今回、インターネット情報で知り得た白井差ルートを選択した。
このルート“入山料”が要ると知った時「えっ!」と思ったが、個人(山中さん)の力で登山道を開発され、整備され、環境を守っておられることを知ると止むえないし、むしろ妥当かと思った。
このルートは変化に富んで面白い。
登り始めは大笹沢の両岸を行ききし、大小の滝を楽しみながら登り、中間は見上げる様な急斜面をジグザグに登る。その後は見事なブナ林の中を進み山頂直下へ、山頂は両手を駆使しながらの岩登り。とても楽しいルートだ。
昨日の篭ノ登山に引き続き、小生今年最後のリーダ山行にこの両神山を選んだ。
昨年から山岳救助隊員でもある山中さんとお話しし、季節のアドバイスや助言を頂いた経緯から今年最後に相応しい会山行にしたかった。 |
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しかし、天は無情にも歓迎できない空模様を与えてきた。
せめて座って昼食休憩ぐらいはしたいと思いつつ、良くて立ち昼食、ひょっとしたらバスまで下山して遅い昼食かと覚悟していた。
その為に宿を予定より早めに出発し、登山口の白井差(しらいさず)に向かう。(“差”とは焼畑農業をしている地区と言う意味。)
登山口に到着すると僅かに小雨。急ぎ登山準備をし入山手続きを済ませ登山開始、しばらくは紅葉が未だ早い林道を進む。
やがて、登山道は沢沿いの道を上がって行く。沢沿いには小さな滝が繰り返し見え、やがて前方に大きな滝が見えてきた、“昇竜の滝”だ。しばし休憩。 |
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登山口に入り振り返りみる |
しばらくは林道歩き |
見事な“昇竜の滝“に出る |
昇竜の滝を含めて大小様々な滝とその渓流を幾度も丸太橋で両岸の行ききをしながら登っていくと、やがて沢の水音も遠くなり、オオドリ河原からは本格的に急斜面の登り(水晶坂)に入る。
昨日の大雨で荒れた登山道を直すと言う、山中さんが追いついてきた。ブナ平までご一緒して頂けるようだ。 |
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このような木の橋を幾度も渡る |
オオドリ河原を過ぎて山道に入る |
見上げる様な急斜面をジグザグにひたすら登り続ける。こんな形容が当てはまるような道、しかしこんなキツイ坂も山中さんの独特な話術による、木々の説明や遭難者救出の話し等を聴きながらだと結構足が進む。また山中さんが整備し続けているこのジグザグ道はとても整備されていて歩きやすい。
長いジグザグ道もブナ平で一区切り。山中さんはここから登山道の整備に入られた。
ブナ平からも急な斜面が続くが、木々の切れ間から“のぞき岩”の紅葉が見えてきて幾度も「フォトポイント!」と声を出しながら歩いた。 |
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水晶坂の急坂をジグザグに登る |
美しいブナ平で休憩 |
のぞき岩の紅葉 |
高度を稼ぐ内に、雨雲は眼下に雲海として広がり、雨は完全に消え去った。
時折薄日も差し、山頂での展望に期待も出てくる。
また木々の紅葉は終末を迎え、登山道や斜面に素晴らしい赤や黄色の絨毯を敷きつめたようで、実に素晴らしい光景だ。
そして木々の切れ間から尾根筋が見え始め、キツイ登りの終焉が近いことを感じさせてくれた。 |
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雨雲が下がり雲海に |
赤や黄色の落ち葉が鮮やかな絨毯の様に敷きつめられていた |
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やがて山頂直下の大笹の出合に出る。ここでリュックとストックを置き山頂を目指す。
山頂手前で清滝からのコースと交わり、間も無く山頂。
しかし、簡単には山頂に立たせてくれない。
行く手に幾つかの大きな岩が立ちはだかり鎖と両手両足を駆使して登らなくてはならない。
やっと辿り着いた山頂はとても狭い。交代で記念写真を撮る。
折角両神山の山頂まできたので、東岳方面への狭い稜線を少し味わってもらい下山とした。 |
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山頂直下の岩場、鎖で上がる |
山頂のお社 |
東岳方面に少し行く |
山頂のスリルを楽しんだ後、昼食場所のブナ平まで一気に下った。
途中木々に切れ間から観た雲海と山並みは綺麗だった。
やがて広いブナ平に到着し、雨も気にせずゆっくりと昼食を摂ることが出来た。 |
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軽い足取りで下山 |
雲海も下がり良い山並みが見えた |
ブナ平でゆっくりと昼食タイム |
楽しい昼食タイムを終え、再び下山開始。
大笹沢では木の梯子や橋が滑る為、大きな声で「滑り注意!」が連発された。お陰で誰も滑らずに済んだようだ。
やっと広い林道出て間も無く白井差口に戻った。
天気予報は雨無しが全く期待できない内容だったが、見事に外れ、思いがけない晩秋の登山を楽しむ事ができた。
雨を覚悟しての登山だったのにと。これも一重に参加者各位の心がけのお陰と感謝する次第です。
参加者の健脚にも助けられ時間通りに下山。帰路“薬師の湯”で温泉を楽しみ、新潟に向かうバスの人となった。 |
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滑る丸太の階段を慎重に |
沢に架かる橋も慎重に慎重に |
やっと登山口に戻った |
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とても狭い山頂での記念写真(左:1班、右:2班) |
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≪新人リーダーのつぶやき≫
皆様のお陰で、この両神山をもって初リーダーの年を終えることが出来ました。有難うございました。
2月の竜ヶ岳では素晴らしい富士の御来光を観ることが出来、5月の一切経山では残雪の山歩きで感動、7月の鹿俣山では雨と濃霧困惑し、8月の美ヶ原、霧ケ峰では相当な距離を歩きトレッキングでは無いとの感想を頂き、10月の那須では歩けないほどの暴風で退散と紆余曲折や右往左往の四字熟語が似合いそうな山行をしてきました。そして今回はこれまでの未熟リーダーを総括するような天候で終わると内心無念と残念を交差しながら迎えましたが、参加者各位の精進が小生の未熟さをカバーして頂け、晴れ間こそ無いものの充分とは言い難いですが小生らしい登山が出来たと思っています。
来年も様々な計画を考えていますが、より高い品質の会山行を目指したいと思っています。
リーダー諸先輩はじめ会員各位のご指導、ご支援を賜りたく心よりお願い申し上げます。 |