個人山行紀行文 2008.9.23-24 後立山連峰 小蓮華/白馬岳/雪倉岳/朝日岳
1866 S/T

今年の夏山シーズンもほぼ終わり、信州方面からそろそろ地元の山へ目を向け始めたこの頃ですが、数日前になってK野さんから「雪倉岳に登りません?」というお誘いがありました。
「ついでに白馬岳も登りますよ〜」という言葉に誘われて、うっかり?OKをしてしまいました。メンバーは健脚でなるK野さんと、Y崎さんだと聞かされて、こりゃきつい山行になるなぁと覚悟を決めなければなりません。

(今回登った山) 小蓮華山・2769m  白馬岳・2932m  雪倉岳・2611m  朝日岳・2418m

(コースタイム)
9月23日(秋分の日)  (歩行時間) 6時間50分
 新潟5:00=北陸自動車道・糸魚川IC=国道148号=蓮華温泉8:10〜天狗の庭9:50〜白馬大池(11:10-11:30)〜小蓮華山13:10〜三国境14:00〜白馬岳14:50〜白馬山荘15:00(泊)   
9月24日(水)  (歩行時間) 11時間40分
 白馬山荘6:20〜白馬岳6:35〜三国境7:10〜鉱山道分岐7:40〜避難小屋8:30〜雪倉岳9:10〜最低鞍部10:30〜朝日小屋分岐 (11:15-11:35)〜朝日岳(12:40-12:55)〜栂海新道分岐13:15〜水場13:50〜青ザク14:25〜五輪高原14:40〜花園 三角点14:55〜白高地沢仮橋15:35〜ヒョウタン池16:00〜瀬戸川鉄橋16:40〜兵馬ノ平17:20〜アヤメ平17:30〜鉱山道分岐17: 45〜蓮華温泉18:00=入浴など=新潟自宅23:15  

【9月23日】
新潟を5:00に出発し、北陸自動車道=R148を経由して一路蓮華温泉に出発。雲は厚いものの天気予報は晴天を伝えており、期待は膨らみます。
飛び石連休なので、さぞや混雑しているかと思いきや、暗に相違して蓮華温泉の駐車場はガラガラ、早速身支度を整えて、蓮華温泉の後ろから登山道に入ります。
 
よく整備された道を歩いて高度を稼ぐうちに、右手方向には雪倉岳が大きく迫り、さらにその右手には朝日岳も見えています。天狗の庭辺りから眺める雪倉岳の斜面は、赤の紅葉と這松の緑が絶妙のコントラクトを見せています。もうすっかり秋です。

尾根道を登りつめて到着した白馬大池近辺もすっかり紅葉して、静かな水面と赤い屋根と草紅葉がメルヘンチックでどこか懐かしい風景を見せてくれます。ここからは、後立山連峰と云われる白い地肌を見せる主稜線を歩く事となります。
これから目指す白馬岳方向にはゆったりとした曲線の続く稜線が見えており、右側には明日登る予定の雪倉岳への稜線が、なだらかに延びています。
 

 
白馬大池から最初のピークは、新潟県最高峰の小蓮華山・2769m。但し、頂上は崩壊により危険なため、立ち入り禁止となっています。この時期ともなると、殆んど登山者と会いません。ホンの数名の方と行き会ったぐらいです。
更に、剱岳、立山、鹿島槍、槍ヶ岳、妙高、火打・・・・・はるか諸々の山が見渡せる稜線歩きを楽しんで、白馬岳頂上経由、15:00白馬山荘到着。夏山シーズンのピークも終わり、30人程度の宿泊者しかありません。6畳ほどの個室を悠々と占領です。

【9月24日】
 起床直後は厚いガスで外の風景は真っ白です。しかも風が強い。気温も下がっている。
6:20に小屋を出ましたが、ともかく風が強い! ガスも晴れて天気は良くなる様子ですが、風のために耳は千切れるように痛く、手はかじかんでストックを持つ手もままなりません。タオルで耳を覆い、手袋をはめ、ウィンドブレーカーを着込んで歩きます。
見渡す限りの雲海の上に頭を見せる鋭鋒を眺めながら、歩き続けます。
それでも”三国境”辺りからは、風も幾分収まり陽も射してきました。ここからは、主稜線から左の稜線に方向を変えて雪倉岳を目指します。
最初は砂礫地帯を200mほども下ったでしょうか? そして鉱山道との分岐を過ぎてお花畑を楽しむうちに”雪倉岳避難小屋”です。最近建て替えたかリフォームしたか、なかなかきれいな建物で、10人以上はゆっくりと寝られそうです。
 
9:10雪倉岳のなだらかな頂上に到着。なかなか眺めがいい。
暫し眺めを楽しんで、帰路は五輪尾根の長いコースを蓮華温泉に向かって下ります。
スグそこに見えたはずの朝日岳ですが、雪倉からグゥ〜ッと急坂を下り、かなり平行路を進むけど、これが長い!
11:15やっと朝日小屋との分岐点到着!ここから朝日岳目指して1.5時間の登りです。(フゥ〜 )
天気は最高に良い。山々を眺め、道端に次々に現れる花に慰められながら12:40頂上です。
下界は雲海の名残がありますが、相変わらず遥けき山々が見渡せる山頂からの絶景は素晴らしい!。能登半島や日本海も望めます。
 
 いよいよ朝日岳を後にして、五輪尾根コースを蓮華温泉に向かいます。
健脚のY崎さんですが、今日は長丁場でもあり私の足も心配してくれたのか、歩きやすいペースで進んでくれます。よくよく観察していると、どんな所でも一定 のスピードであり安定感抜群です。道々、いたずらに息を弾ませる事も無く、話をしながらリズミカルに歩くことが出来ます。
 
栂海新道分岐、水場、青ザクと歩いて14:40五輪高原。木道敷きの両側にはシーズンであればもっとたくさんの花が咲き乱れていた事でしょう。今はひっそりと草紅葉が始まっています。木道の脇には”花園三角点”もありました。
白高地沢の仮橋を渡り、瀬戸川の鉄橋を渡って、さぁもうすぐかな?の雰囲気に反して最後の急坂が待っています。疲れた身体には厳しい最後の難関です。
 
17:20急坂を登りきってあまり広くない湿原の広がる”兵馬ノ平”。
ここからは、緩い登りの木道を登りきります。
18:00ジャスト、ようやく蓮華温泉に到着! もう少し遅ければヘッドランプのお世話になるところでした。

今回の山行は、本来もう1泊するのが普通と思われるコースですが、良き仲間とすっかり日焼けした陽射に恵まれて、1泊で歩き通しました。大変だったけど、いろいろと勉強になったし、自分にも自信となりました。それだけに、大きな収穫の喜びがあります。 (おわり)