個人山行紀行文 12.06.23(土)
曇り後午後晴れ
谷川岳
万太郎山・仙ノ倉山・平標山
1954m
  2026m  1984m
参加者9名
(男7・女2)

2097 T/Y
≪コースタイム≫
  新潟ふるさと村花畑駐車場(4:00) =湯沢駅前駐車場(5:20)…湯沢駅発(6:13)=土合駅着(6:39)…ロープウェイ土合駅(7:00)≒<BR>
  天神平(7:20-7:30)…肩ノ小屋(9:10)…オジカ沢ノ頭(10:19)…大障子避難小屋(11:24)…昼食(11:55-12:45)…万太郎山(13:15-13:30)<BR>
  …エビス大黒ノ頭(15:30)…仙ノ倉山(16:48)…平標山(17:33)…松手山(18:55)…元橋登山口(20:10)  
≪紀行文≫
                    ~憧れの谷川岳~平標山までの大縦走・山容が素晴らしい万太郎山・そして花畑・ブロッケン現象~

 谷川連峰主脈日帰り縦走のお誘いがあり、数年前谷川岳と仙ノ倉山まで登った時にこの先の縦走路を近々歩きたいと思っていた矢先の
お誘いなので、孫の面倒を女房に頼んで参加した。

 計画では、ロープウェイで天神平まで上り、そこから谷川岳肩ノ小屋、オジカ沢ノ頭、万太郎山、エビス大黒ノ頭、仙ノ倉山、平標山までの、
距離にして約20Kmの稜線歩きで歩行時間11時間10分なので、なんとか行けそうと思った。
 しかし、実際はかなりの数の山を越えた感じ、特にオジカ沢ノ頭、万太郎山、エビス大黒ノ頭、仙ノ倉山のアップダウンは予想を超え高低差
がありすぎる。
 このコースは行程が長く、通常は小屋泊まりの1泊コース、日帰りとなると行動時間が驚くほど長いので夏至直後の明るい時期を選んで計画
したとのこと。

 参加者は朝2時3時起きで新潟ふるさと村花畑駐車場に集合、途中2名乗り合わせ、8名で雨の湯沢駅に到着、1名湯沢駅で合流した。
 
 天候は高速途中から雨になったが、昼から晴れる予報であり、ロープウェイ天神平合駅に乗るころは青空の少し覗く天候になってきた。

 参加者は最強メンバー揃いで、ほぼ1時間近く歩いて少し休憩というペースのかなり早い歩きである。これは肩ノ小屋までの急登・岩場は
気を引き締めて行かなければ。
天神平を後に、さぁ主脈縦走の始まり始まり 緑の綺麗なブナ林の中を歩 熊穴沢非難小屋到着

 途中、団体グループを2~3グループ追い越し、快調に熊穴沢非難小屋へ到着。緑の綺麗なブナ林の中を歩き、シラネアオイ等幾つか花を見つけたが早いピッチで歩くので写している余裕はない。

 熊穴沢非難小屋から、急斜面に取り付く。数カ所岩場・ガレ場があり「天狗の留まり場」「天神ザンゲ岩」などの腰掛け岩の小突起が多い。
 肩ノ小屋手前で残雪の急登を登って肩ノ小屋へ到着。肩ノ小屋付近からは全方位の展望が望めるはずであるが、熊穴沢非難小屋過ぎたころ
から霧が出てきて展望は望めない。
肩ノ小屋までの急登 岩場 肩ノ小屋手前で残雪の急登

 登山計画書に、「水は肩ノ小屋にあり。稜線上は期待できませんので肩ノ小屋で必要量を補充して下さい。最低2ℓは要ると思います。」とあり、
水は無料で補給できるとのことで、2.5ℓ持ってきた水を湯沢駅で1ℓ減らして臨んだが、肩ノ小屋では水有料とあり、1ℓ800円を払って補給する
ことにした。

 以前肩ノ小屋から眺めたオジカ沢ノ頭から俎嵓へ続く豪快な山容と尾根筋が美しくて魅了され、今回のもう1つの目的もその俎嵓山稜を近く
から見れると期待していたが、残念ながらそれは望めなかった。
 しかし、肩ノ小屋から尾根筋に入った途端オジカ沢ノ頭へ向かう稜線上には、ミヤマキンバイや沢山のハクサンイチゲ等が咲いていた。
 お花畑が続いていたので俎嵓が見れなかった悔しさを補って余りが来るくらいでした。
肩ノ小屋到着。展望は望めない 肩の小屋の先のお花畑にはミヤマキンバイ? ハクサンイチゲ?

 やがて、ヤセ尾根が続き、小さなトンガリガレ場を超えたり岩場の鎖に頼って登る。霧の中なので爼嵓(まないたぐら)方面や、茂倉岳方面の
雄大な景色が見れないが、やせ尾根・岩場にはハクサンイチゲ等が沢山咲いているので、楽しく登れた。

 肩ノ小屋から約1時間でオジカ沢ノ頭に到着です。オジカ沢ノ頭を過ぎた避難小屋で休憩し饅頭を食べてエネルギー補給。
 万太郎山まであと3.1キロメートル。
ヤセ尾根が続く 岩場の鎖に頼って登る オジカ沢ノ頭に到着

 なぜか、稜線上の新潟側を歩くと風が強く寒い、群馬側は風は無く熱すぎると両極端で誰かが南極と砂漠を交互に歩いているようだの表現は
当たっている、歩きずらい。

 大障子避難小屋を11時24分に過ぎたころ、Sリーダーから昼食場所は大障子ノ頭を超えて万太郎山の手前で腹ごしらえをするとの指示あり。
ハクサンコザクラ 一面花畑 大障子避難小屋

 天気予報通り、昼食を終えた12時40分過ぎた頃から万太郎山が見え始め、周りの山々も見え始めてきた。
 万太郎山手前の吾策新道との分岐から振り返ると、オキノ耳~一ノ倉岳~茂倉岳が遠方にそびえ立ち、そして歩いて来た稜線(大・小障子ノ頭~オジカ沢の頭)が良く見える。
 万太郎山13時15分に着いたころは、周囲はすべて見えるようになりI氏から山座同定をしていただいた。
万太郎山手前、吾策新道分岐から振り返る 万太郎山頂上 これから登る仙ノ倉・平標・遠くは苗場山
 
 万太郎山から毛渡乗越までもったいない位の標高を下げてから、再び500メートル前後、エビス大黒ノ頭、更には仙ノ倉まで登り返して行く。
 万太郎山を後にして下がって行くと、シャクナゲとハイマツの中の、両側が切れ落ちたヤセ尾根道を、足元に注意を払いながら進んで行く。
 先程からシラネアオイ・ハクサンイチゲの群生が随所で咲き誇っている。赤谷本谷方向から爽快な風が吹き上がって、気分爽快。
晴れ渡ってきたエビス大黒ノ頭方面 これから登る仙ノ倉と稜線 振り返ると万太郎山、もったいない位の標高を下げている

 左眼下に切れ落ちた沢が見える。稜線の鞍部から黙々と標高を上げて行き、視界が利きはじめてようやくエビス大黒の頭に到着。
エビス大黒へいく急登 グランドキャニオンのような岩壁 一番苦しいときの急登

 平標山方面からは、数名のグループに幾つかすれ違ったが、若い男女2名の2つのグループ共今日は避難小屋泊りとのこと。
 小屋で二人っきりとはうらやましい。

 16時5分エビス避難小屋に到着したが、少し足が痛い・重たい人もいることもありこのまま全員で降りると湯沢駅までのバス時間に間に合わ
なくなる可能性があるのか、足の速いI氏2人に早めに下山してもらい、元橋登山口近くのバス亭からバスに乗り湯沢駅から車を取ってきて
元橋まで来てもらうこととした。
 後で聞いたら、我々の元橋到着20時10分より1時間40分も早い18時半頃下山したとのこと。
 さすが最強メンバー。それにしても1時間40分も早いなんて。
エビス大黒ノ頭 これから登る仙ノ倉 エビス大黒ノ頭から見える山々

 ということなので、車を取りに行く往復時間を考えて20時頃に元橋登山口に降りればよいということで、休憩長く・ゆっくりペースで下山する
こととした。

 エビス避難小屋を出て仙ノ倉山へ登る急登で、ブロッケン現象を数回見た。かなり大きいブロッケン現象で、我々グループ全員の周りにできる
虹色の輪の中に霧の中に伸びた影が映し出された。ここまで大きく綺麗なブロッケン現象は初めてである。
仙ノ倉山へ登る急登で、ブロッケン現象 我々グループ全員が周りにできる虹色の輪に 仙ノ倉山頂上

 仙ノ倉山16時48分到着。お花畑鑑賞をしながら、平標山へ向けてゆっくり歩いて行く。
 先ほどから古ぼけたマツダランプの標識が続いていたが、綺麗な東芝ランプの標識に変わった。肩の小屋から10000m歩いて来たようだ。

 平標山17時33分到着までは、木道両脇のお花畑は見頃を迎えていた。日が落ちて少しガスが掛かって来ていたが、ハクサンイチゲ・
ハクサンコザクラ・チングルマ・ミヤマキンバイ・ハクサンイチゲ・ミツバオウレン・アズマシャクナゲ等が咲いていた。
綺麗な東芝ランプの標識、肩の小屋から10000m 平標山へ向かう登山道 平標山1までの木道両脇のお花畑は見頃を迎えていた

 平標山山頂でゆっくり休憩し、もうすぐ日が落ちる苗場山の大きさに感動し、松手山へ向かう稜線は、ガスが掛かったり抜けたりして
良い感じ。途中、ミニお花畑がありひと息つく。

 松手山頂上に着く頃は、丁度苗場山に日が落ち、鉄塔に着く頃はすっかり暗くなったので、ヘッドランプを装着した。
 朝早い時間のヘッドランプ装着は良くあるが、夜の装着は初めて。

 見えにくいロープの張ってある急登の下山は神経を使う。真っ暗の中元橋登山口へ20時10分頃到着。駐車場の管理人らしき人が近寄り、
日帰りで天神平から大縦走してきたことに驚かれていた。
 エビス避難小屋以降ゆっくり歩いたせいか、ほとんど足に来なく快調そのもの。自信が付いた感じ。

 少し待って、2台の車が到着し、近くの「宿場の湯」に営業時間があと30分しかないという短い時間で今日の汗と疲れを取って一路新潟へ
戻った。     (GPSデータでの積算距離は20.32Km 累積標高+1,906m、-2.242m)