≪紀行文≫
久しぶりに好天が連続したので、お泊り装備で坪ノ毛に行ってきました。
坪ノ毛は木六山から西に延びる尾根の先端に在る山で、標高は652mと低く、木六山からは登ると言うより、
下ることになります。
距離的に中途半端で、日帰りで行くか、泊まりにするか、悩むところですが、今回はのんびり指向で泊まりで
行くことにしました。
残雪の時期にはたいてい毎年川内山塊の山に入っていて、25000図に山名が記された川内山塊の山は
坪ノ毛以外は全て行っているので、今回坪ノ毛にも行ったことから、川内山塊の山は全て網羅したことになります。
木六山に行くには、チャレンジランド杉川の手前から左折して林道に入り、悪場峠から佛峠(通称山の神)、水無平を経由するのが一般的
ですが、悪場峠に至る林道が雪で車が通れない時期には、チャレンジランド杉川の裏手から杉林の急斜面を這い上がり、林道をショートカット
して悪場峠方面に向かいます。
また、悪場峠まで行かず、少し手前で小尾根に上がり、尾根なりにピークを越えて佛峠に出ます。佛峠からは水無平に下らずに、そのまま
尾根伝いに進んで行きます。
尾根伝いのルートは急な起伏が多く、距離も長く、ルートも誤り易く、水無平経由と比べて優位性は何も無く、時間は掛かるし疲れるのですが、
最近では何故かいつもこのルートを通っています。今回も、行き帰りともこのルートを使いました。
なお、悪場峠に至る林道は、杉川側から少し入った所でガケ崩れがあり、土石で埋まっています。
また悪場峠との中ほどあたりで道路が崩壊しています。
今年は雪が消えても杉川側から悪場峠には行けなくて、早出川側田川内(たこうじ)集落先の衣岩から入ることになりそうです。 |
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チャレンジランド、裏の杉林を這い上がる |
佛峠(一般的には山の神と呼ばれている) |
木六山山頂(先客が) |
木六山には先客がいました。山頂に着くと4〜5人用のテントが張られていました。林道のガケ崩れ現場の前に福島ナンバーのワゴン車が
留めてあったので、多分その人達だろうと思います。前日にテントを張り、木六山を拠点にして日帰り装備で先に向かったのでしょう。
正直言って山頂のテントには興醒めでしたが、山頂の土が出た部分で蝶の出迎えに会い、心が和みました。
木六山山頂で周囲の景色を楽しみながら昼食を摂り、これからの行動を考えました。とりあえずは、山頂直下の谷間をテント場にし、サブザック
を背負って坪ノ毛に向かって1時間歩いてみる。
2時間で坪ノ毛に行けそうならそのまま坪ノ毛に行く、2時間では行けそうもなければ、明日朝本格的にアタックすることにしようと決めました。 |
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木六山山頂で出迎えてくれた蝶 |
テント場至近、坪ノ毛に向かう尾根の様子 |
テント場至近から見上げた木六山 |
木六山の近くでは雪がありますが、先に進むと雪はほとんど無くなり、藪の尾根になります。熊追いの衆がかつて付けたのでしょうか、尾根
には薄い踏み跡が残っていて、全くの蜜藪というわけではありませんが、起伏が多く、しかも傾斜が急なので、そうそうすんなり進めません。
1時間歩いても609m峰と木六山の中間ほどのピークまでしか行けませんでした。 |
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1時間ほど歩いた地点から、坪ノ毛 |
先に向かう尾根の様子、薄い踏み跡あり |
谷対岸は奈羅無登山(ならんとやま) |
夜は風の音が山中に響き、すごい風が吹いている様子でした。私は谷間にテントを張っているので、風は全く来ませんでした。
木六山山頂のテントは大丈夫か心配でした。風はテントの大敵です。テントは何を差し置いても、風が来ない場所に張ることが鉄則です。
前日の偵察で、坪ノ毛までは3時間と見込んでいたので、比較的ゆっくり目にテントを出発しました。
そしてちょうど3時間で坪ノ毛に到着しました。坪ノ毛の山頂部は広く、平坦で、直径1mほどの太い杉や赤松がニョキニョキと生えています。
坪ノ毛の山頂から尾根を100m弱進むとそこにも広い平坦部が広がっています。山頂から早出川方面を見下ろすと、深く荒々しい谷間で、
吸い込まれそうな感覚になります。
行くときには気づきませんでしたが、帰りには花を見つけました。藪の尾根にカタクリが一本だけ咲いていました。
人の通りなど無いであろう場所で、こうした花を見つけると、ホッとした気持ちになります。
終わり |
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坪ノ毛山頂 |
山頂から早出川側の谷を見下ろす |
藪尾根のカタクリ |
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