会山行紀行文 2013年
 06.16(日)~17(月)
曇り後晴れ 晴れ
(えぶりさしだけ)
杁差岳
1636m
参加者 (紀行文) 2040 K/K
17名
(男性11名・女性6名) (写真)2040 1866 2070
≪コースタイム≫
(6/16)
胎内市役所(6:00)=奥胎内ヒュッテ(7:10)…登山口(7:55-8:05)…姫子ノ峰(9:10)…滝見場・英三ノ峰(10:25)…ヒドノ峰(11:10)…水場分岐(11:15)…広場にて昼食(11:25-12:05)…イチジ峰(12:30)…西の峰(13:30)…大石山(13:45-13:55)…鉾立峰(14:50)…杁差小屋(15:45)
(6/17)
杁差小屋(6:00)…鉾立峰(6:30)…大石山(7:30)…頼母木小屋(8:15-8:45)…大石山(9:20-9:30)…イチジ峰(10:00)…広場にて昼食(10:30-10:55)…水場分岐(11:05)…ヒドノ峰(11:15)…英三の峰(11:50)…姫子の峰(12:45)…登山口(13:35)…奥胎内ヒュッテ(14:25-15:50)
・解散(15:55)
≪紀行文≫
                          ~~~雄大な飯豊連峰の大展望と可憐な花々の稜線漫歩~~~
 
 「ハクサンイチゲの大群落と杁差小屋」 あの場所に立ってみたい!
 その一心で自分の力も考えずに申し込んだ。杁差岳は初めてでワクワク ♪♪♪

 年の計画とは一週間遅れの計画に、花の時期を考えてのことかなと思っていたが、奥胎内ヒュッテまでの、林道開通が13日というから、この日程でちょうど良かったことになる。
 林道開通・さらに乗合タクシーで登山口までいける時期まで待つと、花(ハクサンイチゲ)の最盛期に遅れ、花の最盛期に合わせると、林道歩きを強いられるとのことが、私にもようやく分かってきた。

 前日は、避難小屋泊まりの準備最中から、大丈夫かな?のドキドキが止まらない。
 あれほど晴れ続きの天気が、ちょうど雨模様に変わり心配したが、なんと山行の日二日間は晴れ予報。 ラッキー! 

≪6月16日(日)≫
 胎内市役所に6時集合。4台に分譲し奥胎内ヒュッテに向かう。
 長い山道をくねくねカーブしながら山奥に入り、ようやく奥胎内ヒュッテに着いた。

 あいにく小雨。車中で朝食を食べ、雨具を着て出発した。

 50分ほどの林道歩きは、雨具でムシムシ。
 足の松尾根登山口に着く頃には雨があがり、雨具を脱ぐことができた。

歩いた軌跡(クリックで拡大)
胎内市役所駐車場に集合 奥胎内ヒュッテ手前で登山準備 小雨の中、長~い林道歩きが続く

 リーダーからの注意を聞いたあと、「足の松尾根登山口」の階段を登る。

 「御用平」のブナの林を気持ちよく進むと、いよいよ急登が始まる。

 びっしり張り出した木の根をつかみ、大木を乗り越えグングン高度を上げる。まさに「足の松尾根」だ。
足ノ松尾根取付(登山口)から登山開始 新緑が気持ち良い“御用平”のブナ林 歩き辛い急登をひたすら登る

 「岩場あり 足もと注意」 写真で見たロープの張られた大きな岩を、慎重に順に越える。
 さらに急登すると、フッと景色が開け平らな所に出た。「姫子の峰」だ。
 ガスはかかっているが、見晴らしが良い場所で稜線の一端が見える。空は明るくなってきた。
 これから、天気は良くなっていくだろう。
 お腹が空いたのに気付き、行動食をほおばった。
 「まだまだ4分の1も歩いていないよ。これからこれから・・・」がんばるぞ!
左右が切れ落ちた岩場を通過 やっと到着した姫子の峰で飯豊の稜線を望む

 姫子の峰を過ぎると、ようやく鉾立まで見えてきた。

 ここが一番!の岩場を、一人ひとり順にロープにつかまりながら越える。
 木の根をつかみほぼ四駆で、登る。下りは、大変だろうなと登りながら心配になった。

 滝見場・英三の峰を過ぎると雪渓が現れた。

 マンサク・カタクリ・ショウジョウバカマ・イワウチワ・イワカガミ・マイヅルソウ・・・
 花の競演!! 春に戻ったようだ。
前方に鉾立峰が観えてきた 再び狭い岩場をロープを頼りに渡る 幾度か残雪の上を歩く

 美しいブナ林の中を進み、イチジ峰手前の木陰で、ゆっくりと昼食をとる。
 ようやく、皆の顔に笑顔が浮かんだ。お腹がいっぱいになったところで出発。
 西ノ峰を越え、やっとやっとォ・・大石山の縦走路に出た! 

 「大石山からは、アップダウンはあるものの歩きやすい道だから、大石山までとにかく登れ!」と言われていたのだ。ヤッタ~! 
涼しい樹林帯の広場で昼食「活き返る!」 この辺りにくると低木帯が多くなってくる 前方が大石山西峰「もう少しだ、ガンバレ!」

 大石山には会友が日帰りで来ていた。花情報を得る。良い写真は撮れただろうか。
 
 さあ、飯豊稜線漫歩の始まり~~ 
 ハクサンイチゲの見頃には少し遅かったかなと思うものの、ハクサンチドリ・チングルマ・・・お花畑を見ながら、穏やかに下る。

 遠くから見ると印象的なピラミッド鉾立峰を、ゆっくりと確実に一歩一歩登り、ようやく杁差小屋が見えた時は嬉しかった。
やっと着いた“大石山” 大石山を後にして鉾立峰に向かう 鉾立峰への急登を元気よく
素晴らしい展望の鉾立峰 いよいよラストスパート“杁差”へ 杁差小屋とその後ろに杁差岳が!

 やっと杁差岳避難小屋(以降、杁差小屋)に到着。リーダーと握手を交わして、小屋に入る。
 まずは、バケツやビニル袋を手に、雪の確保。ビールを冷やし、夕食の湯や明日の水を作る。
 悲しいかな、私はまだ男性陣のお世話になるばかり。次からは、私もできるようになりたいナ。
 ビールやお酒で乾杯!! 和やかに宴会は続いた。

 6時過ぎ、残念ながらガスの中を、杁差岳頂上へ。頂上記念の一枚、そして憧れのハクサンイチゲと小屋もパチリ。
楽しい夕食が始まった 夕食後山頂に立つ ハクサンイチゲと小屋(チョット霧が)

 あとは寝るだけ・・・「夕日が見えるぞ!!!」の声で、外へ飛び出した。

 ガスがすっかりとれ、日本海に沈む夕日のなんと美しいこと! 振り返ると、飯豊連峰の全容が!!

 自分の足で頑張って登った人しか知らない世界だ。み~んなで幸せの時間を共有する。

 夜10時頃外に出ると、満天の星。

 新発田の夜景がきれいだ。ロマンチックな夜・・・
日本海に沈む夕日に感激 暮れいく飯豊の山々 二王子岳の上に月が
≪6月17日(月)≫
 今日は、いい天気だ! 朝食を早々に済ませ、また皆で頂上に登った。
 朝日に輝く飯豊連峰。残雪も素敵なパッチワークだ。ハクサンイチゲと小屋の写真もまたまたパチリ。
杁差岳頂上より朝日に輝く飯豊の山並みと残雪雄大な飯豊連峰を観る
朝日の影を引く山頂 素晴らしき飯豊目に焼き付ける 朝日を受ける小屋とハクサンイチゲ

 小屋を6時出発。朝の爽やかな稜線の風が心地よい。2週間くらい後には、ニッコウキスゲの群落が見事だそうだ。
 前方から見たことのある顔が。会友のパーティだ。足取りも力強い。
 昨日難儀した鉾立峰も難なく登ることができた。
 行く手には飯豊連峰、振り返ると、杁差岳と小屋が絵のように見えている。
飯豊の山々を観ながら稜線を進む 振り返ると杁差岳と小屋が 鉾立峰への登り返し

 大石山の縦走路分岐に着くと、サブザックに必要分だけ入れて散策に出発。背中が軽く羽が生えたようだ。
 ここでも、ハクサンイチゲの大群落。コバイケイソウが花の芽を付け始めミネザクラがまだ咲いている。
 頼母木小屋が、ぐんぐん近づいてくる。
 一昨年、北股の帰りに地神山からおとぎ話の絵のように小屋が見えたことを思い出す。
ハクサンイチゲの大群落の中を進む 楽しい稜線歩き、前方に頼母木小屋が

 頼母木小屋前の雪渓で、大休止。思い思いに雪と戯れる。

 リーダーがシャベルを出して、雪を掘り出した。きれいな雪を手の平に乗せ、練乳をかけてほおばる。
 ミルクかき氷のできあがり~ 片方ではコーヒータイム。  大自然の中での遊びは楽しい~~。
頼母木小屋(未だ水は引かれていない) 残雪に練乳をかけて食べる「美味い!」 小屋の前の残雪で記念写真

 心残りだが、帰途につかなければならない。名残惜しく戻った。
 大石山からは、「ここから気を引き締めて。」とリーダーの言葉。
 あの木の根の激下り・痩せ尾根・岩場を思い返し、緊張しながら慎重に下った。
 「こんなところ通ったっけ。よくまあ登って来たもんだ。」とは、帰りの言葉の定番。

 昼食をとろうとブナ林の木陰を目指すとここでも会友が。乏しい食料・水の私たちに果物など分けてくださった。

 緊張に緊張の連続を強いられていると、「アッ、虹!!」
 少し上に反ったほぼ水平の虹「環水平アーク」というらしい。二王子でも見たそうだ。
 縁起が良く、「私たちを応援してくれているんだね!」と歓声をあげた。(見なかった人もいる)
下山途中から胎内尾根を望む
下山途中振り返り、昨日今日歩いた大石山から鉾立峰の稜線を望む
大石山に戻り下山準備 “岩場あり”の木札が緊張を強いられる ほぼ水平の虹「環水平アーク」

 ようやく登山口へ。リーダーと硬い握手をして、全員が登れたことや一人も怪我をせず帰ってこれたことを喜んだ。
 林道歩き途中の水場の水がつめたかったこと!!息を吹き返した。

 今日から開業という奥胎内ヒュッテで汗を流し、ビールやアイス・おしゃべりで、の~~んびり。
 運転手さんビールが飲めなくてゴメンナサイ。
 「みんなで一緒に登ってみんな無事帰ってこれて良かった。山をゆっくり楽しんでほしい。」
 とリーダーの言葉。湯上りの美男美女は、うんうんとうなづきながら解散式を終えて帰途についた。
ようやく御用平におり緊張が解れる 無事下山、リーダーと感謝を込めて硬い握手 奥胎内ヒュッテで汗を流す

 地元胎内のリーダーは、飯豊を良く知っている。リーダーや経験豊富な同行者に恵まれて、
 初めての私は安心して憧れの山に登ることができた。
 充実した山行をみなさん、ありがとうございました。(自分自身もほめてあげよう)

 (それにしても、平日登山者の多いこと。会友にあちらこちらで出会い、楽山会のすごさを改めて知った。)
杁差岳山頂にて集合写真 杁差岳避難小屋にて集合写真