会山行紀行文 11.11.13日(日)
曇り 
NO.TL53
経塚山・398m/秋葉山・277m
参加者
24名(男7・女17)
1936 Y/M

                               

≪コースタイム≫
 新潟駅南口6:55=R113=R13=上山駐車場(10:00-10:10)〜登山口(10:20-10:30)〜経塚山(10:55-11:05)〜林道出会11:30〜秋葉山・昼食(11:50-12:40)〜白禿山12:55〜駐車場13:40=斉藤茂吉記念館(14:05-15:00)=R13=R113=新潟駅南口18:35


みんなに迷惑をかけずに登られるかな」と心配しながら頑張って登り、達成感を感じる山行も嬉しいですが、のんびりと雄大な景色や四季折々の自然や花を楽しみながらの山行も捨てがたい。
 13日は、山形県上山市の歌碑を楽しみながら歩く「文学散歩道」の経塚山を中心とした西山公園のトレッキングでした。わずか12文字で今回の山行を余すことなく詠んでくださった神田民子さんの俳句に、私の拙い文章で補足してご紹介します。

このところ土日のどちらか、あるいは両日とも雨の日が続いているので、集中登山を終えた後はお天気の心配をしていました。
 予報通り新潟駅南口出発時はすでに雨です。リーダーの「大丈夫!、雲の予報を見れば現地は晴れていますよ」の一言はみんなの不安を一掃してくれました。そのとおり、現地では降りそうな気配もありましたが終日なんとかもってくれました。

車内では地図による現地説明がされ、駐車場で支度を整えた後、出発する前に本日の各班長、サブリーダーの自己紹介があり、次いで新人会員が紹介されました。
 民家の前を通って登山口に向かいます。文学散歩道として市民に愛されている山らしく、登山道のあちらこちらに案内板が出ています。登山口の案内板で今日の歩くコースをリーダーが説明してくれました。

アカマツの中にコナラやカエデが混じった雑木林の中を、絨毯のようなふかふかな落ち葉を踏みしめて歩きます。道の脇に”つるりんどう”を見つけました。登るにつれて歌碑が現れ、その脇に作者や歌を紹介する案内板も立ち登山者の目を楽しませてくれます。

ふかふかと 足(あうら)にうれし 落葉道
 
              (今日の参加者・神田民子さんの句です)

案内板でコース説明 落ち葉を踏みしめて つるりんどう

登山口から30分ちょっとで経塚山の頂上です。ここには上山で生まれた斎藤茂吉の歌碑がありました。

    ひむがしの 蔵王の山は 見つれども きのうけふも 雲さだめなき (斉藤茂吉)

句碑・金子満嶽 詩碑・曽我部恭子 歌碑・須藤克三

 昼食にはまだ早いので頂上でちょっと休憩し、集合写真を撮ってから雑木林のなかの笹薮の脇を九十九折に下り秋葉山に向かいます。
 棚田になった”百枚田”のそばを通ると、そこからは階段の道が続き、息を整えながら秋葉山の頂上に向かいます。

     苔むせる 階(きざはし)果てて 紅葉山    (神田民子)

歌碑・齋藤茂吉 (経塚山山頂) 九十九折の道を下る 秋葉山へ登る

 秋葉山の頂上には神社がありました。ここで昼食です。
目を向けると、上山の市街地がすぐ下に見下ろせます。食後は神田さん恒例のお茶会です。山の上でお菓子をいただき抹茶を飲むなんて、なんと風流なことでしょう。とても美味しかったです。
 市街地をバックに本日2枚目の集合写真を撮りました。さあ下山です。雑木林の中を進み、あずま屋と歌碑があるところで一休み。なんと!頂上とは思えぬ、そこが白禿山の頂上でした。あずま屋を下ったところに林芙美子の句碑がありました。

    秋風に 吹かれ吹かれて 上ノ山  (林芙美子)

 トイレのある休憩所の前で一休みです。ちょうど強い風に吹かれて、ハラハラととたくさんの落ち葉が舞い落ちてきました。その風雅な様子に思わず歓声があがりました。
 登山口を出てからは坂道に建つ民家の間を、干してある大根や柿を見たり、庭の草花を見ながら駐車場に向かいます。ここは自然が多く「ほたるの里」の看板も見られました。
きっと、夏のホタルの時期にもにぎわう事でしょう。

秋葉山頂上の神社 市街地を見ながら昼食 句碑・林芙美子
白禿山の頂上 公園の小屋で一休み 「西山ホタルの里」の案内板

 駐車場でバスに乗り、今日のもう一つの楽しみである「斎藤茂吉記念館」に立ち寄りました。
ここ上山市は、先日お亡くなりになった北杜夫さんのお父様で、医者であると同時に歌集「赤光」で有名な歌人でもある齋藤茂吉の生誕の地です。広く取った敷地とお洒落な建物、内も外も見どころいっぱいでした。
 
 映像展示室では、明治生まれの茂吉の生涯をスライドで見ることができ、その人生を垣間見ることができました。記念館からは、残念ながら天候の為はっきりはしませんが、遠くに蔵王連峰が見えました。好天の日には、明治天皇も行啓の際に望まれたという雄大な蔵王連峰を望む好位置です。

 記念館へのアプローチの紅葉があまりに綺麗で、今回の山行記念に紅葉の落ち葉を拾ってきました。記念館には陸橋を渡るのですが、陸橋の下は山形新幹線の線路で、すぐ近くに「茂吉記念館前駅」が見えました。”記念館の名前の付いた新幹線駅”、ウソのような本当の話です。ちなみに陸橋手前の案内板の右下がその駅です。

          命詠()む 茂吉の像や 紅葉降る  (神田民子)

茂吉記念館の案内板 記念館へのアプローチ 齋藤茂吉記念館

明治の歌人の齋藤茂吉の記念館に立ち寄ったり、「文学の道」で歌碑を見たり、点てていただいた抹茶を味わったりと、本当に格調高い一日でした。リーダーはじめご一緒した皆さん、楽しい一日をありがとうございました。 (おわり)

経塚山山頂にて集合写真 秋葉山山頂での集合写真