会山行紀行文 2013年
 01.13(日)
寒九の水汲み
参加者 (紀行文) 2044 S/H
単独
(男性1名) (写真) 2044 S/H
≪コースタイム≫
自宅(8:05)=いずみの里(8:20-8:40)…車止め(9:10)…どっぱら清水(9:35-9:45)…車止め(10:15)…いずみの里(10:40-11:10)=自宅(11:25)
≪紀行文≫

 1月13日、五泉市の大蔵山山麓で寒九の水汲みが行なわれました。
 毎年県内外から400人以上の参加者が冬の寒さの中に集まる、翌日には新聞で報道されているので知っている方も多いと思いますが、どのように申し込み、どんな魅力があるのか、毎年のように参加している私から地元のイベントとして紹介しょうと思います。
 寒の入りから九日目、この日が一番寒く、また水も一番澄んでいる、そんな水をお酒にするために山奥から運ぼうというイベントなのです。

 今年の水汲み当日は雨でした。今年は寒い日が続いていましたが、この日に限って気温が暖かい、そんな雨の中の水汲み、それなら早めに受付をして、山道が渋滞にならない前にどっぱら清水まで行こうと、家を8時過ぎに出ました。
 私の家からいずみの里の受付まで車で15分です。会場近くに来たら大型バスに会いました。どこか県外からの参加者のようでした。

 考えることはみんな同じ、受付開始時刻の8時半前にもかかわらず駐車場は8割は埋まっていました。
 急いで支度をして受付に、そこで会の大ベテランIさんに声をかけられました。
 飯豊の大ベテラン、Iさんも一人で来たと、それなら一緒に行きましょうと。受付を終わらせ、背負子に空のポリタンクをもらって括り付けます。

 今回はいずみの里からどっぱら清水までの一往復です。車止めまで給水車が入れないとのこと。約1時間の重荷行進です。

 着替えなどの荷物は受付の隣の体育館に置きます。他の荷物は何も持っていません。汗を拭くタオルは首に巻き、手袋は冬用のもの、でもこの日に限っては手袋なしでもよかったようです。
臨時駐車場 受付

二人で林道を歩きだします。少しでも早くと何人かを追い越して車止めまで、そこまで約30分です。
林道を歩く 背中にポリタンクを 車止め、例年はここまで給水車が

 車止めで私は長靴を脱ぎ靴下がずれていたのを治しました。そのとき若い山ガールが「初めてですが、どちらの方向へ行けばいいのでしょうか?」と聞きます。I先輩は「じゃあ、一緒に行きましょう。」と。そこからは超スローペースです。先頭に立つ私が振り返ると、「Hさん、先に行っててもいいよ。」と。そんなわけにはいきません。I先輩、山ガールと楽しく話しながら、私は少し離れて前を、その山ガール、登山靴のまま、もっとも山道といっても、50人くらいのスタッフが歩きやすいように雪の階段を作ったり、木の粉をまいたり、安全な道を作ってくれています。アイゼンはなくてもいいようでした。
 聞くと、その山ガール、横浜から一人で参加とのこと、ネットで知って、申し込み、はるばる横浜から、こんな美人、横浜の男は何をしているのか。
冷たい沢 スタッフが道を歩きやすいように 沢伝いの道

 どっぱら清水には10番目に到着、スタッフにそう告げられました。そこで空のポリタンクに水を入れてもらいます。水を入れている間は台の上に背負子を背負ったまま置く状態です。水が満タンになり再び背負うと、それは重くてフラフラします。
重たい水を背負った下り優先 ここで水を入れる 寒九の水汲みの看板

 しっかり足に重心を取って、歩き始めます。登ってくる400人以上もの人と山道ですれ違うのです。

 一応は重い荷物を持った下り優先です。でも登りはもう大渋滞なのです。みんな山側に避けてくれますが、そこは山道、すべりやすく、荷物も重いのでフラフラと、こんな重い荷物、転ばないように慎重に。カメラを撮る余裕なぞありません。

 車止めまで降りると、後は林道です。我々はここで休憩、山ガールはここで別れて林道を走るように。
 だって女性は10リッターですものね。それに林道はスパイク必要ありません。

 30分ほど林道を歩き、チェックポイントで名前を。これで受付とゴールの二回のチェックが入ったので歩き通したことが証明されました。
 これが重要なのです。後日スタッフが確認して、完走者(完歩者?)にお酒を届けるためです。

 背中のポリタンクを給水車に、そして千人鍋で煮込まれた「芋煮汁」をいただきます。五泉の名物、絹乙女という里芋と大根、豚肉などを大きな鍋で煮込んだ、美味しい芋煮汁です。これだけでお腹はいっぱいになります。
まもなくゴール 千人鍋の芋煮汁 具たくさんの芋煮汁

 私はそこでIさんと別れ家に、家でお風呂に入り、昼食です。
 懇親会に出る人はそこでバスを待ち、会場の咲花温泉に、そこで温泉に浸かり、しばし休憩、懇親会では美味しい日本酒が飲み放題、鍋料理やいろいろな料理も出るが、お勧めはおにぎり、地元のコメを美味しい水で炊いたもの、だから懇親会に出る人は、お昼は芋煮汁で済ませ、懇親会のオニギリを食べること、そうすれば昼食の用意なぞいらない。なお、体育館には湧き水で作った美味しいコーヒーが100円、それにケーキなどいろいろ販売されている。

 懇親会に出る、出ないにかかわらず、どちらの人にも近くの駅まで無料のバスが出る。
 バスは新潟駅発の電車、あるいは新潟着の電車に接続できるようになっている。
 ちなみに今年は新潟発8:23の電車に乗れば馬下発9:10の無料バスに接続されるとのこと。

 水汲みの参加者には2月末にその水で作った美味しいお酒が手元に届く。
 4合瓶なのであっという間になくなるが、それで参加料は500円、それは保険料に充当されるので、経費はほとんど主催者持ち、懇親会に出ても3000円(水汲み+懇親会)、その中にバス代、温泉代、お酒が飲み放題、それに料理が出るので安いと思う。
 
 また泊まりたいという人は一万円(水汲み+懇親会+宿泊)で懇親会場の宿に手配してくれる。
 だから懇親会場には大勢の浴衣姿の人が目立つ。ちなみに毎回懇親会には200名くらいの参加だそうだ。

 私はこの日、午後に用があったので懇親会には参加できなかったが、以前は何回か参加している。
 同じ苦労をしたメンバー、お互いに初めてでもすぐに打ち解け、登山話に盛り上がる。
四合瓶のお酒と認定書(2010年) 懇親会風景(2008年)

 詳しい内容は、11月後半になると「寒九の水汲み」のHPで見ることができる。
 申し込みは「越後泉山会」の酒屋に、新潟市内だけでも30店ほどある。
 越後泉山会のHPから見るか、事務局(0250−43−3187)に電話を。ただ気をつけないといけないのは申し込み締切日、今回は12月20日だったが、これを過ぎると一切受け付けないので注意が必要。

 今年の寒九の水汲み、楽山会のメンバーには6人にお会いした。でも400人以上、重たい荷物を持ってすれ違う、きっともっと多くのメンバーが参加していたものと思われる。冬の山登りはどうかという人も、冬場のトレーニングだと思って、参加すればきっと病みつきになるかも。

 今回は気温が高く、雪が木々に張り付く冬山独特の景色は楽しめなかった。それでも久しぶりにいい汗をかいて、今年も元気に山登りができるかと、午前中だけだったが楽しい水汲みだった。

 最後に私は背負子を使ったが、20リッターのポリタンクは灯油用とは違い、少し太め、普通の山行に使っているザックで大丈夫だ。
 他の荷物はすべて預け、空のザックで行くこと、さもないと20キロの水は重い、途中で荷物を降ろして休憩なぞしたら、とても一人では背負えないですよ。

◎以下は2008年度の晴れた日の寒九の水汲みの模様です