≪紀行文≫
今日は今年初めての登山の日、昨夜遅かったので寝坊した。一緒に行く予定だった人が足の故障で行けなくなったので一人で行くことにした。
車を2台置いての縦走はできないので、折り返して自分の足で戻ってくることにした。
良くて多宝山ピストン、天候の具合でだめなら樋曽山(間Pゲート)ピストンのつもりで出かけた。
宮前口から登山開始、小雨が降っていたが雨具は付けないで歩く。
前を行く女性2人・男性1人の屈強な中年たちに追いついて、ついて歩いた。
途中、吹雪になったり雨が降ってきたりした。でも、びしょぬれ状態ではない。
オウレンがたくさん咲いていた。雄花と雌花が入って背景が緑色で、花弁がきちんと写るように撮るのは大変だ。10数枚ほど撮る。いいのが
1枚でもあれば儲けものだ。
角田山頂は雪がたくさんあって驚いた。山頂の春は、1〜2週間ではなく1ヶ月ほど遅いようだ。前の3人も通過して行く。
五箇峠をめざして下る。道は田んぼ状態でドロドロ。歩きにくい。団体も含めて多くの人とすれ違う。待つことも多かった。前を行く3人の後ろの
男性と話しながらついて行くと、先頭の女性から先にどうぞと言われ、どんどん先に黙々と歩くことになった。クレー射撃の音がうるさい。
五か峠に着いた。人が多くにぎやかだった。 |
樋曽山に入り断続的に雨が降ってくる。しかし、天気は回復に向かっているようだ。すれ違う人は多い。カタクリはしょぼんと下を向き、
雪割草もイチゲもしぼんでいる。木の芽も伸びず景色は透けて見える。マンサクも咲いていない。トリカブトとニリンソウの新芽が美味しそうに
広がっている。昼食を食べて、間瀬峠(スカイラインゲート)の直前で知り合いの夫妻と出会った。5分ほど立ち話をした。 |
天気は良い。間瀬ゲートをまたぎ多宝山に向かうことにした。車が来ないので気分が楽だ。 |
|
石瀬峠から多宝山に向けて登り始めた。
道はドロドロ、下って来る人も多い。しだいに雪が多くなってきた。
ドロドロ道から解放され気持ち良い。でも、足が重く進まない。
三山縦走の若い人たちとすれ違う。パワーが違うと感じる。
角田山から下山するとしたら4時過ぎには着くのかなと時間を考えながら歩く。
雪道は直登だ。踏み外した人の足跡を覗くと深さが1mもありそうだ。
天気は回復してきて日差しが眩しい。ゆっくりと進む。
頂上に若者が1人いた。弥彦山から着いたと言う。
おにぎりを1個食べてから、デジカメでお互い写しっこした。
下りはアイゼンを付けた。下りは快調だった。
|
多宝山山頂 |
間瀬ゲートで小休止。樋曽山のドロドロの道を思い出し、アイゼンを再装着して歩くことにした。行きに出会った知り合いにまた会った。
登るにつれてカタクリ、ユキワリソウ、ショウジョウバカマ、ナニワズ、キクザキイチゲがきれいに咲いている。かなりの数を撮影した。
来た時より道の状態が良い。晴れると乾きが早いものだ。6時前には着くかなあと思いながら急ぐ。 |
もう少しで五ヶ峠へ下る直前で道を間違えた。花に気を取られ分岐を見落としてしまった。
きれいなお花畑が広がっているのに道には踏み跡が無い。
変だと思い引き返したら、間Pゲート近くですれ違ったトレランの女の子が走って来た。この道どこかで間違えたよと言うと、これでいいはず
だと言うので、自信無く反転してもう一度行ってみた。
しかし、道はゆっくりと下り踏跡もなく海に向かっているので、角海浜に出るのかなと思った。角海浜に着いたとしても、そこから五ヶ峠まで
戻って来るのは大変なことだ。再度反転し、今来た道を2人で走って戻った。ようやく間違えた分岐に出た。
良かった。15分くらいロスをしたようだ。こんなところで迷うなんて、ばかばかしい。
道に迷うことは大変なことだ。体力・気力とも低下するし遭難に結び付く。あわてずに引き返すのが良い。
しかし、どこまで引き返すかが難しい。近くて気軽に来れる山なので地図など持ち歩かないことを悔んだ。楽山会の研修会で学んだ地図と
磁石で道を確かめる重要さを痛感した。
五ヶ峠を通過。車で帰り仕度中のトレランの子が、登りにかかった私を見付けて、「気を付けて行ってください。」と手を振りながら大声で
励ましてくれた。少し弾みがついた。
でも、泥道で思うように進まない。車に乗せてもらうチャンスが3回はあったなあと気持ちも弱くなる。途中すれ違ったのは2人だけで頂上は
誰もいなかった。頂上まで1時間10分もかかった。
夕方になり寒くなった。ベンチを見付けて左靴に入った小石を出して、上にジャンパーを着て濡れて重くなったタオルを替えて宮前口に
向かって下山を開始した。チョコレートが冷え切った口の中で溶けなくてざらざらしている。難所を過ぎたら少し暖かくなり甘みを感じた。
日暮れまでに下山したいので転倒しないように歩き最後はトレランになった。駐車場に私の車だけが残っていた。
往復約10時間。久しぶりの山歩きに満足した。家に向かった。ああ、ビールと妻が待っている。
終わり。
|
|