会山行紀行文 12.08.09(木)〜10(金)
晴れ
(きりがみね)(うつくしがはら)
霧ケ峰・美ヶ原

1925m  2034m
参加者22名
(男8・女14)

(紀行文2071 M/F
(写真)1866 S/T 2070 S/F
≪コースタイム≫
≪8/9≫新潟駅南口(6:00)=霧ケ峰車山の肩P(1030-10:50:)…車山山頂(11:40-12:35)…蝶々深山(13:20)…物見岩(13:50)…八島湿原奥霧の小屋(14:35)…八島湿原駐車場(15:10)=美ヶ原山本小屋(16:00) 
≪8/10≫美ヶ原山本小屋(6:00)=王ヶ鼻(6:20-7:00)=山本小屋(7:15-8:30)…塩くれ場(8:45)…茶臼山山頂(9:45-10:10)…塩くれ場(10:55)…山本小屋(11:15-12:30)=美しの湯=新潟駅南口(18:10)
≪紀行文≫
                            〜〜〜清々しい高原散歩と可憐な花達に大満足〜〜〜
 昨年の秋、友人と訪れた時は、車山、八島湿原、王ヶ鼻等をピンスポット的に回っただけでした。
 勿論秋でしたので花は望めませんでした。
 数年前には家族で訪れその際はマツムシソウの群生を見て感動した記憶があります。
 今回は多くの花と出会いたい、高原散歩を楽しみたいとの思いから参加しました。

≪8/9(木)≫
 新潟を計画通りに出発し、北陸道、上信越道を走り登山口の車山の肩駐車場に略予定時刻に到着。
 登山準備を済ませ、駐車場から少し上がったコロボックリ(アイヌ語で蕗の葉の下に住む小さな人)ヒュッテの前の広場に集合。
 リーダーから今日の説明聞き、柔軟体操をしました。
 このコロボックリヒュッテは56年前に当時多かった遭難者を少なくするための避難小屋的に作られたもので、今でも定員12名の小さな山小屋です。オーナーの手塚宗求さんの著書「山、孤独と夜」を読んだ時是非来てみたい山小屋でした。

 準備も終り、いよいよ出発です。 
車山肩の駐車場 有名なコロボックリヒュッテの前で出発前の説明と柔軟体操

 車山への登山路は広く緩やかな登りが続きます。眼下には何色もの緑色が重なりあった霧ヶ峰高原の南西部が広がります。ビーナスラインや遊歩道も見えます。紅葉の秋にはこの緑の草原がどのように変わって行くのかを想像しました。
 時折立ち休憩をして水分補給も忘れないようにしました。
見晴らしの良い緩やかな登り 途中の休憩風景(眼下に広がる霧ケ峰高原南西側、ビーナスラインが見えます)

 40分位登っていくと前方に大きな球体を乗せた建物が見えてきます。気象観測ドームだそうです。ここが山頂ですが多くの人達が広大な展望を楽しんでおられました。私達もドームの裏側に回り、これから進む蝶々深山方面を眺めながら昼食休憩としました。東の方向には蓼科山、その右手に八ヶ岳の山並みが続き感激しました。
辿り着いた山頂(気象観測ドーム) ドーム裏側で昼食 車山山頂にて

 楽しい山頂での休憩は瞬く間に過ぎ、次の目的地八島湿原を目指します。八島湿原は尾瀬に並ぶ高層湿原で1万年以上をかけ作られた貴重な湿原だそうです。
 先ずは車山を下り、車山乗越を経て小高い丘のような蝶々深山に向かいます。左手の車山湿原や足元に広がる草原地帯は小さな花が一杯です。
車山山頂から車山乗越へ降りる 車山乗越の道標 蝶々深山に向かう登山道

 蝶々深山への緩やかな登りとなりますが、振り返ると今歩いてきた広大な草原とその向こうに車山が見えます。
 蝶々深山山頂は平らな広場になっていました。周りを見ますと白い花が群生していました。
蝶々深山への登り(後方に車山のドーム) 蝶々深山山頂 お花畑が広がります

 蝶々深山を後にして次のポイント物見岩を目指します。緩やかな草原地帯を降りて行きます。
 広い草原の道標のようは物見岩は遠くからも直ぐ分ります。到着した物見岩には何故かカラスが1羽留まっており、遠くからは岩の一部と思ってしまいました。 物見岩から進行方向を見ますと広い八島湿原が見えます。
蝶々深山から物見岩に向かう 物見岩(天辺にカラスが物見中) 物見岩から降りる(八島湿原が一望)

 物見岩からはジグザグ上に下って行きますが、下がる程に草木の背丈が高くなり、やがて明るい樹林帯へと入っていきます。
 突然前方に廃屋のような建物とトイレが見えてくると八島湿原です。
物見岩から八島湿原を目指します ジグザグに下る(草木の背丈が高くなる) 明るい樹林帯に入る

 八島湿原に着くと木の陰から鎌ヶ池が見えてきます。またここには奥霧小屋もあり休憩できるのですが、私達はバスが待つ八島ビジターセンター駐車場を目指します。途中湿原の木道では花の名前を教え合う等し、心地よい湿原散策を楽しみました。徐々に観光客風の方々が目立ってきますと、私達の山歩き、高原散歩のゴールも近くなります。
八島湿原と鎌之池 八島湿原後方山並みが蝶々深山や車山 本日のゴール八島湿原入口「歩いたね〜」

 登山靴を脱ぎ、簡単に荷物をまとめ、バスに揺られて今宵の宿「山本小屋」を目指します。
 リーダーから「今宵の宿の山本小屋はお風呂もある美ヶ原高原ホテルです。とても“趣”があります」と説明。“趣”ってどのようにでも解釈できますので、泊まった経験がある私は「そんな思わせぶりな説明をして良いのかなあ」と思いました。
 到着した山本小屋の外観は別として料理は名物のジンギスカンを中心にボリュームたっぷりです。
付録:霧が峰では様々な花と出会い、花の名前を教え合いしました。間違っていたらごめんなさい。

ヒヨドリ

ハハコグサ

シシウド

ハクサンフウロウ

シャジン

ミヤマコウゾリナ

マツムシソウ

コオニユリ

ノアザミ

ヤナギラン

ホタルブクロ

ヒメトラノオ

タカネナデシコ

ウスユキソウ

アカハナシモツケソウ

ヤナギラン

ギボウシ

マルバタケブキ
≪8/10(金)≫
 昨日の山歩きが功を奏したのか、心地よい睡眠をとることが出来ました。
 今朝は早朝食事前から山歩きのスケジュールが入っています。
 朝靄が立ち込める中、宿の玄関にはメンバー全員が時間内に集合。宿のバスで王ヶ頭、王ヶ鼻にいきます。
 最高峰の王ヶ頭はバスの運転手さんの簡単な説明「そこに三角点があります」で通過。確かに大きなホテルが建ち山頂らしくはありませんが。
 王ヶ鼻手前の空き地でバスを降り、歩いて王ヶ鼻に向かいます。王ヶ鼻には江戸時代に御嶽を向いた石仏や石で出来たお社があり、歴史を感じて見入りました。
 そして、王ヶ鼻は切れ込んだ岩の部分で、最高の展望が……、の筈だそうですが、今日は生憎の濃霧。それでもメンバー全員岩の上に立ち北アルプスの方向を眺めていました。
 「わあー見えた。穂高が見えた、槍が見えた」との歓声。強い風で瞬間的に霧の切れ間が出来るため、一瞬だけ見えたのです。
宿の前は深い霧に覆われていた 王ヶ鼻(素晴らしい展望が売りの筈) 寒い風を受けながらじっと待っていました

 宿に戻り、ちょっとお洒落な朝食を頂き、今日のメイン行程茶臼山登山の準備です。
 その頃にはすっかり霧も無くなり素晴らしい快晴の天気です。
 リーダーから「お昼は戻ってからですので、水と行動食で良いですよ」との話で、リュックが随分軽くなりました。
 宿の前に全員集合し、準備体操を済ませ出発です。牧場柵にそって歩きますが柵内ではホルスタイン、黒毛和牛、馬等が放牧されています。
 歩いて直ぐに美ヶ原のシンボル美しの塔(昔は遭難防止用の色合いが濃かった)に立寄り記念写真。
山本小屋の前で説明と柔軟体操実施 牧場の柵沿いに歩きます 美しの塔の前で写真(後方が王ヶ頭)

 牛や馬に挨拶をしながら進みますとやがて“塩くれ場”です。牛や馬に塩を与えるところです。この先から牧場の柵内に入っていきます。
 牧場ですから所々に大きな牛糞が落ちています。前方にこれから登る茶臼山の全容が見えてきます。「え!あそこに登るの!」との声もありましたが全員元気よく牧場内を進んでいきます。写真では良く見えませんが牧場内の登山道の両脇にはフウロウが群生しています。
塩くれ場を過ぎて牧場内の登山道に入ります 牧草の中を歩きます(足元牛糞に注意) 前方の山が茶臼山です。

 やがて、牧場の端に到達し柵を超えます。すると急に岩場やガレ場で登山道らしくなってきました。
 ガレ場をやや下り、再び登りに差しかかり振り返ると美ヶ原の牧場が良く見えます。
 “山頂まで200m”と記載された道標を過ぎる頃から最後の登り「後少し、ガンバレ!」とリーダーの声が聞こえてきます。
牧場の柵を超えると登山道らしくなってきます 緩やかで柔らかい登山道を登る(後方が牧場) 山頂が見えて来た(もう少し!)

 到着した山頂(2006m)は広々とした展望のよい場所でした。ここは美ヶ原の展望台と言われる所以が頷けます。
 予定より早く到着したので、暖かい日差しと気持ちの良い風邪を受けながらゆったりとした休憩を取ることが出来ました。
 とは言いつつも長居は出来ないようで、下山開始。宿でキノコ汁付きの昼食が待っていますから。
美ヶ原の展望台と呼ばれている山頂 ゆっくりと休憩を楽しみました 振り返りながら下山

 帰りは一寸早足かな、でも素晴らし景観を目に焼き付けました。
 牧場内に戻ってきますと王ヶ頭の電波塔が見えてきます。もう直ぐ塩くれ場の出口です。
 柵を越え後は宿まで直ぐ。この頃は朝出発時静かだった牧場も観光客が一杯歩いていました。
 宿に戻って、風通しのよいテラスで昼食です。昼食は宿製のお弁当とキノコ汁です。
 昼食後頂いたアイスクリームは濃厚でとても美味しかったです。
立ち止まり広大な景色を楽しむ 塩くれ場が見えてきました 塩くれ場、宿まで後少し

 昼食後元気な人数人は近くの牛伏山(1990m)に登ってこられました。皆さん元気だ。
 予定より少々早めに宿を出発し帰路につきました。途中“美しの湯”で汗を流しました。
 新潟には市内の渋滞があったものの略予定通りに戻ってきました。 皆さん本当に楽しい山歩き有難うございました。
霧ケ峰車山山頂にて集合写真 美ヶ原美しの塔にて集合写真
付録:美ヶ原、茶臼山で見かけた花達です。鹿の食害が酷くニッコウキスゲは壊滅と宿の方が話されていました。