会山行紀行文 12.06.26(火)
  ~27日(水)

晴れ
朳差岳(飯豊連峰)
(えぶりさしだけ)
1636m
参加者
11名(男8・女3)
(紀行文)1897 K/S
(写真) 1866 S/T

            

≪コースタイム≫
6/26(火) 晴れ
胎内市役所6:00=胎内ヒュッテ(6:30-6:55)~登山口(7:45-7:55)~姫子の峰(8:50-9:00)~滝見場9:50~水場分岐10:40~イチジ峰11:25~大石山・昼食(12:30-13:15)~鉾立峰14:10~朳差小屋15:00
6/27(水) 晴れ
朳差小屋5:50~鉾立峰6:15~大石山(7:05-7:20)~頼母木小屋(8:00-8:35)~大石山(9:10-9:30)~中間点・昼食(10:10-10:40)~姫子の峰12:20~登山口13:15~胎内ヒュッテ14:10=胎内パークホテル・入浴・解散15:30

            ~~~~遥かな稜線・飯豊連峰・・・・絶好の山日和に恵まれて~~~~

 昨年から始めた(自分の)人生の記念登山。飯豊に登るのは今回で3回目、今年は初めてです。
ところが今年は身体の変わり目なのでしょうか?、体調が今一つよくありません。それでも、「朳差岳」は必ず登りたいと楽しみにしていたので、自分なりに身体の準備をし、気合を入れて臨みました。

メンバーは11人(うち女性は3人)と少人数ながら「山の達人」ばかりで、ついていけるのだろうかと不安がよぎります。天が味方してくれたのでしょう、梅雨中とは思えないスッキリとした晴天に恵まれ、気温も暑くもなく風も少しあって、「最高の山日和」となりました。

  6月26日(火)晴れ

胎内ヒュッテ駐車場で朝食と身支度を終え、55分の車道歩きの後「足の松尾根」登山口より出発。「御用平」の標識のある大きなブナ林を進むと、いよいよ急登が始まります。
 登山道は、名前の通り大きな松の根がびっしりです。足元に気を遣いながら手も使って慎重に登ります。心配していたトレーニング不足がすぐ出てしまい、「ヒィーフゥー」と息遣いも荒く、12kgのザックも背にズシンときます。

 絶好の天気、車道歩き  準備運動をしっかり、登山口  まずはブナ林をルンルンと

やっとのことで「姫子の峰」(まだ1時間しか歩いていない・・・)に到着。木陰で10分の休憩です。周囲の風景など見る余裕は一切ありません。掛けていたサングラスも身に着いているのに無いとボケて騒ぐ始末で、早くも疲労で思考能力が無いのでした。トホホ・・・

 でも、「ここで引き返す訳にはいかない!、行くしかない!」と覚悟を決め、達人のTさんが「自分の後ろをゆっくりとマイペースで歩きなさい」と云って下さり、本当に有り難かったです。
 沢の音、鳥の声を聞きながら「英三ノ峰」を過ぎると、岩場の連続となります。「滝見場」で小休憩、しかし滝を見る余裕はなし。それでもTさんの後を一歩一歩進み、「大石山」に辿り着くことができました。

 根っ子やら岩場やら・・・  姫子の峰、休憩です。  姫子の峰から稜線を望む

 昼食時、やっとゆっくりと周りを見渡すと飯豊の大パノラマ。これから行く鉾立峰、その先のなだらかな稜線に朳差小屋が見え、彼方には明日行く予定の頼母木小屋が、まるで絵ハガキのようです。

まっ青の空、なだらかで優しい稜線に残雪、可愛い花々、可愛い鳴き声の小鳥たち、吹き抜ける涼風。飯豊の峰々や二王子岳を始め、遠くまで山々が美しく輝いています。この景色を見てしまうと、「もう、山はやめられない」と思ってしまうのでした。

 大石山で昼食  鉾立峰を目指して・・  ハクサンチドリ

大石山まで来ればしめたもの、あと少しです。体も慣れてきて、今日の小屋が見えたことで元気も出てきました。大石山からは緩やかな下りが続き、その後は急坂を登り返して、「鉾立峰」に立つことができました。
 更に、鉾立峰から一旦下って再び緩斜面を登り返し、大パノラマの中を最高の気分で歩きながら「朳差小屋」着きました。“万歳!”
 花は端境期で群生はしていなかったけれど、可憐な花々(ハクサンチドリなど)が迎えてくれました。

 カラマツソウ  鉾立峰から頼母木方面の稜線 朳差小屋が見えてきた

小屋は平日とあって貸切り。早速、頼りになる男性陣が雪解けの水を汲んで来てくれました。その水の冷たくて美味しかったこと。「水汲みは足元が悪いから、女性はいいよ」との優しいお言葉に感謝です。

さぁ、楽しい夕餉の始まりです。リーダーが途中で採ったコシアブラのお浸しも加わり、アルコールの種類は居酒屋顔負けです。トイレットペーパーの金メダル(首にメタルのようにペーパーを下げて使う)の話など、話は尽きず賑やかで楽しいひと時でした。

 いよいよ小屋に到着  盛り上がるディナータイム  暮れなずむ朳差岳山頂

次のお楽しみは初めての朳差岳の山頂、夕陽の時間に合わせて登りました。東港コンビナート、阿賀野川などの川筋が光っています。草に寝転びながら沈む夕日を見るなんて、なんと素敵な時間でしょう。
 やがてお月さまや星も出て、新潟の夜景を堪能しました。

6月27日(水)晴れ

今日も上天気!、朝食後、小屋前でラジオ体操と集合写真の撮影後、少し軽くなったザックを背に大石山に向かって出発です。
 更に、大石山でサブザックに最小限必要なものだけを詰めて、羽が生えたように足取り軽く大パノラマの中を頼母木小屋に向かって出発です。

 朝日を浴びて登り返し  どっしりと二王子岳  チングルマのミニ群生

一面チングルマの群生で知られる地帯も、今は盛を終えた茎だけ・・・10日ほど前が最盛期だったようです。 
頼母木小屋下の残雪で、「小豆練乳かき氷」を作ってもらって食べたり、小屋前の草むらにひっくり返って大自然の息吹に浸ったり、とても幸せな時間でした。クマタカも「ピ~ヨ、ピ~ヨ」と鳴いて、ゆったりとした気分になりました。

一日目は疲労困憊だった私も、二日目は元気一杯に楽しむことができました。頼母木小屋までの散策も終わり、大石山に戻る途中で、AM9時前だというのに会の大先輩O氏とバッタリ!、この時間に一人で登ってこられるとは!、しかも日帰りと聞いて、すごい人がいらっしゃるものだと感心してしまいました。

 名残のチングルマ  かき氷の美味しいこと!  朳差岳を望む

 大石山からは、昨日の道を忠実に下山します。「こんな急な道をよく登ってきたもんだ」等と話をしながら、二王子岳の美しい姿を眺め、飯豊に再会を誓ってゆっくりと休憩を挟みながら下山しました。

ミヤマキンポウゲ ヒメサユリ 下山は軽快に

今回は、お花の群生は見られなかったものの、これから咲く花の姿を想像しながら、次回の楽しみにとっておきたいと思いました。

気温が比較的少なかったせいか、ブヨ等の虫がいなく、雪渓を渡る風がクーラーのように涼しくて快適でした。男性陣は、リーダーを始め心優しく力持ちの最強メンバーで、女性三人を大切にして頂き毎日色々の楽しみを味あわせてもらいました。
 登りはキツかったけれど、本当に思い出に残る山行となりました。リーダー、そして皆様に感謝します。有難うございました。  (おわり)

朳差小屋前にて、朝日が眩しい! 爽やかに、朳差岳をバックに(頼母木小屋下の雪渓にて)

 ≪山中で出会った花≫
チングルマ、ユキザサ、マイヅルソウ、ゴゼンタチバナ、ヒメサユリ、ハクサンチドリ、イワカガミ、ハクサンイチゲ、タニウツギ、タンポポ、ミヤマキンポウゲ、シラネアオイ、etc・・・・