個人山行紀行文 12.04.19〜20日(日)
晴れ
坪ノ毛
652m
単独行
1861 K/Y

(クリックで大)
≪コースタイム≫
4月19日: チャレンジランド杉川6:40…8:35佛峠…11:10木六山11:50…坪ノ毛方面偵察(〜14:20)
4月20日: 木六山6:00…9:00坪ノ毛9:20…12:30木六山14:00…16:00佛峠…18:00チャレンジランド杉川

≪紀行文≫

 久しぶりに好天が連続したので、お泊り装備で坪ノ毛に行ってきました。
 坪ノ毛は木六山から西に延びる尾根の先端に在る山で、標高は652mと低く、木六山からは登ると言うより、
下ることになります。
 距離的に中途半端で、日帰りで行くか、泊まりにするか、悩むところですが、今回はのんびり指向で泊まりで
行くことにしました。
 残雪の時期にはたいてい毎年川内山塊の山に入っていて、25000図に山名が記された川内山塊の山は
坪ノ毛以外は全て行っているので、今回坪ノ毛にも行ったことから、川内山塊の山は全て網羅したことになります。

 木六山に行くには、チャレンジランド杉川の手前から左折して林道に入り、悪場峠から佛峠(通称山の神)、水無平を経由するのが一般的
ですが、悪場峠に至る林道が雪で車が通れない時期には、チャレンジランド杉川の裏手から杉林の急斜面を這い上がり、林道をショートカット
して悪場峠方面に向かいます。
 また、悪場峠まで行かず、少し手前で小尾根に上がり、尾根なりにピークを越えて佛峠に出ます。佛峠からは水無平に下らずに、そのまま
尾根伝いに進んで行きます。
 尾根伝いのルートは急な起伏が多く、距離も長く、ルートも誤り易く、水無平経由と比べて優位性は何も無く、時間は掛かるし疲れるのですが、
最近では何故かいつもこのルートを通っています。今回も、行き帰りともこのルートを使いました。
 なお、悪場峠に至る林道は、杉川側から少し入った所でガケ崩れがあり、土石で埋まっています。
 また悪場峠との中ほどあたりで道路が崩壊しています。
 今年は雪が消えても杉川側から悪場峠には行けなくて、早出川側田川内(たこうじ)集落先の衣岩から入ることになりそうです。
チャレンジランド、裏の杉林を這い上がる 佛峠(一般的には山の神と呼ばれている) 木六山山頂(先客が)

 木六山には先客がいました。山頂に着くと4〜5人用のテントが張られていました。林道のガケ崩れ現場の前に福島ナンバーのワゴン車が
留めてあったので、多分その人達だろうと思います。前日にテントを張り、木六山を拠点にして日帰り装備で先に向かったのでしょう。
 正直言って山頂のテントには興醒めでしたが、山頂の土が出た部分で蝶の出迎えに会い、心が和みました。
木六山山頂で周囲の景色を楽しみながら昼食を摂り、これからの行動を考えました。とりあえずは、山頂直下の谷間をテント場にし、サブザック
を背負って坪ノ毛に向かって1時間歩いてみる。
 2時間で坪ノ毛に行けそうならそのまま坪ノ毛に行く、2時間では行けそうもなければ、明日朝本格的にアタックすることにしようと決めました。
木六山山頂で出迎えてくれた蝶 テント場至近、坪ノ毛に向かう尾根の様子 テント場至近から見上げた木六山

 木六山の近くでは雪がありますが、先に進むと雪はほとんど無くなり、藪の尾根になります。熊追いの衆がかつて付けたのでしょうか、尾根
には薄い踏み跡が残っていて、全くの蜜藪というわけではありませんが、起伏が多く、しかも傾斜が急なので、そうそうすんなり進めません。
 1時間歩いても609m峰と木六山の中間ほどのピークまでしか行けませんでした。
1時間ほど歩いた地点から、坪ノ毛 先に向かう尾根の様子、薄い踏み跡あり 谷対岸は奈羅無登山(ならんとやま)

 夜は風の音が山中に響き、すごい風が吹いている様子でした。私は谷間にテントを張っているので、風は全く来ませんでした。
 木六山山頂のテントは大丈夫か心配でした。風はテントの大敵です。テントは何を差し置いても、風が来ない場所に張ることが鉄則です。
 前日の偵察で、坪ノ毛までは3時間と見込んでいたので、比較的ゆっくり目にテントを出発しました。
 そしてちょうど3時間で坪ノ毛に到着しました。坪ノ毛の山頂部は広く、平坦で、直径1mほどの太い杉や赤松がニョキニョキと生えています。
 坪ノ毛の山頂から尾根を100m弱進むとそこにも広い平坦部が広がっています。山頂から早出川方面を見下ろすと、深く荒々しい谷間で、
吸い込まれそうな感覚になります。
 行くときには気づきませんでしたが、帰りには花を見つけました。藪の尾根にカタクリが一本だけ咲いていました。
 人の通りなど無いであろう場所で、こうした花を見つけると、ホッとした気持ちになります。
                                                                      終わり
坪ノ毛山頂 山頂から早出川側の谷を見下ろす 藪尾根のカタクリ