会山行紀行文 2013年
 01.05(土)
曇り後晴れ

マンダロク山
866m
参加者 (紀行文) 1862 Y/I
5名
(男性3名・女性2名) (写真) 1862 Y/I
≪コースタイム≫
新潟(6:30)=高石集落(8:31)…渡渉点(8:48)…鉄塔(9:40)…609P(11:40)…前進限(13:00)…609P(13:40-14:30)…鉄塔(15:15)…渡渉点(15:50)…高石集落(16:07)=新潟(18:00)
≪紀行文≫
                                   〜〜〜冬のマンダロク山〜〜〜

 マンダロク山に登ろうと衆議一決したのは3日の粟ケ岳に登った時でした。
 自分としてはマンダロク山は2回目の挑戦です。いずれも雪のある時期、前回は2007年の2月でした。その時の印象は良く、天気も上々、頂上からの展望は素晴らしいものでした。真っ白な飯豊連峰が連なり、粟ケ岳から川内の山並みが手に取るように見えました。勿論、間近に見える菅名山塊や五頭連峰、そして村松白山などが手に取るように見えました。鮮烈な印象でした。

 この山に再び挑戦できるのですから諸手を挙げて参加させて貰いました。しかし、美しい景色とは裏腹に、すっごく辛く苦労した思い出も鮮明に残っているのです。
 登り始めの頃は隊列に加わり、先頭でラッセルも何回かこなしましたが、609Pを過ぎたあたりから全く足が上がらなくなってしまったのです。仲間は懸命にラッセルしながら登って行くのですが、最後尾でついていくのがやっとになってしまいました。ワカンには雪玉がついて歩きづらいし、木の枝が顔に当たって煩わしいし、とうとう足に痙攣も起こしてしまいました。もう頂上はあきらめて、ここで皆を待っていようと何度も何度も思いました。雪庇に足を踏み抜いてびっくりもしました。それでも何とか歩き続け、ふうふう言いながらも、皆が頂上でお昼を食べ終わる頃にやっと登りつきました。
 美しさとは裏腹に厳しい山と言う印象が鮮烈に残っているのでした。

 でも、チャンスがあるならもう一度登りたい山の一つでした。心配は尽きないものの楽しみでもありました。天気予報は終日曇り、しかし午後3時頃から晴れ間も見えると言う、雪山登山にとってはこの上もない条件でした。仲間の足も揃っていますし、これなら再び頂上に立てると信じていました。こうして、マンダロク山の再チャレンジが始まりました。

 最初のポイント、送電線鉄塔までは多少の遠回りはしましたが順調に進みました。
 そして第2ポイントの609Pに向けて足を進めましたが、結構雪の量があり、思うようには行程がはかどらなくなってしまいました。5人ではどうやらパワー不足だったようでした。
 そう言えば、この前は、スーパー爺ちゃんが居て、ぐんぐん引っ張ってくれたなあと恨めしく思い出しました。

(写真:左)
 早出川ダム手前、高石集落の幅広の路肩に車を止め出発しました。天気予報は終日曇り、今日1日何とか持ち堪えそうな空模様でした。コンパスと地図は勿論ですが、念のためマーク用のテープとGPS2台持参です。


(写真:右)
 しばらくは日倉山、日本平登山道を行きますが、集落を過ぎたあたりで左に転じマンダロク山に向かいます。そこからは夏道はありません。まずは渡渉して鉄塔に向かいます。

(写真:左)
 第一ポイントの鉄塔に到着、少し回り道をしてしまいましたが、ここまでは順調な歩みです。



(写真:右)
 次のポイント609Pを目指します。曇り空ながらもマンダロク山は見えていました。

(写真:左)
 登り一辺倒の尾根道、とにかく交代でラッセルラッセル、急登に差しかかると速度は落ちましたが、とにかく前へ前へと進みます。この際男も女もありません、皆で協力しなければ登れません。


(写真:右)
 真っさらの雪道、兎の足跡が導いてくれています。兎だけではありません。カモシカらしき足跡にはこの先ずっと助けられました。

(写真:左)
 雪質は良く、割合楽に進めました。しかし長丁場、あせらずあわてずしっかりと雪を踏みしめます。


(写真:右)
 609Pに到着!!! まずは第一関門を制覇。徐々に青空も広がって来ました。しかし時は11時40分、あんまりのんびりはできません。

(写真:左)
 少し青空が広がって来ました。雪景色、きれいですね。


(写真:右)
 マンダロクへの稜線はこんな道、これに高度差が加わって来ます。雪庇は危険なので、あえて藪に入り、枝を掻き分け進みます。

 頂上まであと300m、標高差にして86mの地点で、ついに前進限度と決めた13時になってしまいました。あとわずか、皆が行こうと言えば行けない距離ではありません。しかし、ここはぐっと堪えて、今日の到達点はここまでと割り切りました。
 残念ながら飯豊は見えませんでした。やむを得ません。でもこの上なく爽やかな気持ちでした。

(写真:左)
 二王子岳から飯豊に続く稜線。頂上に立てば飯豊も見えるのですが、残念。


(写真:右)
 前進限と決めた13時になりました。頂上まであと300mほど、標高差にして86mの地点です。もう一息なのですがここを今日の到達点としました。
(写真:左)
 間近に見える菅名山塊です。


(写真:右)
 村松白山、先日挑戦した粟ケ岳は雲に隠れていました

 お腹は空いていましたが、安全のため、お昼は609Pまで下がって戴くことにしました。飛ぶようにしかし慎重に下山しました。

 609Pに着くと、空は晴れ渡り青空が広がっていました。スコップで雪のテーブルを作り、持ち寄ったご馳走でささやかに乾杯です。
 今回も満足いっぱいのマンダロク山でした。 
     
(写真:上)
 帰路に見たマンダロク山、なんとビューティフルなことか!!!
(写真:上)
 隣の日倉山、800mそこそこの山とはとても思えません。2000mの飯豊や3000mのアルプスに決して引けを取りません。
(写真:上)
 いよいよ終盤です。粟ケ岳、その手前の権現山に向かってぐんぐん下ります。頂上には届きませんでしたが、満足のいく雪山歩きでした。

(クリックで拡大)
歩いた軌跡。そう難しくもありませんので皆さんもトライしてみてください。

                                   (終わり)