個人山行紀行文 11.06.20(月)
晴れ
北股岳・2025m 参加者
単独
2077 S/S

≪コースタイム≫
 
自宅3:30=飯豊山荘P5:30〜温平6:05〜滝谷出合6:50〜石転び沢出合7:20〜梅花皮小屋 9:35〜北股岳10:30〜梅花皮小屋12:00〜石転び沢出合13:00〜滝谷出合13:25〜 温平14:15〜飯豊山荘P14:50

 明日から雨模様の天気予報なので、予ねてから考えていた石転び沢行きを決め、朝3時半に家を出発。

 無料化実験の終了した高速道路を避けて国道を走り、5時少し過ぎに飯豊山荘近くの駐車場到着する。

 月曜日のせいか他の車も無く、身支度を整えて遮断機脇を通り、朝霧が漂う静寂な林道を温平へ歩き出す。

 温平から砂防ダムの階段を登り、ここから登山道が始まる。全行程16km・高低差1550、9時間半程の山歩きだ。木立の夏道を一汗掻いた頃、梅花皮沢の滝沢出合付近からアイゼンを装着、雪渓に乗る。
 石転び沢出合まで約2kmを、時折、口の開いたスノーウブリッジを避けながら進む。2時間程で小さな島が出ている石転び沢に到着した。例年より多雪状態だ。右側の門内沢の上に門内小屋の屋根が光って見え、左の本沢頂に梅花皮小屋がかすかに見える。

温平砂防ダム 彦衛門の平 滝谷出合から雪渓に乗る

 標高900m、ここから本格的雪渓登り。
朝食のおにぎりを食べながら、辺りの雄大さに吸い込まれる様な感動を覚える。この大きな沢に俺以外誰もいない、冷たい風が沢を吹き抜け体の熱を必要以上に冷ます。

梅花皮川の雪渓 スノーブリッジの下は激流 石転沢出合900m地点

 ピッケル握り締め、スプーンカットの幅広い雪渓を登りはじめた。1時間程で土砂混じりの本石転び沢1400mに到着右脇の茂みで一休み、出合方面を見下ろしても後続の人影は見えない。ここから直登は無理。ジグザグ歩行で進む、汗と心臓との戦いが続く。

右側門内沢に門内小屋が見える 左側石転沢方面 本石転出合いから。稜線はもうすぐ

 1600m・草着き場(小さな島)で一休み、45度の急斜面が立ちはだかる。一歩一歩アイゼンとピッケルを刺しながら進む、突然目の前に小屋が見えた。あと一息!、心の中で叫ぶ。

小屋から北股岳臨む 梅花皮小屋付近はお花畑 北股岳から梅花皮小屋

 9時半頃、人けは無く静まりかえった小屋に到着した。
稜線の登山道には雪も無く、1年ぶりの北股岳は優しくたたずんでいた。小屋前の斜面は、北股岳にかかてハクサンイチゲ・ミヤマギンバイ等のお花畑状態となっており、疲れた身体を癒してくれた。

北股岳頂上から大日岳を臨む セルフタイマーで一枚撮る 頂上の小さな鳥居が厳冬を耐えた

 休憩後、北股岳へ向かって出発。2025mの頂上は何時もと変わりない風景だ。北は門内・地神、西は梅花皮・烏帽子・御西と稜線が続く、俺の一番好きな峰の一つだ。

振り返ると梅花皮岳・烏帽子・御西本山 真下は石転沢が横たわる 北股で逢えた花 イワカガミ

 名残惜しい北股岳山頂を後にして梅花皮小屋に戻る。小屋の玄関口でゆっくり食事しながらあたりの風景に見とれて居るうちに1200近くになり、下山を開始する。
 小屋の前の45度急傾斜を慎重に下る、アイゼンとピッケルに力が入る。特にスプーンカットの雪は硬くて爪が深く刺さらず、筋肉の悲鳴が聞こえるようだ。

ハクサンイチゲ ミヤマキンバイ 花名不詳 シラネアオイ

 下りは早い。1時間程で石転び出合、ここまでくれば一安心。滝谷雪渓口まで1時間半到着、ここからゆっくり下山して飯豊山荘に15時前に帰ってきた。  (おわり)