個人山行紀行文  09.08.25(火)
          ~27(木)
剱岳八ッ峰縦走 (メンバー) 1861 K/Y

<行程>

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  自宅を500出発、立山町経由で剱沢キャンプ場に1400頃到着

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  剱沢BC4:156:15Ⅰ・Ⅱルンゼ出会6:308:05Ⅰ・Ⅱのコル→11:15Ⅴ・Ⅵのコ11:4512:10Ⅵ峰→
   14:50
八ッ峰の頭→16:50剱岳17:1520:00剱沢BC

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  剱沢BC9:1510:00別山→11:00真砂岳→11:50富士ノ折立12:1012:35雄山12:5013:20一ノ越→14:05室堂

 剱岳八ッ峰、槍ヶ岳北鎌尾根、前穂高岳北尾根は俗に日本三大岩稜と呼ばれています。

クライミング性が低く体力勝負の北鎌尾根は最近でも行っていますが、八ッ峰や北尾根はクライミングが伴うので行ったのはもう40年以上も前のことになります。

 
 最近の山の話の中で、「八ッ峰に行けるだろうか?」という声を聞き、その声で私の心の中にも「まだ行けるだろうか?」という気持ちが起こりました。無理かも知れないが試してみたくなり、足の揃った仲間で行ってみました。

 
 北尾根は多少クライミング性が要求されますが、体力的には楽な所です。八ッ峰はクライミング性が高く、体力も要求されます。八ッ峰はⅤ峰とⅥ峰の鞍部、通称Ⅴ・Ⅵのコルで区分けし、Ⅴ峰より下部を(下半)、Ⅵ峰より上部を(上半)と呼んでいて、一般的には上半と下半に分けて歩かれています。下半をやった場合は、Ⅴ・Ⅵのコルから長次郎谷の雪渓に降り、上半の場合はⅤ・ⅥのコルもしくはⅥ峰フェース群からⅥ峰に上がり、池ノ谷乗越から長次郎谷右股の雪渓に降りて剱沢キャンプ場に帰ります。


 今回は試してみたいという気持ちが先に出て、下半上半を通し、北方稜線から剱岳を経由して剱沢キャンプ場に戻るルートで設定しました。ザイルは重いので1本で済まそうか2本にしようか迷いましたが、速さを取るか軽さを取るかの選択の中で、長丁場ゆえロープワークの速さを優先して2本(9mm×50m、9mm×40m)を持ちました。途中で矢尽き刀折れても、おめおめと死ぬわけにもいかないので、ビバークにも十分な備えをしました。
 

 結果は、剱沢キャンプ場のテントを415分に出発し、予定より30分遅れの2000分にテントに戻れました。

テントでゆっくり眠り、気を良くして、翌日は別山~真砂岳~雄山と立山連山を縦走して室堂に降りました。

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剱沢キャンプ場から八ッ
峰方面。
一番奥の連なりが八ッ峰、その手前の岩瘤が
源次郎尾根。

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長次郎谷左岸のⅠ・Ⅱルンゼ出会。雪渓が右に入り込んでいるルンゼを登る。

Ⅴ峰付近から後ろを振り返る。

Ⅴ・Ⅵのコルから今しがた超えて来たⅤ峰を見上げる。懸垂は40m×2回、20m×1回。

Ⅴ・Ⅵのコルから見上げたⅥ峰の岩壁。
写真の腕が悪いので、傾斜
は緩く見えますが、
現物は見上げ
る者を圧倒する高さでせり立って います。
ここをよじ登って稜線に出なければ、Ⅵ峰の山
頂には行けません。
こうした場面ではルートの
採り方
が成否を握ります。

Ⅷ峰から見下ろした、かの有名な「クレオパトラニードル」です。

八ッ峰終了点。八ッ峰の頭から来し方を振り返りました。
写真右は長次郎谷の雪渓です。八ッ峰はここ八ッ峰の頭で北方稜線に交わります。

八ッ峰の頭から見た長次郎の頭、奥は剱本山。
北方稜線の行く手を
阻んでいます。写真に写っているのは長次郎の頭の上部です。足元から70mほど下の池ノ谷乗越に降りてから登り上がらなければなりません。
いい年をして、マジであれを登るの?と思ってしまいました。

写真右は八ッ峰の頭から見た源次郎尾根。
手前がⅡ峰、奥がⅠ峰、ザイルを必要とするのはⅡ峰の下りのみ。
登るのは見た目ほどは難儀ではありません。
(ただし、スポーツ保険の対象ではありません、念のため)

おなじみの剱本山山頂の社。

無事の山行に感謝し、手を合わせました。

前剱近くの稜線にて。

剱岳の西側には、夕映えた茜の雲海が広がっていました。