≪紀行文≫
〜〜〜天空の湿原 憧れの苗場山縦走〜〜〜
<前書き>
新潟県を代表する名峰の一つにして百名山の一座。
私自身、山を始めた当初から「近いうちに絶対に登っておきたい山」の一つでした。
こんなに早く好機が訪れるとは願ってもないチャンスです。
折しも前々日の金曜日、NHK「夏山へGO―」の番組に紹介され、高まる期待にモチベーションは上りっぱなし。
梅雨も明けたし肝心の天気予報はと・・・(やや涙目)。
朝、夕に傘マークが付いたものの日中は雲り。 |
(クリックで拡大) |
|
(クリックで拡大) |
|
<本文>
定刻 新潟駅南口23名を乗せて出発、幸い雨もなく、途中、栄Pで女性2名を加え総勢25名、一路苗場山へ。
車窓からは守門岳がうっすらと鋸山がはっきりと観える。
大和Pあたりから望めるはずの越後三山は深い雲に覆われその山頂が全く見えない。
会山行参加も回数を重ねる度に顔見知りの方も増え、又初対面の方でも簡単に自己紹介すれば同じ会員同志、共通する山の話題で盛り
上がり退屈することもない。
車中では、リーダーより今日の山行の注意点や会からの連絡事項が告げられた、最後に「今日の山行グレードはB緩くらいです」。
当初のC上のグレードからランクアップ。 私自身、初のBグレード、緩とは言えやや緊張と不安とやる気がアップ。
祓川Pに到着。すでに20台位の車が駐車、さすがに全国区の山。 ここで一旦下車し、登山の準備を整えて再び乗車「特別大サービス」との
計らいで和田小屋までバスで移動。
「こんなに楽していいんかい?」と思いつつも「好意はありがたく受けるもの」と、ニンマリと大名登山。
登山口では恒例の新入会員の自己紹介が。回数を重ねる度に徐々に「手抜き」の様な・・・自己紹介。
今回は4名いずれも昭和30年代生まれ。
楽山会の次代を担う元ヤングマン?(ウーマン)達。 手前味噌ですみません <(_ _)>。 10年早い!!怒(天の声)
かわいい「注意」の熊看板に迎えられ、いよいよ登山開始。 |
|
|
|
祓川Pで登山準備 |
和田小屋までバス移動 |
熊注意の看板に送られ登山開始 |
山中では二度とお逢いしたくないが、先方もそう思っているだろう。なにせ多勢に無勢、今回は楽山会精鋭25名がストックで武装しての出陣。
霧のゲレンデを少し登ると直ぐに本格的な登山道がブナ林の間に続く。雨水が小川のように流れ、石の合間を縫って落ちてくる。
ゴロゴロとした石が多くとても歩きづらい。そんな中でも野鳥の絶え間ないさえずりが心地よい。
登り始めは、霧も薄く快適だが、山頂は依然厚い雲に覆われていて見通せない。きつい登りの山道脇に小さな花がちらほらと顔をのぞかせる。
山の楽しみの一つである。ほとんど名前も分からないが癒される。
それはね「とんぼ草」「ゴゼンタチバナ」「チングルマ」「シラネアオイ」「ショウジョウバカマ」「ベニサラサドウダンツツジ」「コイワカガミ」と即座に
答えられたらカッコイイのだが・・・
20分も登るとマイナスイオンたっぷりのミストサウナに入った様な汗が滴り落ちてくるが、気温は20度以下であろう。気持ちがいい。
山行中でも、久しぶりに会う同期の会員とは、近況や情報交換を(んー・・・負けた、先を越されてる)、先輩会員には山に対する心構えや過去
に登られた山の思い出を聞き、今後の参考に。 黙々と登るのも会話を楽しみながら登るのもどちらも等しく楽しい。
下ノ芝で休憩 きれいなベンチが備え付けられ整備の良さに感謝です。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
本格的な登山道がブナ林の間に続く |
山道脇に小さな花がちらほらと顔を |
下ノ芝で休憩 きれいなベンチが |
山道は相変わらず大きな石で歩きにくいが小川状態からは解放される。
途中、山口県から来た団体さんとすれ違う。さすがに苗場山、全国から登山者を引き付ける。
ほどなく中ノ芝に到着 こちらもウッドデッキの休憩所が完備され、展望が開け、晴れていたら素晴らしい景色を想像させる。
(調べたところ谷川連峰から越後三山が見渡すことができるらしい)今日は残念ながら遠望がきかない。
整備された木道が所々に敷かれ上ノ芝から小松原分岐へと。この辺から稜線を歩く、周りの木々も低く視界も開けるが・・・。
足元に目を落とせば可憐に咲く花々。両方は欲張りか?。 |
|
|
|
|
|
|
山道は相変わらず大きな石で歩きにくい |
中ノ芝こちらもウッドデッキの休憩所が完備 |
上ノ芝から小松原分岐へ、可憐な花も |
股ズリ岩に股をすることなく通過、神楽ケ峰に差し掛かるころ、先行するリーダーから、山道の真ん中に雉撃ち職人(花摘み名人?)の置き
土産があるとの事で峰の山頂は回避。生理現象。仕方がない事だが置き場所だけはエチケット、考えて欲しい。
富士見坂から一気に100メートル以上下る。途中、雨に降られたが直ぐに上りウェアーを着たり脱いだり忙しい。
雷清水でおいしい天然ミネラルウォーターをいただきリフレッシュ。 冷たくて実においしい。 |
|
|
|
|
|
|
神楽ヶ峰からの下り |
富士見坂から雷清水へ |
雷清水(冷たく美味しい) |
いよいよ本日、最難関登り返しの約250メートルの雲尾坂、その手前のお花畑、谷間に咲く、ニッコウキスゲ(私でも知っています)の大群生
と車ユリ。ここで元気を取り戻せ、とばかりに咲き誇り、楽しませてくれます。
幾つかの鎖場の急登を登る。後ろからは「がんばれ!!もう少しだ」の励ましの声。その後ろからも「何だ坂♪こんな坂♪」と思わず気が抜け
そうな楽しげな掛け声。(笑い)
ホトトギスの「ホー・ホケキョ♪」のさえずりまでが「もーすこしだ♪」と励ましてくれているように聞こえる。 |
|
|
|
|
|
|
お花畑(もっと沢山の花がありました) |
最難関登り返しの約250メートルの雲尾坂「がんばれ!!」 |
ようやく来たその瞬間、一気に視界が広がり広大な湿原が・・・(感動)
多少霧がかかっているが、それがかえって幻想的に、正に天空の湿原
時折、雲の切れ間から日が差し込み、涼しい風の中に夏の日差しを感じさせる。
ここで、楽しいランチタイム。 山頂はすぐそこ、急ぐ事もない。
思い思いに座り、昼食。リーダーから手作りトマトでーす。○○さんから・・でーす。 恒例の光景。
今日は梅干しの男飯とカップラーメンだけの私にはアリガタヤです(感謝) |
|
|
|
漸く到着広大な湿原(霧が現像的) |
楽しいランチタイム |
広大な霧の湿原に陽が差し感動 |
昼食後、10分ほど木道を歩き山小屋のある山頂へ。 ここで班毎に記念撮影。
霧の木道をゆっくりとワタスゲいっぱいの草原と池塘を楽しみながら歩く。実にいい!!
途中どなたかのレリーフが???どなた?(大平晟(アキラ)氏 苗場山の開拓者)。 |
|
|
|
湿原の木道歩きを楽しみながら山頂へ |
山頂に到着 |
大平晟氏(苗場山の開拓者)レリーフ |
非日常的な景色は飽きることなく楽しませてくれる。 これで眺望が良ければ天空の楽園そのもの!!霧がゆっくりと風に流される。
のんびりと歩く登山者も多く、「ゆっくり歩く競争」の様に抜いては抜かれ道を譲りあい景色を楽しむ。
湿原も終盤、残雪を横切り坪場へ、リーダーの「ここで苗場の湿原は終了下りです。注意しておりましょう。」
名残惜しい山頂を後にして小赤沢登山口へ向かって下山。 |
|
|
|
霧が流れる中湿原を進む |
湿原も終盤、残雪を横切り坪場へ |
名残り惜しく湿原を振り返る |
登り同様、石道の急斜面とロープの連続、泥で滑り気が抜けない。本降りにはならないが
時折降る雨も悩ましい。
休憩を取りながらゆっくりと下る。徐々に緩斜面のブナ林へ、途中木の股をくぐったり、見事
な松があったりとカメラを手放せない。
四号目を経過するころからせせらぎの音が谷間から聞こえ、楽しかった山行もいよいよ終盤。
16:20下山完了 近くの小川で、泥まみれの登山靴を丁寧に洗い後片付け。 |
|
|
|
|
急斜面、ロープの連続、泥で気が抜けない |
緩斜面のブナ林へ、途中木の股くぐり |
泥まみれの登山靴を丁寧に洗う |
30分以上時間が押していたが、アフター登山の楽しみ楽養館にて今日1日の汗を流し新潟へ。
帰りの車中、どこからか祝杯の「乾杯」が、初登山者の感想や同乗リーダーから次回山行PR、山への思いを聞きながら全員無事新潟駅南口に到着。
お疲れ様でした。 |
|
|
|
<感想>
縦走は会山行の醍醐味、それが苗場山で叶うとは感激です。
取った写真の枚数は100枚を超えカメラを離せない1日でした
(駄作8割超・・・汗)
前回の山行 平標山が強風の為、山頂目前で途中退散、今回の
苗場山でリベンジした思いです。
単独行を重ねていた去年までは二千メートルを超える県境の山々
の踏破は、体力、気力、技術、度胸いずれを取っても遠く及ばなかった
と思います。
今回の山行は大きな自信と思い出になりました。又、各リーダーの
山に対するいろいろな考え方に触れ勉強になることばかりです。
私自身の山人生(道楽?)も始まったばかりです。のんびり楽しく
行きたいと思います。
Jリーダーとそれを支えてくれたスタッフの皆さん、LLのSリーダー、
同行したメンバーの皆さんに感謝申し上げます。
最後に、日曜日の山行・・・月曜日は職場で死んでます(笑)
|
|