会山行紀行文 2013年
 01.02(土)
晴れ
(あしわだやま)
足和田山
1355m
参加者 (紀行文) 2117 Y/N
18名
(男性6名・女性12名) (写真) 2070 1866 1626
≪コースタイム≫
新潟(6:00)=一本木登山口(10:40)…山頂、五湖台(12:04-12:40)…三湖台(13:40-14:00)…焼間集落下山口(14:30)=精進湖=宿(15:25)
≪紀行文≫
                             〜〜〜オカリナの柔らかいメロディーでより感動的に〜〜〜

 新潟駅南口定刻午前6時、全員(18名、平均年齢67歳)揃ったところで第1日目の足和田山登山口、大田和(一本木)を目指して出発です。
 足和田山(標高1355m)は、私には初めての山であった。
 リーダーFさんのレクチャーによると、富士の三足「足和田山、足柄山、足高山」の一つで、山の位置は南の富士山と北に位置する西湖、御坂山塊の間に位置する。富士山の展望台として知られている山であるという。
 登山口は大きく分けると西湖側から3ルート、他に河口湖ルート、紅葉台ルート、大和田ルートの6ヶ所があり、我々は大和田(一本木)から入り足和田山〜三湖台〜紅葉台をとおって焼間集落に下山する行程である。

 新潟市街から上越国境まで高速道の路面は雪がなくバスは快適に走る。周囲は雪景色だが積雪は少なめに感じた。しかし豪雪地帯はこれからが本番の雪降りである。
 車中、退屈しないようにとの配慮からか、事務局のTさんが山の歌を歌いだした。
 関心のある人、ない人いろいろだと思うが、Tさんは声を振り絞ってたてつづけに20数曲歌ってくれた。

 いま、会として山の歌の小冊子をつくるための準備をしているという。
 Tさんの山の歌の本に対する深い思い入れが伝わってきた。

 漸く登山口に到着。早速準備に取り掛かる。準備が整ったものから各自準備体操をして出発である。
Tさんのリードで“山の歌”合唱 暖かい陽射しを浴びて登山準備

 天気予報が的中し初夏を思わせる最高の登山日和である。

 登山口から尾根のとっつきまで350メートルの標高差、概ね1時間の登りである。

 樹林の間からは、晴れ上がった青空の中に真っ白な雪をかぶった富士がすぐ目の前に姿を現す。
 その富士の頭上には晴れるときに見られる笠雲(日和雲と地元の人は呼ぶ)が浮かんでいた。
 稜線をどんどん歩いて行くうちにいつの間にか笠雲は消えていた。
 富士にかかる雲はいろいろの形がある。富士山は独立峰であるため、気象・山体の影響でいろいろな形をした雲が現れ、消える。
イノシシの防御策を開けて登山開始 暖かい陽射しを浴びて登山道を進む 樹林の間から富士が顔を見せてくれる
 
 足和田山頂で昼食休憩とする。五湖台という道標があるところが足和田山の頂上。
 この山の別名は五湖台という。かつては、この頂上から富士五湖全部が観えるという意味だが、現在は周辺の樹木が生長し、河口湖、西湖、本栖湖しか観られなくなっている。登山道から山中湖が観ることができた。 
山頂から河口湖を望む 山頂から観る富士 遠く南アルプスも白く光っていた

 小春日和を全身に受けて摂る食事は最高である。山頂からの展望は実に素晴らしい。真っ白い雪をかぶった巨大な富士山がすぐ目の前にドーンと偉大な雄姿を現していた。圧倒されてしまいそうだ。その富士の雄大な美しさ。均整美。どっしりとした対称性が、なんとも言えない安定感と安心感をかもしだしている。ジワット感動が込み上げてきた。
真上から陽を浴び、白く輝いていた 楽しい昼食休憩 山頂を後に三湖台へ向かう

 足和田山から三湖台へは、いくつかの小さなアップダウンを繰り返すものの、総じて緩い下り道になる。登山道のほとんどが東海自然歩道にもなっているため、整備されていて歩きやすい。快適なハイキング気分を味わいながら、土ぼこりを上げて三湖台を目指す。この山の稜線は、林道と登山道が混在している。われわれは登山道を歩く。
 三湖台への稜線は広く明るく、適度なアップダウンがあり快適なハイキングが楽しめる

 登山道から広場のようなところにでた。ここが三湖台だ。ここからは、その名のとおり、西湖、本栖湖、精進湖の三湖を望むことができた。
 正面に富士山を展望し、後ろを振り返ると間近に迫る御坂山塊を展望することができる。右から御坂山、黒岳、毛無山、十二ヶ岳、鬼ヶ岳、王岳。そして河口湖の先には三つ峠が観える。

 ここ三湖台からは遮るものは何もない。この山随一と言ってもよい富士の雄大な姿が圧倒的な迫力満点で逼ってくる。
 悠然とそびえる霊峰富士。富士山の山容の円錐形や対称性の妙で、どこから見ても美しく素晴らしい。まさに言葉を失ってしまうほどである。
広々とした三湖台(富士が大きく広がる)
背後に西湖と御坂山塊の山々 三湖台から観る富士
この神々しい富士に思い思いに構図をとりカメラを向けていた。するとオカリナの素朴な哀愁を帯びた音声と女性の合唱が三湖台を覆ってきた。
 この歌は、尋常小学校唱歌の「富士山」である。歌詞は忘れているところもあったが、メロデーはハッキリ覚えていた。
 富士を仰ぎ見、感動に浸っていたところを、これでさらにみんなの感動を盛り上げてくれたオカリナ奏者のベテランのWさんに感謝。感謝である。
Wさんのオカリナ演奏に感動
 展望を満喫したあとは、紅葉台を通ってバスが待っている焼間集落に下山だ。
 三湖台での集合写真(富士をバックに) 名残り惜しいが下山開始

 今晩の宿、本栖湖畔の民宿「松風」に到着後、部屋に荷物を置いて焼け富士を見るため宿の対岸にある展望台に移動する。
 ここではもうカメラの三脚の放列である。待つこと20分位たったころ、雪を頂いた富士の山頂が淡紅色に染まり始めた。
 これが初めて見る焼け富士のスライドショーだ。なんと素晴らしい風景だろう。
 正月に新春美術展「富士 霊峰百景」で、浮世絵、日本画・洋画、写真によるさまざまな富士を見てきたあとだけに感慨無量であった。
精進湖からの富士 本栖湖からの“焼け富士”
 夕食は、楽しみにしていたこの宿の名物料理バンビの刺身、いのしし鍋をはじめ食べきれないほどの食卓である。

 酒も少々はいり山仲間同士の懇談がにぎやかに始った。
足和田山山頂(五湖台)での集合写真 夕食風景とボリュームたっぷりの“松風の猪鍋”