(クリックで拡大)
 個人山行紀行文 12.04.30(月)〜05.02(水)
晴れ
中の又山・毛無山
1070m 1044m
参加者3名
(男2・女1)

1861 K/Y
≪コースタイム≫
≪4月30日≫ 大谷ダム(7:00)…川クルミ橋(8:45)…日本平(11:40-12:00)…五兵衛小屋(13:40)…中の又山(14:00、泊)
≪5月 1日≫ 中の又山(6:15)…毛無山(10:10-10:50)…中の又山(15:00、泊)
≪5月 2日≫ 中の又山(6:45)…五兵衛小屋(8:45-9:00)…日本平(10:50)…川クルミ橋(14:20)…大谷ダム(16:15)
≪紀行文≫

 毎年のことですが、連休の時期になると、テントを背負って出掛けたくなります。三条市笠掘の中の又山を経由して、毛無山に行きました。
 毛無山へは今回で三度目です。
 このコースは、体力があっても時間が無い世代の人達は、一泊二日で走破します。
 時間はあるが体力が無い我々ロートルは、二泊で行きました。一泊二日で対応するためには、
中の又山に到着した時点で、その日の内に毛無山を往復するに十分な気力、体力が残って
いなければなりません。我々が中の又山から毛無山の往復に要した8時間はかかり過ぎですが、
 稀に脚力のある人が、毛無山の山頂にタッチしただけで引き返しても5時間はかかるので、
中の又山への到着も早めておくことが必要です。
 心しておかなければならないのは、日本平から毛無山の間は、行きも帰りも体力の消耗度は
同じだということです。
 中の又山で寝て、翌日毛無山を往復して帰ろうとすると、あまり芳しくない事態を引き起こしかねません。
 一口に中の又山に行くといった場合、たいてい最終目的地は毛無山です。でも毛無山には到達できずに、中の又山から折り返す人たちも
多いようです。中の又山に向かう途中、関東からの3人組と、新潟の4人組にすれ違いました。
 いずれも中の又山までで打ち止めたとのことでした。
 日本平の下場周辺でうろちょろする羽目になると、二泊を持っていても毛無山までは行けなくなることがあるようです。

 大谷ダムに近い個所では、路上の雪は無いのですが、大谷ダムから先の道路はまだ交通止めでした。
 大谷ダムサイドのゲートが解除されると、木の根橋のゲートまで車で入れるようになります。路上歩きの時間は半分になるのですが、ここで
厄介な問題が出てきます。木の根橋のゲートには“全面交通止”と看板が掲げられています。全面交通止とは歩行者も駄目とのことです。
 ガードマンがゲートの前に立っているので、木の根橋を渡った先には誰も入ることが出来なくなります。

 川クルミ沢に掛かる川クルミ橋手前から沢の右岸に沿って歩いて行き、600mほど進んだ所で川クルミ沢を渡渉して沢の左岸に渡ります。
 沢の左岸を20mほど遡ると右手から枝沢が流れ込んで来ます。この枝沢を出会い付近で渡渉し、草木の少ない斜面を登ると杉林に出ます。
 杉林が終わると傾斜が急になり、気持ちの良いブナの斜面が日本平に向かう稜線に続いています。
大谷ダムサイドのゲート 木の根橋のゲート(ガードマン立哨) 川クルミ沢の渡渉点

 川クルミ沢の入口から中の又山まで踏み跡が付いています。かつて熊追いやゼンマイ採りのために地元の人達が付けた踏み跡です。
 踏み跡は日本平までは鮮明です。特に斜面のブナ林は下草が生え難いので、登山道のように歩き易い道になっているのですが、今は
雪に覆われてその痕跡は見いだせません。尾根に出れば雪が無くなり、踏み跡が現れます。日本平までは、今でもゼンマイ採りやたまには
熊追いの衆が入るようで、踏み跡は鮮明ですが、日本平から五兵衛小屋、五兵衛小屋から中の又山へと先に進むに従って、藪が伸び、
踏み跡は薄くなります。
 五兵衛小屋から中の又山の間は、良く目を凝らさないと踏み跡が見い出せないほどで、全く消えている所もあります。
 日本平から五兵衛小屋に向かう尾根は、ジグザグの痩せ尾根で、小さなアップダウンが無数に在ります。                      
日本平下場のブナの斜面  五兵衛小屋に向かう尾根筋  五兵衛小屋への尾根上様子

 五兵衛小屋から中の又山に向かう尾根は比較的素直ですが、五兵衛小屋の少し先には岩場があります。ロープが無ければ真正面から
越えることはできませんが、中の又山に向かって左側を藪にすがって簡単に巻くことが出来ます。
 中の又山の肩部から上は全面が雪に覆われています。今冬の風の加減でしょうか、中の又山の三角点の周りは運良く雪が消えていました。
尾根の岩場を振り返る 中の又山山頂部 中の又山の三角点

 中の又山の山頂部は、顕著な高みが無く、尾根の一角といった感じです。
 毛無山は中の又山からはすぐ近くに見えるのですが、尾根筋が曲がりくねっていて、アップダウンも大きいので、かなり歩き応えがあります。
 中の又山に近い個所ほど藪が濃く、毛無山に近づくにつれて樹木が低くなり、藪は薄くなります。踏み跡はほとんど見い出せません。
                       
毛無山側からの中の又山山頂部 毛無山に向かう尾根 毛無山に向かう尾根の様子

毛無山には高い木が無く、山頂は平らで、遅くまでカッパの頭のお皿のように円形の雪田が残っています。山頂からの展望は何一つ遮るものがありません。特にこの日は快晴で、風が強かったので、この時期特有のもやもありませんでした。視界の限り、どこまでも見通せました。
もう決してここに来ることは無いだろうという気持ちもあって、長い時間しみじみと大展望を楽しみました。
                                                                       (おわり)
毛無山山頂部  毛無山から青里、矢筈方面  毛無山から守門岳方面