会山行紀行文 12.08.26(日)〜28(火)
晴れ
(かいこまがだけ)  (せんじょうがだけ)
甲斐駒ヶ岳・仙丈ヶ岳

2967m  3033m
参加者13名
(男7・女6)

(紀行文2044 S/H
(写真)2044 S/H
≪紀行文≫
                                 〜〜〜やっぱり山は早く頂上に行くに限る〜〜〜
 大学時代、所属する体育会クラブで甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳の山行を企画した。
 当時甲斐駒、仙丈は一般ルートとしては超難関コース、卒業前の最後の夏休みにテントと食料をキスリングに詰め体力に自信を持つ数人の部員と黒戸尾根から登りはじめた。
 甲斐駒、仙丈に登ることは当時の山愛好者のあこがれだった。
 その後南アルプス林道が開通、北沢峠までバスで入れるようになり甲斐駒、仙丈はずいぶん登りやすくなった。
 しかし年月の経過は血気盛ん(?)な若者が運動不足と暴飲暴食の果てに肥満に苦しみ、虚弱体質の初老に変わり果てた。
 おまけに山登りは30年のブランクを持つ、そんな身で北沢峠からの甲斐駒、仙丈をも果たして登れるのかと不安を持ちつつ会山行に参加させてもらった。

≪一日目(晴れ)≫

 初日は新潟を8時にバスで出て戸台で南アルプス林道バスに乗り換え北沢峠へ。
 バスの中から甲斐駒ヶ岳、鋸岳が雄大な姿を見せてくれた。

 バスから降り、バス停前の長衛荘に宿泊の手続きをして小屋の前のテーブルで夕食まで宴会、翌日からの二日間元気で仲良くの顔合わせだった。

 標高2000Mに位置する長衛荘、下界は真夏でも、そこは冷たい風さえ感じる避暑の楽園、ビールも進むしリーダーの持参した雪中梅の一升瓶も美味しくいただけた。
バスの中から鋸岳 バスの中から甲斐駒ヶ岳
 当日小屋はほぼ満員、でも二階の大部屋で布団は一人一組確保できた。さあ、早く寝て明日に備えよう。
北沢峠 長衛荘 二階の大広間 夕食
≪二日目(晴れ)≫
 4時半に起き、順次朝食、朝食は前の日に弁当をもらっていた。一階のテーブルにその弁当を持ち込み、暖かい味噌汁は飲み放題、トイレも水洗で余分な荷物は連泊ゆえ布団の脇へ、やや軽くなったザックを持って玄関に、リーダーの説明の後、山荘を出発、まだ暗闇の残る樹林帯の中を歩き出す。
出発前のミーテング 鳳凰三山 北岳、間ノ岳

 女性は全員前へと、でもこのBクラスの女性達の歩きの早いのは前回の山行で知っていた。他の男性達も山の達人ぞろい、私はB級グルメなら負けないが、山歩きは遅い、いや、このメンバーの中では遅い。やっと付いていく。

早いペースで双子山へ、そこからは背の低いハイマツ帯、周りの景色に圧倒されながら足を進める。でもゆっくり景色を堪能する時間がない。
 そして駒津峰に着いたとき、すぐ先に我々より30分以上も前に小屋を出発した15人ほどの集団に追いつく。
朝日を浴びて登る 仙丈ヶ岳 ハイマツ帯の中で

 いやあ、予定より30分も早い。その集団に道を譲ってもらい六万石に、ここから一般ルートでなく直登ルート、これが予想以上に時間がかかった。
 岩場の登り、ルートは赤ペンキでマーキングしてあり、危ない場所はない。しかし足を大きく上げたり、岩の割れ目を潜ったり、短い足の人には苦しい。
甲斐駒ヶ岳 八合目六万石 岩場を登る

 やがて最後の岩を登りきり山頂に出た。
 時間はまだ10時前、北岳、鳳凰三山、そして富士山が遠くに、翌日登る仙丈ヶ岳もすぐ隣に見えた。
 雄大な景色を楽しみながらの昼食、やはり山は10時前に山頂に着かないと。特に甲斐駒ヶ岳は昼にガスが出ることで有名だ。
 大休憩の後、砂場の巻き道を下る。魔利支天の横を通り六万石に、そこからは往路に通った道を駒津峰に、そして仙水峠まで急坂を一気に下る。
砂場を登る他パーテー 甲斐駒頂上で 魔利支天を見下ろす

 石のゴロゴロした道を仙水小屋経由で北沢長衛小屋に、そこからは林道を北沢峠にと、書くのは簡単だが、長い、ほんとうに長い下りの道を、たいした休憩もとらず歩き通したのでした。でもこれはAリーダーの山行、予想の範囲以内、でも疲れたなあ。
 小屋に着き、夕食まで外のテーブルでまたも宴会。この日はリーダーからワインの差し入れあり、生ビール、ウイスキーと、昨日と違って運動した後の宴会、酒の量もはかどり、一人の落伍者もないこともあり、楽しい時を過ごしたのでした。
仙水峠で休憩 反省会 夕食
三日目(晴れ)
 この日は仙丈ヶ岳に登って新潟まで帰る日、朝5時にまたも暗い樹林帯の道を登り始める。
 いきなりの急登、早いペースで二合目、三合目と。そして五合目の大滝ノ頭に6時24分に着く。ここは7時着の予定、早い訳だ。
 ここまで何組もの登山者を追い越してきた。
五合目大滝ノ頭 ハイマツ帯の中を 甲斐駒と鋸岳

 でもさすがにここからはペースが落ちた。2700Mを越え、気圧が低いのか、ハイマツ帯の中、周りの景色を堪能しながら小仙丈ヶ岳に。
 朝日に輝く富士山、前の日に登った甲斐駒ヶ岳、昨日とはまた違った北岳、そして八ヶ岳の赤岳も雄大に見えた。
奥は八ヶ岳 北岳と富士山 頂上が近い

 道はガレ場になり、滑りやすい道を一歩一歩、やがて仙丈ヶ岳の頂上に。
 まだまだ朝の時間帯、雄大な景色を見ながらの早めの昼食、二日続きの大パノラマを楽しめた。
 希望者は大仙丈ヶ岳まで行くという。大勢で出発したが、途中でみんな諦め、大仙丈ヶ岳まで行ったのは大ベテランの二人だけ。
仙丈ヶ岳山頂 仙丈から見た甲斐駒 頂上

 二人の戻るのを待ち、山頂で大休憩、戻るとすぐに千丈小屋に向けて出発、薮沢カールの底にある小屋はまだ新しい、そこで少し休憩、そこからお花畑が広がる馬ノ背を、残念ながら8月の末、それに早いスピード、花には気づかなかった。
 馬ノ背ヒュッテを過ぎ、分岐を薮沢小屋経由で大滝ノ頭(五合目)に。
 ここからは樹林帯の急降下、そして二合目で分岐が。「こちらのほうが近いですよ。」と他の登山者が教えてくれたのに、別なほうのルートを採るリーダー、杉林の中のトラバースルート、なかなか高度は下がらない。
 だいぶ時間をロスしたよう、でもなんとか北沢峠に。バスの時刻まで1時間以上、リーダーが200Mくらい離れたバス待機場所まで行き臨時バスの交渉、時間のロスなくバスに乗れた。こうして二日間の、移動を入れて三日間の山行が終わった。
仙丈小屋 藪沢カール 藪沢小屋

 甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、天気に恵まれ重量級の山を二つも登りきった。
 帰りのバスの中からはガスに包まれた山々、そんな景色を見ながら、やっぱり山は早く頂上に行くに限る、そんな思いで南アルプスを後にしたのです。
 リーダー、参加者の皆様いろいろとありがとうございました。またの山行でお会いしましょう。そして今度はゆっくり歩きましょうね。(終わり)
集合写真 (甲斐駒ヶ岳) 集合写真(仙丈ヶ岳 1630 Oさん提供)
≪コースタイム≫
≪8月26日≫
新潟(8:00)=北陸道、中央自動車道=戸台(12:50〜13:10)=北沢峠(14:08)
≪8月27日≫
北沢峠(5:30)…双児山(6:55)…駒津峠(7:48)…甲斐駒ヶ岳(9:40-10:20)…駒津峠(11:37)…仙水峠(12:38)…北沢峠(13:53)
≪8月28日≫
北沢峠(5:00)…五合目大滝ノ頭(6:24)…小仙丈ヶ岳(7:31)…仙丈ヶ岳(8:40-9:20)…仙丈小屋(9:39)…馬ノ背ヒュッテ(10:15)…藪沢小屋(10:31)…北沢峠(11:53-12:20)=戸台=新潟(19:30)