会山行紀行文 2013年
 10.29(火)~30(水)
曇り時々晴れ
(ますざわ)(あらおだけ)
升沢遊歩道・荒雄岳
 570m     984m
参加者 (紀行文) 1866  S/T
20名 (写真) 1866 S/T
(男性2名・女性18名) (俳句)  557 T/K
≪コースタイム≫
(29日)
新潟駅南口(6:05)=東北道・大和IC(10:00)=旗坂登山口(10:50)…すりばち沼(11:40)…割山大滝・昼食(12:05-13:00)…すりばち沼(13:30)…旗坂登山口(14:00)=鳴子温泉(16:05 泊)
(30日)
鳴子温泉(7:30)=林道駐車場(8:25)…七つ森登山口(8:35)…稜線分岐(10:05)…荒雄岳(10:15-10:30)…七つ森登山口・昼食(11:40-12:30)=鬼首温泉・かんけつ泉見学=入浴=鳴子峡(14:30)=山形経由=新潟駅南口(20:05 解散)
≪紀行文≫
                            ~~~東北の紅葉と温泉をしっかり楽しみました~~~
〖29日(火)〗
 秋も深まり、いよいよ紅葉の季節なってきました。
 今回のトレッキング企画は、「東北の紅葉と温泉を楽しもう!」というものです。
 最近、よく聞こえてくる声は「夏の猛暑のために、今年の紅葉はあまり奇麗じゃない」というもので、果たしてどんな塩梅か?心配です。

 メンバーは自分を含めて、男性が二人で女性が18名という組合せ。正に、婦人会の団体を引率するの巻となりました。
 天気は、この二日間ともまずまずの予報であり、大きな心配はなさそうです。
 新潟を6時に出発。車内で、今回のコース案内や注意点の説明を終え、その後は「唄のしおり」を繰りながら、山の歌の合唱などで楽しみながら長い道中を過ごしました。
 磐越道=東北道と進み、仙台を過ぎて大和ICで高速を降りて、船形山の旗坂登山口を目指します。

 宮城・山形県境の船形山・1500m(日本二百名山)の山麓に広がる一帯に「升沢遊歩道」があります。
 広い駐車場で準備を終えて”ふくろう橋”を渡ると、すぐそこはブナ林に囲まれた”旗坂野営場”であり、炊事場やテント場が広がります。
 野営場を抜けて”五蔵橋”を越えれば、いよいよ遊歩道に入ります。

      *県境の 山脈深き 霧に浮く     *苔むせる 五蔵橋揺れ 水澄めり

旗坂登山口 「ふくろう橋」を渡って出発 次の橋は「五蔵橋」

 若いブナが多いけど、時々古木も混じる樹林帯の紅葉はまずまずの色合いを見せています。
時々輝く木漏れ陽を浴びながら、落葉を踏みつつ進むのは真に気持ちいい。林間の見通しも効いて圧迫感も無くルンルンと歩けます。

 ”ふくで岩”を過ぎて少し下っていくと、そこは”すりばち沼”です。池畔には木道も整備されており、対岸の水に映る紅葉をゆっくりと眺められました。

    *ふくで岩 紅葉落葉の 二・三枚    *「熊注意」 札あちこちに 落葉道 

 静かな水面に映る赤紅葉は、幻想的で紅葉の美しさを一層引き立ててくれます。暫し、皆んなで見惚れたことでした。

    *沼凪いで 岸に水面(みなも)に 紅葉濃し    *熊かじる 立て札もあり 木の実降る

心地よい落葉ロード 台風の被害?も大きい すりばち沼へと下ります
幻想的な湖面に映る、赤や黄色の紅葉が柔らかでとても美しい

 静かな森の中に私たちの賑やかな声だけが響きますが、やがて聞こえてくるのは滝の水音。
 かなり勢いのある水音がかなり先から聞こえてきます。
 緩い坂道を登った先、木立の隙間から滝が現れました。
 大きな水音と共に流れ落ちる滝は、滝壺は無くてゴロゴロと点在する岩の間を流れて下流へと消えていきます。

 反対方向からは、10人ぐらいの団体さんが来ました。自然探勝が目的の地元の方々、本日、初めて出会うハイカーです。

 私たちもここで、滝を見ながらの昼食としました。
 眼前に滝と紅葉のコントラストを楽しみ、かすかなマイナスイオンを感じながら仲間との楽しい会話を楽しみつつ食べるのは、どこで食べるのよりも美味しい!
 食後には、この紀行文でも詠まれている俳句の作者でもあるT/Kさんから、お点前を頂きました。
 いつもながら、わざわざ道具を持参されての提供に頭が下がります。有難うございました。

    *滝音に 包まれし昼 紅葉散る        *紅葉滝 リズムに合わす 野点かな
たっぷりの水量が迫力の割山大滝 フォールサイトでランチ 愉快な”おもてなし”で大盛り上がり

 本来なら、更に先に進み周回コースの予定でしたが、どうも先頃の台風のためか?、遊歩道に幾つものぬかるみが出来ているとの情報により、来た道を引き返して旗坂登山口へと帰りました。

 下山後は、「鳴子温泉・弁天閣」へと向かいます。
 肌に感じの良い鳴子の湯は、日本屈指の温泉場。
 かっての賑わいは少し薄れていますが、「紅葉の名所・鳴子峡」目当ての客で、この時期は一番賑わう時期でもあります。

       *山黒く 染めて鳴子の 暮れ早し         *長き夜や 鳴子小唄の 声ひびく

 とても快活で愉快な仲居さんから格別の”おもてなし”を受けて、夜の部は大盛り上がり。とても賑やかに過ごさせて頂きました。私たちのメンバーからも、民謡や踊りも飛び出して楽しい宴会でした。

       *なめこ汁 添えて鳴子の ひとめぼれ      *明日の山 秋晴れ願ひ 宴果つる
〖30日(水)〗
 二日目は、舞台を鳴子から鬼首(おにこうべ)温泉に移して、荒雄岳に登ります。
 心配された天気も、予報以上に晴れており今日も楽しい一日になりそうな予感です。

 鬼首に向かう車窓から眺める鳴子ダム近辺も、知られた紅葉の名所です。
 その後は、”オニコウベリゾート”から林道へと入り、登山口に到着。

       *紅葉浮き 鳴子の朝の 明けてきし       *秋晴るる 紅葉もダムも きら々と

 対面に禿岳(かむろだけ)を見ながら、しばらくは杉の苗木が植わる植林地を登ります。
 朝一番は、身体慣らしのために、特にゆっくりゆっくりと登ります。
 メンバーからは、「わぁ~、きれい!」の歓声が上がります。
 赤一色の鮮やかな紅葉、目を転ずれば黄色のブナ紅葉もなかなか見事!です。
 登山道に入れば、ジグザグの電光型に切られた道は大変歩きやすい。
 落葉を踏みつつ頭上に輝く明るい紅葉を受けながら、徐々に高度を上げていきます。

       *咲き誇る 野菊色濃き 登山口          *草紅葉 ふわふわやさし 足裏に

全山紅葉 まず植林地から登り始め 緩やかな勾配を少しづつ

 高度差およそ450m、80代2人、70代12人、60代6人のメンバーでもあり、疲れたりバテたりする人が出ないかと心配もしていましたが、それは杞憂でした。登るほどに一層の輝きを増す紅葉に励まされて、どの参加者も元気一杯!。

 穏やかな天候、時々陽も射せば輝きを増す紅葉、皆さんから歓声も上がっておおいに士気も上がります。

     *草紅葉 ふわふわやさし 足裏に        *実をつけし つるありどうし 紅散らす
全山紅葉!赤あり黄葉あり、それぞれに競って主張しています。

 とても歩きやすい道、加えて落葉のふかふかが気持ちよい。歩き続けて、やがて山頂到着!
 小広場となっている山頂は、そんなに天望は無いものの、少し切られた樹間から栗駒山も姿を見せてくれています。
 暫し休憩の後、集合写真も撮ってから下山です。まだ時間も早いので、昼食は下山してからとし、来た道を下ります。

      *山頂で 見おろす紅葉 極まれり       *倒木を またぎ茸を 踏み下山
 
 同じ道なのに、何故か違って見えたり感じ方も別な感覚を覚える事もあるものです。

 登りと下りで違って見える風景を楽しみつつ順調に歩いて登山口へ。

 一つの山を登り切った満足感と共に、登山口でお弁当を広げます。

 暑くもなし寒くもなし、本当に良い条件に恵まれた今回の山行でした。
荒雄岳山頂 登った道を忠実に下山

 山を終えた後は、すぐ近くの”間けつ線”の見学です。
 10分おきぐらいに、地下から勢いよく噴き出すお湯は4階建てのビルほどもあります。

 勢いよく噴き出すさまを、歓声と共に見物。
 4~5分ぐらいで噴き出しは止んでしまいます。

 見足りないので、10分ほど待って更にもう一回!。
 
*かんけつ泉 高しいちょうの はらり散る

 2度の吹上を見学してから、鳴子温泉に戻り、弁天閣さんのご厚意で無料入浴させて頂きました。

 山の汗を流した後は、鳴子峡の紅葉見学です。見所の大深沢橋に来てみれば、平日だというのにたくさんの見物客が次々と駐車場に入ってきます。
 かっては、峡谷の川沿いに造られた遊歩道を歩きながら見物出来たのですが、岩崩れなどで今は通行禁止。辛うじて国道の橋からの見学なのです。
 さすがに名所だけのことはあります。岩肌によく映える紅葉は圧巻であり見応えも充分です。

  *深沢の岩にしぶきに 紅葉濃し

間けつ泉を観る
鳴子峡の紅葉見物。この時期はたくさんの見物者で賑わいます
初日、升沢遊歩道”割山大滝”にて 二日目、荒雄岳山頂にて
  
 鳴子峡の紅葉を観終わる頃、ポツポツと顔に当たるものが・・・・午後から徐々に厚い雲が張り出していましたが、遂に雨になったようです。でも、良かった!山にいる間に降ることなくて。

 今回の全部の予定を終了して、帰路は山形周りのコースで新潟へと戻ることにしました。バスのドライバーさんと慎重に計算してみると、どうも東北道経由よりも早く帰宅できそうという結論に達したのです。

 参加の皆さんの協力もあって、効率的に入浴時間と名所見学を終える事が出来、更にバスも鳴子=新庄=天童=山形=小国=新潟とラッシュに遭う事も無く走る事ができました。なんと!予定を一時間半も縮めて新潟へと帰ることが出来ました。

 今回の山行を終えて、参加者の方々から「今回の山行は100点満点!、二つのコースも紅葉も宿も最高だった!、オマケに家にも早く帰る事が出来た。本当に良い山行だった」とお褒めを頂きました。

 こちらこそ、皆さんの大らかな気持ちとご協力に助けられて大感謝なのに、こう煽てられると、リーダーとしてはもっといいコースを探そうと、その気になってしまうのです。また次回も充実の山行を企画したい思ったことでした。
 今回は、リーダーとしても充実した想い出の山行となりました。参加の皆さん、有難うございました。  (おわり)