間近のの市沢集落に通じる一般道を林道と勘違いして走り、目指した田沢集落を遥かに通り過ぎてしまっていました。

 戻ろうかとも考えましたが、面倒くさいし、白布山に通じる主尾根が市沢トンネル上を通っていることは先刻承知していたので、市沢集落から主尾根に上がって白布山に向うことに計画を変更しました。

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 トンネルを抜けて市沢集落に入り、集落内の車寄せ部に駐車して、トンネル西脇の斜面から主尾根に向いました。
 市沢集落からだと主尾根に出るまでの標高差は100m程しかありません。
 主尾根に出るまでの行程があまりにも安直過ぎるので、こんなんでいいのかなと、登り屋としてはいささかじくじたる気持ちもありましたが、易きに流れるは人の常、足は何の躊躇も無く主尾根に向かって進んで行きました。

 ほどなく主尾根に着くと、今年初めて見る万作の花が迎えてくれました。
 歩き始めは一面の曇り空でしたが、主尾根上に着くと薄日が差してきました。
 尾根は明るく穏やかで、雪は柔らかくもなく、固くもなく、歩行にちょうど良い加減に締まっています。
 快適な尾根歩きの予感に、わくわくしながら、焼山を背後にして鞘ノ木山、白布山に向いました。
市沢集落から真正面の主尾根に向かう 主尾根、雪は程よく締まっています 今年初めて見た万作の花のお出迎え

 尾根の雪の上は快適に歩けます。
 多くはありませんが、ところどころに雪が消えた箇所があります。
 尾根には木の幹に赤いペンキでマーキングも施されていますが、道はありません。きっとかつては登山道があったのでしょうが、今では消えてしまい藪になっています。でも藪は薄く、上り下りの手掛かりに丁度良い程度で、歩く支障にはなりません。

 鞘ノ木山に向う尾根の途中で振り返ると、焼山が良く見えました。取り付き場所を誤ったために今回はパスすることになりましたが、いづれ登る機会があるかも知れないし、多少の未練もあって、尾根筋をしみじみ眺めました。                  
鞘ノ木山に向う尾根 雪が消えた箇所は藪、登山道はありません 尾根途中から焼山を振り返る

 尾根はずーっとブナの林に覆われていましたが、鞘ノ木山の山頂も綺麗なブナ林になっています。
 ブナの梢越しに秋元湖が見えます。
 私は見たこともやったこともありませんが、冬季の秋元湖では氷に穴を開けて釣りをするそうです。
 まだ湖面は結氷していますが、もう氷の上に人が乗るのは無理でしょう。

 鞘ノ木山の山頂を少し下ると、真正面にどーんと白布山が見えてきます。ずいぶん大きいなと感じます。
鞘ノ木山の山頂 鞘ノ木山から梢越しに秋元湖が見える  白布山、けっこうな迫力です

 白布山に向う尾根から吾妻連峰方面が良く見えました。吾妻連峰方面は良く晴れていて、とても良いコントラストで、綺麗に見えていました。
 白布山に登り上がる尾根はブナの並木道のような景色です。
 この尾根は上部に上がると、尾根というより、斜面の形状になります。              
西吾妻山? 下部は秋元湖  白布山に登り上がる尾根 白布山の山頂直下

 白布山の山頂は、鞘ノ木山同様ブナに覆われています。白布山のブナのほうが、鞘ノ木山のブナより大きいようです。また秋元湖側の斜面にはダケカンバが多く混じっていました。
 白布山でゆっくりと昼食を摂りましたが、時間はまだまだ十分にあります。
 同じ尾根を帰るのはもったいないので、当初計画していたルートを下り、田茂沢集落に降りて、車を置いた市沢集落まで車道を歩いて帰ることにしました。
 林道を含めると道路距離は7qほどありますが、道端でフキノトウでも探しながら、ブラブラ歩いて帰えればさほどのことでもないと思って、そうすることに決めました。
 ところがその結末は、とんだ見込み違いで、道路端はおろか、田んぼのあぜ道にさえ、フキノトウは一本もありません。
 フキノトウを採った跡が2〜3個見えただけでした。さすがは磐梯高原、名うての観光地、たいしたものだと感嘆しました。
 とにかく帰りのルートを決めて、白布山を下りかけると、磐梯山を覆っていた雲が晴れて磐梯山が姿を見せてくれました。
 一応雲が晴れたとはいえ、逆光で、なおかつもやっているので、イマイチの姿見でしたが、吾妻が見え、磐梯山が見えたので、大満足でした。
白布山の山頂 白布山から秋元湖を見下ろしました 磐梯山が姿を見せてくれました

 当初計画した田茂沢集落に下る尾根も、明るく、穏やかで、雪が締まっていて歩き易く、気持ちの良い尾根です。その上、周囲の木々の新芽が赤く色づいて、春紅葉がとても綺麗です。このルートには大きなピークが3カ所ありますが、いずれのピークも穏やかな登り下りです。

 1030mのピークを過ぎると樹相が変わり、ブナよりもミズナラが多くなります。
最奥は焼山、その手前は鞘ノ木山 下るルート上の大きなピーク  下るルートの尾根、ミズナラが多い

 標高が低くなると雪が消えていました。でも藪はありません。
 関東など太平洋側の山はえてして藪が薄く、道が無い場所で、雪が無くてもさほど苦労せずに歩けます。

 福島でも藪に泣かされるのは、新潟県境方面の山ぐらいです。

※余談ですが、市沢集落の住人から聞いた話を2つ書いておきます。
 ・鞘ノ木山は地元では「はなれもりやま」と呼んでいるそうです。
 ・白布山に登るには、田茂沢集落手前の酸川野集落から林道を使って
  登るのが、一番手っ取り早いそうです。
                            (おわり)
藪がありません