個人山行紀行文 12.05.05日(土)〜06日(日)
  晴れ ガス・強風・雷雨
谷川岳・一ノ倉岳・茂倉岳
1977m 1974m 1978m
参加者13名
(男13・女3)

1862 Y/I
≪紀行文≫
                                    〜〜〜〜谷川岳ミニ縦走 〜〜〜〜

 GW後半は天候に振り回された連休でした。例年、この時期2泊3日程度の残雪の山歩きを計画していますが、
今年は谷川連峰主脈縦走でした。予定は、5月3日から5日でした。

 準備万端整えて、3日の出発を楽しみに待ちました。ところが、1日また1日と天候が悪化していくのです。
 行くのか行かないのかジリジリしながらリーダーからの連絡を待ちました。
 ぎりぎりになって、1日遅らせ4日から6日に変更するとのこと。再度荷物を点検し、4日の出発に備えましたが、
依然として天候は回復しません。北アルプスでは遭難が発生しているというニュースも聞きました。どうするのか、
止めるのかなと思っていた矢先、5日、6日の1泊2日に短縮して実行すると言う連絡が来ました。
 勿論、主脈縦走はあきらめ、コースを変更しての実行です。リーダーは3通りの案を持っていたようですが、
 どうするかは現地の天候を見て決めるとのことでした。最悪、温泉に入って帰って来るということも考えられました。

 こうして、5月5日の朝、車に分乗して新潟を出発しましたが、ここまででも自分としては相当勉強になりました。
 残雪の春山とは言え、天候が崩れれば冬山と全く変わりありません。その辺の判断をどうするのか。装備をどうするか、何でも持っていくと
言う訳にはいきません。重ければ行動できなくなります。また、食糧計画はどうするか。我チームは8人でしたので、8人分の食材の準備、余計
な梱包は外し、皮をむき、切り刻んで、食材毎に真空パックにしておきました。食材の分量を決めるのも難しいものです。足りなくても余っても
困るのです。この辺はやはり経験豊富な先輩の指示に従いました。1つ1つが勉強でした。

 さて、土合に着きました。谷川岳登山指導センターに全員集合し、今日明日の行動を改めて確認しました。リーダーは1人1人の意見も十分に
踏まえ、初日はとにかく谷川岳肩の小屋まで行くと決定しました。その後は天候と皆の体力を見て判断する、最悪日帰りで戻ることもあり得る
ことを申し合せました。そして、共通の荷物を分担し、登山届を出して出発しました。

 1日目は、天気予報もそうでしたが、心配したことが嘘のような素晴らしい天気でした。最初からアイゼンを付け、着実に高度を稼ぎ、ほどなく
肩の小屋に着きました。あわよくば茂倉岳非難小屋に泊まろうかとの案もありましたが、管理人に確認したところ、まだ雪に埋もれていて入れ
ないとのこと。これで今夜の塒は肩の小屋に決定。
 その後は、トマノ耳、オキノ耳からの大展望を眺めたり、暮れなずむ谷川連峰の夕景を楽しんだり、はたまた担ぎ上げた食材での鍋をつつき
ながら親交を深めました。
写真上:ロープウェイで一気に天神平に上がると、目の前に笠ケ岳と白毛門が飛び込みます。
写真中:熊穴沢非難小屋を過ぎ天神尾根を俯瞰。右上にザンゲ岩も見えます。
写真右:天神尾根の大雪原、踏ん張りどころです。息を整え1歩1歩踏みしめながら登りました。
写真上:あと一息で肩の小屋、後ろに天神平が小さく見えます。
写真中:谷川岳頂上からの絶景。中央:朝日岳、左:巻機山、右:平ケ岳
写真下:土合方面。バックは、左から平ケ岳、至仏山、武尊山。至仏山の左奥に燧ケ岳も見えました。
写真左:オキノ耳です。左に一ノ倉岳、茂倉岳と続きます。
写真中:本来予定していた谷川連峰の主脈稜線です。オジカ沢ノ頭、万太郎山、仙ノ倉山、平標山と続いています。
写真右:天神平方面。若者達が春スキーを楽しんでいました。
写真左:標高1930mに建つ谷川岳肩の小屋。快適なきれいな小屋で、シュラフ持参、自炊で素泊り2000円。皆で闇鍋をつつきました
写真中:巻機山アップ、手前は七ツ小屋山から清水峠の稜線です。左のトンガリは上越のマッターホルン大源太山です。
写真右:夕闇迫る頃、新潟側から雲が湧き上がり主脈を越えて流れ落ちていきました。これを滝雲と言うのでしょうか。すごい迫力でした

写真左:翌日歩く予定の茂倉岳への稜線です。この高さですと雲は越せません。
写真右:夕日を眺め思い切り深呼吸、山でこそ味わえる感動の一瞬です。

 2日目、これまた予報通り天候は芳しくありません。ガスで視界が悪い上に突風と言って良いくらいの強風が吹いていました。
 もし自分一人だったら躊躇なく天神平への下山を選んだと思いますが、信頼のおけるリーダーと仲間たちが居るということで達観した気持ち
でした。皆も同じだったのか、誰の反対もなく茂倉岳経由で土樽に降りるという谷川岳ミニ縦走が決定しました。
 稜線は風が強かったですが、無事に通過できました。茂倉新道の下山は、雨と雷に背中を押されてあれよあれよと言う間に土樽の駅まで
下りてしまいました。煩わしい樹林の痩せ尾根も大して苦にならず、ブナの新緑がまぶしく映っていました。

 いろんな意味で貴重な体験をした山行でした。何枚かの写真でどうか雰囲気を感じて見て下さい。
                                                                        おわり
写真左:2日目の朝、視界悪く風の強い生憎の天候。しっかりと装備を整え、気を引き締めて出発。勿論、最初からアイゼンを付け、手にはピッケルを握りました。
写真中:風吹きさぶ稜線の難関は過ぎましたが茂倉新道の下山中も強風は衰えません。時折黒雲が頭上を覆い雷鳴が轟き雨も降って来ました
写真左:矢場ノ頭を過ぎればもう大丈夫、新緑がきれいでした。
≪コースタイム≫
(5/5) 新潟(6:45)=土合(9:00−10:00)=(ロープウェイ)=天神平(10:30)…熊穴沢非難小屋(11:35−12:00)…
    谷川岳(トマノ耳、オキノ耳)…肩の小屋(15:00、泊)
(5/6) 肩の小屋(6:35)…オキノ耳(7:00)…一ノ倉岳(8:05)…茂倉岳(8:30)…矢場ノ頭(9:55)…登山口(11:45)…
    土樽駅(12:16)=12:26(土合駅)=水上(14:30、昼食会)=新潟(17:00)
歩いた距離     :約14Km(約4 Km、約10 Km)
累積上昇量     :+1,100m (+750 m、+350 m)
累積下降量     :−1,800m (−150 m、−1.650 m)
総所要時間(休憩含):約10H10分(4H30分、5H40分)