会山行紀行文 10.8.29日(日)
〜9月1日(水)
NO.64  
荒川岳・3141m
赤石岳・3120m
参加者16名
(男5・女11)
1912 T/Y

                                     *画像は、リーダーの 1630 S/Oさんの提供です。

≪コースタイム≫
/29日 新潟駅南口400=椹島ロッジ1630(泊)
/30日 椹島ロッジ615〜千枚小屋1330(泊)
/31日 千枚小屋530〜千枚岳620〜東岳(800)〜中岳(925)〜前岳937
     〜荒川小屋昼食
10451115〜赤石岳1340〜赤石小屋1600(泊)
/ 1日 赤石小屋600〜椹島ロッジ9051030=新潟駅南口1000

(8月29日)
 朝4時に新潟を出発してから夕方4時半まで、休憩を入れて12時間3
0分のバスの旅がやっと終点を迎えて、荒川三山登山基地の椹島ロッジに到着した。
スッゴク長かったが天気も上々で気分が乗ってきた。この日は、風呂に入り夕食を済ませて各部屋に別れて早々に床に着いた。

(8月30日)
 朝6時、全ての準備が整い出発した、が、10秒と歩かないうちにハチ
に見舞われた。かなりの大群だったが刺されたのは2人だった。私がそのうちの一人で、先頭から7番目を歩いていた。もう一人は、さらに後ろを歩いていた。二人ともハチの毒液を搾り出して薬を塗ったからか直ぐにはめまい等の異常は出なかったので、しばらく様子を見ることにした。15分位して大丈夫だったので経過を見ながら歩くことにして出発した。とんだハプニングだったが大事に至らず良かった。
椹島ロッジ前で体操 鮮やかな青のトリカブト   名前の分からない花
歩き始めは平坦に近い楽な道だった。林道で赤石岳を目指すコースと分かれて荒川三山千枚小屋を目指した。樹林帯に入り登りが続くが、樹林のお陰で暑い日が遮られ少しは歩きやすい。30分に5分の休憩、いいペースだ。しばらく登ると清水平に出た。伏流水が出ていて乾いたのどを潤した。

更に登り、林道との接点に出て休憩し昼食となった。ここから今回目指す山がくっきり見え、登頂への意欲が否応にも高まった。樹林帯で花は無くひたすら登った。千枚小屋まで15分位の所でトリカブトの群生と清水に出会ったので、トリカブト清水と命名して蚋に刺されながらボトルに収めた。

午後1時30分、千枚小屋に到着した。小屋から東の空に富士山が見えたが、ガスがかかってすっきり見えない。泊まりの整理がついた人から例によって大宴会が始まった。
夕日が沈むころ、ガスもとれ富士山がほんのり赤く見えた。登りは辛かったけど、着いてしまえば楽しい一日だった。

(8月31日)
 出発前の5時15分頃富士山の左側から朝日が昇った。シルエットの
富士山から少し離れていたが、スッゴク綺麗だった。思わず手を合わせていいことをお願いした。
今日は11時間の長丁場になりそうなので、5時30分に出発した。3000m級の山6座をクリアーしなければならない、天気予報では午後2時頃に一雨ありそうなのだ。
千枚小屋からの日の出 雲海に浮かぶ富士 千枚岳山頂  
 早めの行動で降らないうちに6座をクリアーしたいと、最初の千枚岳(2880m)を目指した。朝露の中昨日とは違って、ところどころにお花畑が見られて気分も上々。
やがて樹木も無くなり、富士山を右後方に見ながらすがすがしい朝の空気の中元気に登った。千枚岳に着いて写真を撮るとすぐ出発、先はまだ長いのだ。

 天気は最高、目指す山々もくっきり見え足も進む。次は荒川三山の最高峰、東岳(悪沢岳3141m)だ。しかし、次第に昨日からの疲れが足にくるようになりきつかった。
この苦しさの中、元気な女性から「ファイト」の掛け声と共に「ロッコンショウジン・・・・・・、ザンゲザンゲ」というような詩ともお経とも・・・、が聞こえてきた。
千枚岳から東岳へ向かう 東岳(悪沢岳)山頂 東岳から見る富士山
昨日の登りもそうであったが、これがまたいいリズムで聞こえてきて足が動くのだ。お陰で皆が良くがんばり荒川三山の最高峰をクリアーした。富士山も祝ってくれてるように見えた。
夏の華やかな花から秋の花へ、草紅葉も始まりつつあり、秋を感じながら中岳(3083m)、前岳(3068m)を次々とクリアーして荒川三山を完登した。

 荒川小屋まで下って昼食休憩となった。お腹を十分満たして残る2座を目指した。荒川三山から下った分だけ登らなければならない。
目指すは赤石山脈の名前を持つ赤石岳だ。今回の山行最後の登りだったが、例によって時々「ファイトーイッパーツ」の声も掛かり、元気に標高3000mを回復した。
小赤石岳に差し掛かった頃からガスが上がってきて、上空には雲がでてきた。小赤石岳(3081m)をクリアーして最後の1座のみとなった。
東岳から中岳方面 中岳山頂 赤石小屋から赤石岳
 赤石岳へは、下山する尾根との分岐でザックを置いて身軽のピストンだ。ザックが無いとこんなにもと思うほど皆足が軽い、午後1時40分赤石岳(3120m)の頂上に立った。
これで全員6座クリアーだ、最後の集合写真を撮って直ぐ下った。分岐で身支度をしているとき雨が降ってきた。午後2時、天気予報どおりだった。
大したことは無いだろうとザックカバーだけで出発したが、だんだん強くなり、雨具を着て下山した。雨は小降りになったが、樹林帯に入ってから雷が発生した。
 心配しつつも樹木があるから大丈夫だろうと、足元に気を付けながら歩き続けた。

がどうはたらいたのか予定より1時間も早く、午後4時赤石小屋に着いた。

既に雨は止んでいた。泊まりの整理が終わった人から、大縦走の疲れを癒す乾杯をし
た。





(前岳山頂)
(9月1日)
 朝、小屋の前でかわいい小動物「オゴジョ」が古材木の隙間から顔出し
て、昨日はよく頑張ったね今日は気を付けて下ってね、といって見送りしてくれた。
6時出発、標高差1500mの下りだったが、ところどころ休みながらひたすら下り、予定よりかなり早く9時5分、全員無事に椹島ロッジに着いた。
早速お風呂に入り、3日間の汗を流し、乾杯をしながら昼食を食べた。

10時30分
シャトルバスに乗り、1時間後新潟から乗ってきたマイクロバスに乗り換えて帰郷した。

3000m級の6座の完登と共にそこからの富士山を満喫し、楽しい南アルプスだっ
た。        (おわり)




(赤石岳山頂にて)