個人山行紀行文 12.09.01(土)〜02(日)
晴れ
足拍子岳・荒沢山
の沢歩き

1473m
参加者5名
(紀行文)1854 M/T
(写真)1968 N/K
≪行程≫
 大源太山登山口手前、旭原バス停前の林道3K地点…クロガネの頭…足拍子岳…(ビバーク)…荒沢山…カドナミ尾根…土樽
≪紀行文≫

 この暑さ、とても尾根は登る気がしない。
 今週もまたまた沢登りだ。1日(土)に、「大源太川支流足拍子川経木ノ沢カブトノ沢」をやり、順調にいって余力があったら2日(日)に越後駒の「小倉沢」と欲張りの二本立て。
 今回最大の問題は、初日の下山路の状態だ。「クロガネの頭」〜「足拍子岳」〜「荒沢山」「カドナミ尾根」ガイドブックによれば3h30とあるが、相当手強いと直近の情報が入る。
 「沢」で手間取り藪に苦しめられれば山中ビバークだって有りかなと思うも、まさにそのとおりになるとは! 
≪9月1日≫
 最初は順調だった。心配した入渓点もスンナリわかり、比較的明るい渓相に気をよくして遡行してゆく。
最初は順調に遡行

 最後の12m2段の滝がどうにも難しい。ルートを間違えたのかとも思うが確信はない。
 協議して沢を外さないよう慎重に高巻きにはいるも、なかなか降下点が見つけられない。位置確認して、稜線からの尾根に近いこともあり強引に登るが、尾根までと、「クロガネの頭」まで予想以上の藪に苦しめられ,時間をくう。
 稜線の状態次第では、ヘッデン覚悟かなと思うも、現実はそんなものではなかった。
 時々踏み跡がある程度で通常の半分以下のスピード、下りのルートファインディングには特に苦労する。
 今日中にビールを飲もうとヘッデンで頑張るも、最後のピーク「荒沢山」前の下りルートが暗くてわからない。
 これ以上は危険と判断して8時半ビバークを決断する。

 沢へ降りるつもりで巻き始めたため、十分な水の補給がないのが悔やまれる。

 熱い下界とは大違い。満月の下、涼しく(寒い)贅沢な?時間が過ぎてゆく。何年ぶりかの休肝日で健康に良い??皆意気軒昂。   
足拍子岳から観る稜線
≪9月2日≫
 朝、日の出とともに動く。

 昨日判明しなかった鞍部へのルートを捜し何とか下ると目の前に垂直の岩の壁。

 頼りないロープが一本「ここを登るの」とばかり下がっている。

 幸い中間あたりに一か所支点が取れそう・全員ハーネスをつけ、トップが登りロープで確保して突破する。

 ここまで来たら開き直って、安全第一だ。
 最終ピーク「荒沢山」着で、少しホッとするも、ここからまた猛烈な藪が始まる。
岩の壁が立ちはだかる 荒沢山から観る稜線

 水無し、睡眠不足が堪えはじめ、速度がガクンと落ち、「休み」が増えていく。

 あとは気力のみ、皆で声を掛け合う。

 沢へ降り立つや全員着のみ着のままで水に飛び込む。「命の水」が実感だ。                            
着の身着のまま飛び込む 安堵し眺める沢

 谷川稜線の蓬峠から派生しシシコヤノ頭〜コマノカミノ頭〜クロガネノ頭〜足拍子岳〜荒沢山〜柄沢山〜中里スキー場へと続く尾根は、シシコヤノ頭からはかすかな踏跡程度で、「ヤブ」「草付きのトラバース」「痩せ尾根」「垂直のスラブ」「急なアップダウン」等、およそ登山の楽しみのほとんどがギッシリと詰まっており、無雪期には訪れる人などほとんどなく、とても静かな山旅が楽しめ、皆様にも是非お勧めいたします。
 もっとも我々5人は2度と行きたいとは思いませんが。