≪紀行文≫
〜〜〜大佐渡の山々360度の展望を楽しむ〜〜〜
このコースは今年で2回目である。大佐渡の花々、天然杉、左右に海を望む稜線歩き、ドンデン山荘からの眺望・夜景等々を体験してもらい
たく企画している。昨年はドンデン山荘の取りやすい平日に実施した。会員から是非、土・日曜日に実施して欲しいとの要望で今回の企画を
組んだ。課題は、ドンデン山荘をいかに確保するかである。この時期の土・日は全てツアー会社により4人部屋は押さえられている。
ツアー会社が使いたがらない最大人員15〜18人のプラネタリューム室+4人部屋1室を昨年の会山行時に予約・確保した。
今年の佐渡は、積雪・残雪が多いことがドンデン山荘から度々連絡が入っていた。
どの位多かったか表現できないが、ドンデン山荘のオープンは例年4月中旬である。これが5月にずれ込んでいる。また、縦走路の太い木で、
現在の雪面の15〜20m上部の位置に新しいマーキングが付いていた。あまりの高さに参加者もビックリ。
下見を実施したかったが日程がとれず、前々日にドンデン山荘に電話を入れ状況を確認した。今でも残雪が非常に多いこと。
昨年よりマーキングの数を増やしたこと。金剛山からの登山客はまだないこと。十分注意して欲しい。等々。
そこで、Y・Iリーダーに金剛山からドンデン山までのルートをGPSに入力・持参するよう依頼した。
天気予報は、両日とも快晴。しかし、佐渡の山では、頂上・稜線上では急にガスられることがある。 ガスられないことを祈った。
≪19日≫
20日にロングライドが開催されること、絶好の花の時期を迎え我々のような登山客でターミナルは超混雑をしていた。
予想通り、入船時間が早まったが、我々参加者は予定時間より早く集まり。1番手で入船、十分スペースを確保し寝てゆくことができた。
海は静かで快適な船旅となった。
両津港到着後ジャンボタクシー、中型車に分乗し白瀬登山口へスムーズに移動できた。
6日前のアオネバ登山道での花の状態から、タン平水路上部にイワカガミの満開を期待していたが、花は既に終わり新葉状態であった。
組上上部の林の中に雪割り草を期待したが、これも終わりに近い状態であった。
花は期待外れであったが、天候は快晴、視界良好、景色を十二分に楽しんだ。組上の手前に残雪があったが、予想していたより少なかった。
金剛山で昼食。山々の新緑、これから向かう山々、眼下の海岸線等の眺望を満喫し楽しんだ。 |
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登山口、白瀬川に架かる橋を渡り出発 |
組上で小休止、奥が金剛山 |
金剛山山頂にて昼食 |
雪畑山・金剛山分岐点の付近から残雪が多くなった。しかも、倒木も多く歩きづらい。
しかし、マーキングの数は昨年より多くなっていた。加えて、邪魔な倒木の切断整備がなされて
いた。その切り口は新しく最近行われたものである。
これを見て、大丈夫、安全に行けると確信した。実は、両津港に迎えに出ていたタクシーの
運転手が、「11日現在の情報であるが、金剛山からドンデン山への入山は禁止されている。
その後の情報は確認していない。」との情報を得ていたが、握りつぶしていた。
ドンデン山荘の話ではマーキング等の整備が終わったのは昨日18日であったそうだ。
19日に我々を含めて2組の入山・通過が予定されていたためとのこと。感謝!感謝!
夏道が出ているところでは、カタクリの花盛り。
天然杉の中にあるザゼンソウはまだ雪の下、早いところで芽吹きから蕾状態。昨年は十分に
鑑賞した天然杉も目に入らず、夏道の見えない樹林帯からの脱出・通過に務めた。
マーキングをロストしかけた場面もあったが、大勢の眼孔で直ぐ発見、事なきを得た。
滑石を経て小芝園に到着。ここで、天然杉の樹林帯を通過。 |
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雪畑山・金剛山分岐点の付近。
残雪が多く、倒木も行く手を阻む |
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夏道が露出している部分。カタクリの花盛り |
小芝園を過ぎ、芝生草原へ、芝尻山へ。 |
あとは、芝生草原である。快晴・視界良好。稜線を漫歩した。芝生にはアマナが敷きつめたように咲いていた。
ドンデン池では、池にせり出した雪庇の高さに驚いた。 |
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快晴の中、芝生草原を漫歩 |
論天山(872.6m)へ向かって |
雪庇に抱かれたドンデン池 |
尻立山への登り、疲労が伺えた。
小休止後ドンデン山荘に16:35に到着。
雪が多かったせいで予定より1時間30分遅れた。
登山道の整備に感謝すると同時に快晴にも感謝した。
このルートの通過は、我々が2番目であるとのこと。昨年は1番であったが。
入浴後、夕食。全員で歓談・交歓を深めた。2次会も楽しくおこなった。
4人部屋が1室空いたとのことで、大部屋は14名でユッタリ布団を敷き、就寝した。
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尻立山からドンデン池方向を望む、
1番右が金剛山 |
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尻立山で小休止 |
蜂が峰、ドンデン山荘に向かって、
実に足が良く揃っている |
ドンデン山荘、
下に両津湾、加茂湖、小佐渡の山々 |
≪20日≫
朝から快晴。日の出前からカメラマンが撮影に精をだしていた。めずらしい海霧が発生していた。
16時20分の船が15分出発が早くなっている。下山が遅れると、その後の行動が窮屈になるため山荘にできるだけ早く朝食をお願いし、皆にも
この旨を伝え、協力をお願いした。
予定より10分早く出発。車道歩き。おいしそうなフキノトウが沢山あるがオアズケ。アオネバ十字路へ。
ここの雪は6日間で非常に少なくなっていた。マトネに向かう登山道に入るとシラネアオイが満開。しかも、花が大きい。マトネまで道の両脇に
連続していた。ザゼンソウも鎮座し咲いていた。参加者の歓声が沸き上がっていた。
マトネからは芝生の稜線あるき。両側に海。前にこれから向かう山々が鮮明に見え、気分は最高。石花越分岐点、小股沢のコル、ブイガ沢の
コル、真砂の芝生、真砂の峰、イモリ平、イモリのコル、イラツボ沢のコル、天狗の休場と順調に進んだ。ここまでが、芝生草原。 |
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ドンデン山荘からの夜明け、海霧が発生 |
マトネから石花越分岐に向かう |
石花越分岐で説明 |
今度は、樹林帯へ。「馬乗り禿」から縦走専用道へ、この専用道は約10年前私が最初に縦走をした時にはまだなかった。
この縦走が人気を集め新たに開かれた。馬乗り禿から直接あやめ池に行け、時間的にも短縮できる。正式ルートは馬乗り禿→役行者→鏡池
→あやめ池である。昨年はこのルート通ったが、役行者までに雪渓のトラバースがあり危険なこと。鏡池周辺の夏道が雪解け水で水没しており
「ヤブこぎ」を強いられたことによる。
あやめ池上部の雪渓、夏道は右側にトラバースし尾根線にとっりつくが、雪が多く急で樹木が埋没して滑りやすく危険。昨年はここで1人滑った
が下の樹木の枝で止まった。今回は直登を選択。多くの登山者の通過でステップは切ってあるので、楽に登れた。
ただ、顔色が青くなっている方もいられた。参加者からは、登るのは良いが、下りは怖くて降りられないとの声も。難関を通過し金北山へ到着。 |
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小股沢のコル付近を行く、右手の青い岩(粘土)が
アオネバの由来。右が役行者、奥が金北山 |
あやめ池上部の雪渓。直登でよじ登る |
金北山への最後の雪渓 |
両津湾、加茂湖、国中平野、真野湾、小佐渡の山々、外海府、通ってきた大佐渡の山々等360度の展望を楽しみながら昼食。
下山開始、予想に反し残雪がすくない。
しかも、あやめ池上部の雪渓が急で降りられないため、多くの登山者通過したようで、良く踏み込まれている。神子岩上部には残雪があり、
ユキワリソウ、シラネアオイ、カタクリが花盛りであった。
神子岩で休憩。最後部を歩いていた男性カメラマン4人が遅れて到着した。「ヤマシャクヤク」が咲いていて撮影していたとのこと。
それを聞いた女性陣は「なぜ、教えなかたと」残念がっていた。 |
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下山道に向う |
シラネアオイ、花が大きい |
カタクリ、これも花が大きい |
神子岩の下は、ブナの美林。新緑の中を下り、祓川へ。ブナ林の直下でいたるところから清水が大量に湧き出している。全員、喉を潤した。
じゅんさい池、横山登山道合流点、たて池の清水を順調に通過し、予定通りの14:00に姫ケ沢登山口に到着した。 |
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神子岩上部を下山。下に初盛ダム、
右奥が真野湾、中央は国中平野 |
神子岩下部のブナの美林 |
祓川でノドを潤す |
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両津の椎崎温泉「キラク」(小佐渡側)で入浴。
展望温泉からは、今降りてきた金北山が、鮮明に望まれた。
帰りの船は、反省会をふまえた、楽しい酒宴となった。
参加者のみなさん、ご苦労様でした
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姫ケ沢登山口に到着 |
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