≪紀行文≫

1月3日、恒例になっている粟ケ岳新年登山を行いました。例年、楽山会からの参加者は3、4人なのですが、今年は6人集まりました。7時半に加茂水源地手前の仮駐車場、いわゆる除雪端に着きますと、既に山支度を整えたグループが三々五々屯していました。また、既に出発した方も何人か居たようです。登山口に向ってしっかりした踏み跡が続いていました。その後もポツリポツリと登山者が集まって来ます。そして、メンバーが揃ったグループから順次出発して行きました。総勢何人なのか数えてはいませんが、この日、少なくても30人以上が粟ケ岳を目指したと思います。
この時期の粟ケ岳は、年によって差はありますが、かなりの積雪があります。従って、登るには壮烈なラッセル覚悟、またそれが楽しみでもあるのです。さらに、ラッセルには人数が必要です。そこで、その日集まった人達が俄か混成チームを編成し、力を合わせて登る事になります。いろんなグループや人達が集まりますので、一見バラバラのようですが、ひとたびラッセルが始まりますと、一致協力、太い絆で結ばれていくのです。それでも、通常は小屋(砥沢のヒュッテ)までがやっと、頂上まで達するのは稀です。そんな訳で、小屋でのお昼は、皆打ち解けて和気藹々の楽しい一時になります。さて、今年はどうだったでしょうか。予報に反して比較的穏やかな天気でした。そして、先行者が踏み跡を付けてくれていましたので、ほとんどラッセルもせずに3合目に着きました。
写真左:先行者に続き、加茂水源地を出発です。道は踏み固められており、ツボ足で歩けました。
写真中:第二貯水池の祠、昨夜来の雪で埋もれていました。道中の無事を祈ってお参り。そしてここでワカンをつけました。
写真右:3合目に到着。まずまずの天気、今日は頂上まで行けそうだと淡い期待も。

これなら今年は頂上まで行けるかなと淡い期待も湧いてきました。しかし、砥沢峰から上は雲に覆われています。とにかく行って見なければ分かりません。
写真左:砥沢峰も遠望できます。これはいいぞ!思わず笑みがこぼれますが、 奥の本峰はガスに覆われていました。
写真中:穢れ無きこの美しい雪景色、この景色を求めてまた山に登るのです。
写真右:砥沢峰手前のピークに差し掛かりました。通称鎖場。勿論この時期、鎖なぞ埋もれています。
    コース一番の難関です。
この辺りから、ガスに突入です。麓から見れば雲の中。

結構きつい登りでしたが、それでも3時間強で小屋に着きました。しかし、そこは打って変わって嵐の中、猛烈な吹雪でした。たまらず小屋に逃げ込む者、いやいやまだ登るぞと言う猛者達、我々も4人は猛者達に続いて上に向いました。しかし、冬山の天候は強烈でした。8合目の標識まで辿りついた時にはもう半ば戦意を失いかけていました。
写真左:砥沢のヒュッテ手前の登りです。かなり急ですが、頑張れもう一息。
写真中:どうにか小屋に到着。横殴りの吹雪、2人は小屋へ入りましたが、4人はさらに上を目指します。
写真右:風雪をまともに浴びながら、どうにか8合目まではやってきました。猛吹雪の中、頂上は無理としても、
    せめて北峰までとは思っていましたが、もうこれ以上進むのは困難でした。已む無くここを今日のピークとしました。

そこに、先行した何人かが、北峰まで行ったものの、そこで断念して戻って来たのです。我々も、今日のピークは8合目として引き返す事にしました。
小屋では既に賑やかな昼食会が始まっていましたが、我々も2階の一隅に陣取って楽しい食事を戴きました。小屋は、人や鍋から立ち上る湯気で濛々としていました。これがまた、すごい雰囲気を醸し出しているのです
写真左:帰路は下りですが、視界不良に吹雪き、先行する人の影も朧です。やっと小屋が見えました。安堵と同時に
    お腹もペコペコでした。
写真中:早く小屋に入りたいのですが、ワカンを外すのに一苦労。出る人入る人で思うようにいきません。
    小屋の中は湯気でモウモウととしていました。
写真右:お腹も満たされ、いろんなパーティーごちゃ混ぜの楽しい一時を過した後、下山です。
    下山とて気を緩める訳にはいきません。慎重に慎重に下ります。
写真左:オーイ!と呼んだら、ポーズなぞ作って。どうせ顔なんか写らないのに。
写真中:雲から抜けると別天地でした。きれいな雪景色。頂上こそ踏めなかったものの、今日の天気は○でした。
写真右:眼下には加茂の水源地も見えました。
写真左:雪原に映る木の影、自然による造詣の一つです。見飽きません。
写真中:再び3合目、ここまで来ればもう安心です。遠くに弥彦山が微笑んでいました。
写真右:振り返れば、砥沢峰に陽が射しています。青空も広がり、新年登山を祝ってくれました。
頂上には達しませんでしたが、楽しくも達成感を味わった今年の粟ケ岳新年登山でした。来年は是非もっと沢山の方の参加を期待しています。毎年、1月3日、7時半、加茂水源地集合です
 個人山行紀行文 12.01.03日(火)
曇り時々晴れ
粟ヶ岳
1293m
参加者6名
(男6名)

1862 Y/I
≪コースタイム≫
  新潟630=加茂水源地除雪端(730750)〜登山口825〜3合目1005〜砥沢ヒュッテ1110
 8合目(前進限)1150〜砥沢ヒュッテ(12151330)〜登山口1505〜仮駐車場(15301600)=新潟1700