会山行紀行文 2013年
 02.17(日)
晴れ
(ふくとりだけ)(うさんくらやま)
福取岳・兎ヶ倉山
583m   698m
参加者 (紀行文) 1861 K/Y
15名
(男性10名・女性5名) (写真) 1861 K/Y
≪コースタイム≫
新潟駅南口(7:10)=惣座峠(8:30)…福取岳(9:30)…兎ヶ倉山(12:00-12:40)…倉ノ平集落(15:35)=新潟駅南口(16:30)
≪紀行文≫
                              〜〜〜シャベルを奮い、雪庇に突破口を切り開く〜〜〜

 何という幸運でしょうか!おそらく阿賀方面では今冬一番と言ってよい好天に恵まれました。一年分、いや三年分ほどの運を使い果たしてしまったのではないかとビビッテしまうほどのお天気でした。

 福取岳へは、福取集落はずれの惣座峠から取り付きました。惣座峠にはシイタケの栽培小屋があり、例年そこまで除雪されています。
 福取岳はアプローチの利便が良いので、冬場に何度も登っていて、いつもは東側の尾根から稜線に出るルートを採るのですが、今回は南側の斜面から西側の尾根に上がって稜線に出るルートを選択しました。
 稜線の東側には雪庇が張り出します。雪庇を突き抜けて稜線に出るのが面白くて、東側の尾根から稜線に出るルートで登っていましたが、このルートは雪崩に合う危険性があることと、稜線に出る部分の尾根が痩せていて、突き崩した雪庇の雪と一緒に滑落する恐れがあります。
 会山行で多人数ということもあって、冒険は控え目に、安全を第一に考慮したルートとしました。
除雪終点のシイタケ小屋前の広場 福取岳への稜線 左端松の後ろが福取岳山頂 福取岳山頂から高陽山方面

 福取岳から先は急傾斜のピークが連続する尾根が続きます。
 ルートに不案内であれば、ピークからピークを縫って進むことになりますが、幸いルートには覚えがあるので、適宜ピーク下の斜面をトラバースして省エネ歩行で進みました。

 途中、大きな雪庇に行く手を阻まれ、意図しない急斜面のトラバースを強いられそうになりましたが、スノーシャベルをザックに入れてきていたメンバーがおり、雪だるまになってシャベルを奮い、雪庇に突破口を切り開いてくれました。パーティー全員大感謝、感激でした。

 頼りになる仲間こそ、安全登山の要諦だとあらためて思いました。
ピーク下の斜面をトラバース 辛いのはラッセルトップ  後ろは鼻歌まじり 福取岳がかなり後ろになりました

 ようやく目指す兎ヶ倉山が見えました。でもまだ手前に大きなピークがドーンと構えています。

 兎ヶ倉山は尖んがっていて、とても急な登りになります。
 でもため息のようなものは聞こえません。ますます意気軒昂、足取り強くパーティーは進んで行きます。
兎ヶ倉山が見えました 兎ヶ倉山へ向かう尾根 兎ヶ倉山山頂直下

 間もなく兎ヶ倉山の山頂。 急な斜面を我先にと登って行きます。
 山頂からは四方八方が見渡せます。
 兎ヶ倉山のように尖った山は、見晴らしは申し分ないのですが、冬場は風が強く、晴れた日でも山頂に長居ができません。
 早々に風が避けれる場所に引き込まざるを得ないのですが、この日は風もなく、山頂の雪の上に座ってゆっくり食事ができました。
私が、俺が、山頂一番乗り 兎ヶ倉山から福取岳方面  兎ヶ倉山から棒掛山方面

 兎ヶ倉山は尖っているため、山頂部から下を見ると何処も斜面に見え、尾根筋がはっきりしません。
 下山予定の倉ノ平集落に向かう尾根を探して山頂で暫しウロウロさせられました。

 尾根筋を定め下りに入って暫くは、転げ落ちるような急傾斜でした。
 ここでルートを違えて、登り返す羽目になったらえらいことだなと思いながら、雪面に踵をしっかりと打ち込んで慎重に下りました。

 下山ルート上には岩場っぽい急な登りの箇所があり、そこで雪割れがあったら少し厄介だなと心配していましたが、幸いまだ雪割れはありませんでした。ただし、割れ幅20cm、深さ2mを超えるクラックが横に走っている個所が二箇所ありました。
岩場っぽい難所の登り  急斜面を果敢に攻めるラッセルトップは某女史 難所を超え、兎ヶ倉山を振り返る

 難所を超えれば緩やかな下りの尾根が倉ノ平集落に向かって伸びています。ゆったりとした尾根歩きが楽しめます。
 ただし、尾根は下場に至ると屈曲が大きくなり、周辺の地形も複雑になります。
 どこの山でもそうですが、高い場所は簡単で、低い場所こそしっかりとしたルートファンティングが必要になります。  (おわり)