≪紀行文≫
〜〜〜原野、雪渓、岩場、あまりに変化ある登山に疲れを忘れる〜〜〜
いよいよ道東の山旅最後の“羅臼岳”への登山となった。この3日間で一番行程が長く、疲労もピークでありやや不安が過る。
不安がそうさせたのか早朝3時過ぎに眼を覚まし、温泉に入り、部屋に戻らず宿の前の海岸縁を散歩した。
やがて東の方向にある半島の空が徐々に赤みを増し、やがて海が美しいオレンジに染まり始めた。入浴の身体が冷えて来た為、露天風呂に
脚を浸け、暫く脚湯を楽しんだ。未だ誰も起きてはこないと思い部屋に戻ると皆さん起きておられた。
宿のお弁当を頂き、羅臼岳の登山口に出発。さしたる時間を要さないうちに車窓から朝靄の羅臼岳が観えて来た。
羅臼岳は概ね3ケ所の登山口があるが、距離も短く入山者も多い岩尾別温泉登山口から登る計画だ。
登山口の駐車場は既に車が満杯で、林道にも多くの車が停まっていた。今日は“山開き”で納得。 |
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羅臼の朝(キタキツネが歩いていた) |
車窓から観る羅臼岳 |
登山口ホテル“地の涯”前駐車場 |
登山口にあるホテルの脇を通り、登山口のある木下小屋へ。この小屋では熊よけスプレーを貸してくれる。
木の下小屋からはいきなりのつづら折りの急登が始まる。北海道の山は熊が多いので知られているがこの羅臼岳を含めた知床半島は
特に熊の生息数が多いと聞く。登山道の至るところに注意書に看板が目に入る。杖に熊避けの鈴を付け鳴らしながら歩いた。 |
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駐車場から木下小屋に向かう |
木下小屋からいきなりの急登 |
このような“熊注意”の看板が目立つ |
約2時間弱、樹林帯でつづら折りの急登を歩くとテント場がある弥三吉水に到着する。最初の急登はここまでで、この後は平坦な道が続く
極楽平となる。極楽平の入口付近からはこれから登る羅臼岳の山頂が観えてくる。 |
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このようなつづら折りの道が続く |
弥三吉水(これより先は平坦な極楽平) |
極楽平入口羅臼岳山頂が観える |
歩きやすい極楽平もそう長く続かず、やがて仙人坂の登りにかかり、羽衣峠までの急登が続く。 |
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極楽平を過ぎると又登りが始まる |
仙人坂の急斜面 |
羽衣峠(大沢雪渓まで直ぐ)) |
羽衣峠を過ぎると初夏の名物“大沢雪渓(残雪部)”はもう直ぐだ。
大沢の雪渓は入口から暫くは緩斜面の為アイゼン無しで登る。やがて前方に通称“大沢崩れ”と言う急斜面が遠くに見えてくる。 |
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羽衣峠から大沢雪渓(残雪部)に向かう |
大沢雪渓(残雪部)の入口 |
緩斜面はアイゼン無しで |
緩やかな残雪歩きだが、徐々に斜度を増してくるため、結構きつい登りとなる。
大沢崩れの急斜面が迫ってきたため、安全を期してアイゼンを装着した。
大沢崩れを上がりきると、ハイマツの平原が広がっている羅臼平に到着。多くの登山者が休息をとっていた。 |
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前方に大沢崩れの急斜面が観えます |
急斜面手前でアイゼンを装着します |
大沢崩れを登りきると羅臼平 |
羅臼平からは前方に、羅臼岳山頂が裾野にハイマツ帯を広げその存在感を見せつけていた。
ハイマツ帯を過ぎ羅臼岳直下の岩場が見えてくる。その岩に取り掛かる直前のところに“岩清水”がある。冷たくとても美味しい。
岩清水で喉を潤し、ペットボトルに水を補給し、いよいよ山頂へのアタックとなる。先ずは結構な斜度を持つ残雪を慎重に登り岩場に取り付く。 |
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羅臼平から観る羅臼岳山頂 |
冷たく美味しい石清水で一服 |
最後の残雪部に取り付く(観て目より斜度あり) |
山頂を目指し、這いがるように岩を掴み登っていく。山頂付近の岩場は、岩を積み上げたような状態でとても足場が悪く、大きな隙間が
口を開けており踏み外すを大怪我になりそう。
山頂は大きな岩が寄り添い切り立ったようなな所で、下からみてもとても狭そうに見える。 |
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両手両足を駆使して這いあがる |
山頂まで後僅か(足場がとても悪い) |
切立った山頂部 |
漸く狭い山頂に到着。360度の大展望で遥か知床半島方向に硫黄山に続く峰々が見え、叶わないかもしれないがこの縦走もいつかは。
しかし、そんな思いも冷たく強い風に吹き飛ばされ、狭い山頂一歩踏み外したら一大事と、記念写真を撮影し僅かな滞在時間で下山開始。 |
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羅臼岳山頂(とても狭い) |
急ぎ記念写真撮影(とても狭く全員が並べず班別に撮影) |
山頂から降りるのも緊張する。全員ストックをリュックにくくりつけ両手を使えるようにした。
途中の見晴らしの良い岩場で昼食タイム。眼下に広がる羅臼平や遠く茶臼岳を中心とする知床半島の山々を楽しみながら。
昼食後は来たコースを戻ったが、大沢崩れの雪渓ではアイゼンを付けた。
一部装着しない人が幾度か滑って転んでいたが万が一を考えて欲しい。 |
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山頂から慎重に下山開始 |
直下の岩場で昼食 |
大沢崩れを慎重に降りる。 |
極楽平や弥三吉峠の急なつづら折りを降り、緑美しい緩斜面に入るとゴールは間近。直ぐに木下小屋が見えてくる。
木下小屋の前にアイスボックスが置かれていて“山開き記念”のお茶缶ガ<無料で振舞われていた。但し人数分は無かった。
羅臼岳行程が長く案じていたが、昨日の斜里岳よりかなり楽に感じた。急斜面、緩斜面のコンビネーションが程良く配分されている為とおもう。 |
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もうゴールは直ぐそこ |
木下小屋に到着 |
山開き祝いの冷えたお茶缶が無料で |
この3日間連続して、雌阿寒岳、斜里岳、そして羅臼岳と登り歩いたが、どれも素晴らしい山容を味わうことが出来た。
つたない写真や文書では美味く表現しきれないが、甲信越の山々とは全く異なる趣のある山々だった。
一緒に汗流し、酒を飲み、歌い、楽しく歩いたメンバーとこの計画を実行されたリーダーに感謝しこの紀行文を終える。 感謝、感謝。 |
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羅臼岳登山道で美しい花達、特に山頂直下の岩場に貼りつくように咲いていた花には感動 |
≪おまけ≫7/2〜3“新潟に戻る”
羅臼岳を降りて泊まった阿寒温泉から苫小牧への道のりが長く、途中足寄のお菓子工場や、千歳空港の見学やショッピング
楽しみ、苫小牧港へ向かう。
苫小牧港から秋田港経由新潟行きに乗船。其々の夕食を済ませミーティング実施。長い船旅のスタートを切った。
男鹿半島沖でご来光を観たく、早朝から起きだし船内をうろうろ。しかし生憎の天候でそれも叶わず。
新潟県との県境付近か遠く粟島が観えて来た。もう少しで新潟だ。5泊6日の長〜い船旅と山旅も漸く終わりが近付いた。
様々な想い出をお土産に新潟港で解散となった。
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帰りの苫小牧に向かうバスにて |
千歳空港で昼食とショッピング |
帰りの船内にて |
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秋田沖で朝を迎える |
寄港地の秋田港 |
粟島が…。新潟県沖に入った |
新潟港に入る。長〜い旅も終り。 |
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