≪紀行文≫
ここ2年、間近で富士山を見たいと思い、富士山が綺麗に見え、よく晴れる時期の暮れから2月頃まで富士山周辺の山へ登っているが、その中で、私が登った最も富士山に近い越前岳(愛鷹山)は、雄大な富士山の山麓から頂上まで眺められることができる山であり、昨年2月に登る機会があったが残念ながら裾野のみでほとんど見ることはできず、今回もう一度見たいと考えこの山行を申し込んだ。
【1日目】「山梨百名山」の高川山(たかがわやま)(975.7m)
新潟駅は曇り、25名を乗せた中型バスは新潟駅6時過ぎ出発、高速の関越道に乗り途中から雪、小千谷あたりから少し吹雪で渋滞気味に走る。周りは水墨画のようだ。当然のようであるが西高東低の気圧配置であれば関東の晴れを期待した。車の中では会長から最近の会山行などで写された富士山の写真集が回覧され、写真の美しさと背景が青空で期待とわくわく感が増幅される。さらに、リーダーから2日間は晴れで降水率0%、3日目は30%とさらに期待が膨らむ情報が報告される。加えて7時30分のNHKの報道で富士山が綺麗に映っていた。関越トンネルを抜けても雪、水上ICでマイナス4°漸く下牧PAで晴れ渡ってきた。反対車線はスーキーヤーの車が多いのか渋滞気味。圏央道に入ると富士山も見え始め、車の中は感嘆の声。中央道を通り、談合坂SAで昼食タイム、大月ICで降りJR初狩駅に到着。
今日登る山は、富士山の北東にある「山梨百名山」の高川山(たかがわやま)(975.7m)で登頂の容易さとその眺めの素晴らしさで、ここ数年とみに人気が出ている山だそうだ。
初狩駅で登山準備、駅(420m)を出発。町の中を歩いて登山道へ向かうが町の中の分岐毎に高川山への標識があり、初めて来た人でも迷わない。ここまで車が入れる林道からコースは分かれて、直進すると沢コース、左の細い登山道(登山道入口(500m))を取る。ヒノキの中をたどり少し急登気味でジグザグ道になり、男坂・女坂分岐でやさしいコースの女坂を通る。(少し上の標識の直進が男坂、右に曲がって女坂。)途中でリーダーからイノシシの掘った穴だと説明があり、見ると木の根元に穴が掘られており、何をしているのか興味が出る。 |
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初狩駅で登山準備 |
左の細い登山道(登山道入口) |
ヒノキ林の道は未だ穏やか |
新潟では考えられないが砂埃が舞う急登気味の登山道を行くと男坂と合流する分岐点があり、男坂も見下ろすとかなりの急登、この道をたどったら難易度C緩と記載に文句が出るだろう。実際にこの全コースは下山道を含めて難易度はC上に値するという声が多かった。それほど難儀な山であった。頂上付近になると笹の生えている緩やかな道で、13時40分頂上に到着 。(975.7m) |
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少し上の標識が男坂との合流点、 |
高川山頂上、頂上には自然石の山名標識あり |
左は倉見山、手前に都留盆地が見える |
山頂からは360度のパノラマの世界が楽しめた 。山ならではの最高の感動が味わえ、南正面には富士山、間近に三ツ峠、御正体山など道志山塊の山々、南から西へと御坂山塊が続き、真西には笹子雁ケ腹摺山と彼方に南アルプス。北には大菩薩山系の山々、東には九鬼山、倉岳山などが見られた(展望盤あり)
。手軽に登れて、見事な眺望が満喫できる欲張りなコースだと思う。眼下には新名所リニアモーターカー新実験線施設が見える。
そうそう、T事務局長から「頂上に行くとガイド犬がいるよ」という話があったのを忘れていたが、柱に「人気ガイド犬逝く」という新聞記事が
張ってあり思い出した 。
2001年秋ごろから住みつくようになり、傾斜のきつくなる山頂近くで登山者を迎えたそうで、2010年10月6日に死んでいたそうです。
山の「看板犬」がいなくなりさみしいとの声が多いと書かれていた。
下山は予定の同じ道を戻るのは面白くないという声で、古宿コース(禾生駅)を取る。
こちらもかなり急で、途中から林道に出て、そしてアスファルト道になり、このアスファルト道の距離が長かったのと、橋梁工事により本来の橋が渡れなく、かなり遠回りおかげで、皆から疲れたとの声あり。最終下山場所の禾生駅(標高421m)に到着。
宿泊場所のリゾートイン富士橋では、夕食時の宴会で会長もこられているので全員自己紹介を行う。会員期間が長い方が多いのと富士眺望登山の山行によく来ている方が多いのに驚いた。Nリーダーからお酒の寄贈と宿から2人に1本に当たる瓶ビールの差し入れ、個人でもお酒を持ち込んだことで、かなり酔えました。
真冬の澄んだ夜空に、光り輝く花々が舞う「第15回 河口湖 冬花火・湖上の舞」が8時から行われるとのことなので寒い中河口湖へ。
新潟では見られないおしゃれでかわいい花火が多く、打ち上げ場所から近いので迫力感動モノ 。
(50枚写してこの1枚が満足できる写真であった)
周辺もイルミネーションで彩られ、アベックが多く1人で見るには気の毒な環境。体が冷え切ったので部屋に入って2次会。 |
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第15回 河口湖 冬花火 |
人気ガイド犬「ビッキー」逝くの新聞記事 |
下山3コースの内古宿コース(禾生駅)を下山 |
下山道もかなり急 |
湖上の舞 |
【2日目】「日本二百名山」の愛鷹山(あしたかやま)最高峰の越前岳(えちぜんだけ)(1,504.2m)
2日目に登る山は、富士山の南にある「日本二百名山」の静岡県にある愛鷹山(あしたかやま)最高峰の越前岳(えちぜんだけ)(1,504.2m)で富士山を背に駿河湾を見渡す展望の山だ。南側から見る富士の眺めも良く、山頂に立つと駿河湾や伊豆半島を見渡すことができる。
昨年は、十里木(じゅうりぎ)高原(越前岳登山口)から富士山を背に登り、十里木展望台で富士山の全体が真正面に大きく見れる展望が忘れられなかったが、今日は下山道になる。
須山の愛鷹登山口から薄暗いヒノキの樹林帯のなかの細いアスファルト道を1.3kほど入り、山神社の駐車場に到着。
登山準備をして右手の山神社入口(776m)から鳥居をくぐり登山開始、ヒノキの樹林帯を歩きそこから尾根道に出るまでの登りはかなりきつい。
急坂の先で愛鷹山荘を通過する 。 |
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越前岳登山口の山神社の駐車場で登山準備 |
山神社入口 |
愛鷹山荘 |
急斜面をまじえて黒岳との分岐になる富士見峠に出た(960m)。雪の尾根道をたどると鋸岳展望台に着いたが、残念ながら雲の中。
霧が漂う急斜面を登り富士見台に到着。ブナやヒメシャラの目立つ樹林の中をたどって歩くが、霧氷の綺麗なこと 。 |
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黒岳との分岐になる富士見峠 |
富士見台で休憩 |
ブナやヒメシャラの樹林に霧氷 |
広めの山頂に11時37分到着。(1504.2m)
愛鷹山は山塊の総称であるが、愛鷹山というピークも一応ある。しかしながら最高峰は越前岳の1504mであり愛鷹山より300m余り高い。
そのため、越前岳が愛鷹山の主峰と考えていいだろう。富士の眺めも良く、山頂に立つと駿河湾や伊豆半島を見渡すことができることになっていたが、御覧の通り全く周囲は見えず。
風が強く、とにかく寒い。−6℃はあるのかな?そんな頂上で昼食を食べる場所を探すのに一苦労。風がなく下に雪が積もっていない場所を探して休憩。 早々に下山を開始し、十里木方面への樹林の中を下り、見晴らしがよい広い馬の背(1098m)で休憩。 |
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広めの越前岳山頂、かなり寒い |
雪の多い下山道 |
本来は前面に雄大な富士山が見える馬の背で休憩 |
カヤトや笹の明るく広い道をたどって十里木高原展望台に着く。残念ながら全く昨年と同じ裾野しか見えない。
下方に駐車場を見ながら擬木の階段を下れば十里木高原登山口だ 。(873m)この駐車場には綺麗なトイレと靴を洗う場があり助かる。
バスで帰る途中やっと富士山が見れたが、雪が少ないとの声あり。
道の駅「すばしり」で土産購入と足湯に入る。
さらに「べに塩(岩塩)」購入のため道の駅「なるさわ」に行くバスの中からダイヤモンド富士も見えたが写真は撮れなかった。
宿泊場所のリゾートイン富士橋に着いてからの行動は全く昨日と同じ。 |
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前面に富士山が見える十里木高原展望台 |
擬木階段を下れば十里木高原登山口、駐車場が見える |
今日ようやく見えた富士山 |
【3日目】大平山(おおひらやま)(1,295.5m)
3日目に登る山は、富士山の東の山梨県の山中湖近くにある大平山(おおひらやま)(1,295.5m)で大菩薩・道志山系富士山・山中湖が眺望できるそうだ。 山中湖村では富士山麓屈指の美しい散歩道として大平山ハイキングコースとなっていた。
逆さ富士が見れるという長池親水公園駐車場に7時40分に到着。早速逆さ富士を撮影 。
県道729号線脇の遊歩道を歩き、34から入り舗装路を歩く途中10頭ほどの折に入れられた犬にほえられた場所で、いのししがぶら下がっていた 。 暫く猪肉やシカ肉の話になる。こんな気持ちの悪いものを見てよく食べる話が出るのもだと感心する。 |
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長池親水公園駐車場から山中湖に映る逆さ富士 |
大平ハイキングコース入口 |
登山道の脇の木にぶら下げられた猪の親子 |
大平ハイキングコース入口で車道から分かれ、枝打ちされ管理が行き届いている杉林の中を歩き、別荘への車道を横切って カヤトの道を歩くと変わった形のアンテナがある頂上が見えてきた
。
暫くして広い大平山頂上9時9分に到着 。(1295.5m)
今日は薄曇りではあるが全景で綺麗な富士山が3日目にして見え、やっと参加者全員納得。
下山中のビューポイントは写真ラッシュであった。
頂上では、富士山の左に昨日登った越前岳、右に南アルプスの北岳等の山々が雪をかぶって綺麗に見えた。下山道の脇には頂上の施設用の車道があり、車でも登れるようである。
途中の飯盛山まではさすがハイキングコースだけあって登山道もよく整備されていた。しかし、飯盛山の直前はきつい登り、頂上でどっかり腰をおろしての休憩。
長池山経由で東海自然歩道を歩き、別荘地に出て車道を歩き、花の都公園駐車場に到着。
少し早く到着したので、忍野八海を見学。実は良く富士山のライブカメラを見ていたときに忍野八海からのもあり、どこにカメラがあるか探したら、公共トイレの屋根にあるのを見つけた。 |
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車道から分かれる登山道入り口 |
かなり広い大平山頂上、東屋あり |
3日目に漸く全景で見られた綺麗な富士山 |
今回の紀行文担当で、普段記録用で登山口・分岐点・登山道の様子・景色・頂上の景色などで1日約100枚以上の写真を取ってきたが、今回
紀行文担当ということなので、掲載文作成用の記録が加算され、今回3日間で475枚写した。その中には音声で記録するための動画も含まれる。
今回は、Nリーダーの指示が参加者に合わせてか、かなり自由な行程のように感じていたが、ほとんど山行計画書通りでした。
さすがベテランと感心する。秀麗な富士山を堪能できたこと感謝いたします。ありがとうございました。 終わり |
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