会山行紀行文 10.8.28日(土)
〜29日(日)
NO.94  
鳥海山・2236m
参加者16名
(男10・女6)
1907 M/E

   

《コースタイム》
8月28日 新潟駅南口(6:05)=中島台レクレーションの森(10:20)〜獅子ケ鼻湿原散策・昼食(12:30-13:15
     =法体の滝・玉田渓谷(
14:45-15:20)=猿倉温泉鳥海荘(1600)泊 
8月29   鳥海荘(4:00)=祓川登山口(4:40)〜賽の河原(5:15)〜御田(5:35)〜七ツ釜避難小屋・朝食(5:55
     〜氷の薬師(
7:20)〜舎利坂入口(8:00)〜七高山(8:30)〜山頂(9:10)〜新山〜山頂(10:00)〜
     七五三掛(
11:10)〜御浜小屋・昼食(12:00)〜鉾立登山口(13:40)=入浴=新潟駅南口(18:30

(8月28日)
 今年は、高速道路無料化実験で日東道、山形道が対象区間となっているため、昨年より相当早く現地に到着することが予想されたが、案の定
10:20(昨年より約2時間短縮)に到着した。 
 ”中島台レクレーションの森”、”獅子ガ鼻湿原”は昨年の下見の帰りに、多くの車が停まっていたので立ち寄り、偶然その存在を知った。時間をつぶすには絶好の場所と判断し、今回の山行の第一日目として皆さんを案内した。

中島台レクレーションの森。「あがりこ大王」 中島台レクレーションの森。「出つぼ」 法体の滝
「あがりこ大王」にて全員集合 法体の滝にて

 法体の滝・玉田渓谷は非常に好きな場所で、是非案内したいと考えていた。
遊歩道の崩壊で昨年までは滝見台までしか行けなかったが、今回は修復されていて玉田渓谷遊歩道と繋がっていた。是非と思って案内をしたが、昼食時の御神酒が効いていたせいか、皆さんの足どりはやや重かった。それでも、渓谷の見事な美しさに喜んで頂けたと思う。

 予定した
16:00に宿舎である鳥海荘に到着。窓越しに明日の鳥海山を眺めながら、和やかに夕食を囲んで盛り上がった。

(8月29日)
 鳥海山荘を早朝4:00に出発。
登山口の矢島コース・祓川山荘前出発は4:40、まだ足元も覚束ない暗闇の中をヘッドランプを点けての出発。
出発して間もなく、東の空が明るくなり今日の好天気を予感させる。快晴の空で視界は良好、りんどう等のお花も美しく、涼風のおまけつき。足を揃えて快調に登る。

お花畑を登る 七つ釜避難小屋・康ケルン 山頂が見えてきた
鳥海山は花の宝庫。 盛りを過ぎても、まだまだ沢山の花が見られる。

 七ツ釜避難小屋・”康ケルン”前で朝食。今日は朝食、昼食とも宿の心づくしの弁当である。
登ってきた下界の風景を眺めながら、心地よい風を受けて食べる食事は何とも贅沢で気持ちが良かった。

雲海に浮かぶ”みちのくの山並み” 舎利坂を登りきって、最後の尾根へ。 七高山山頂

 氷の薬師、舎利坂入口なども元気良く越えて順調に進み、予定どおり七高山に到着。
昨年の会山行では、ガスと強風で、ここで引き返した。翻って今日の好天気!、下界は茹だる様な暑さであるが、ここは天国。しばし東北の山並みを眺め、みんなで写真を撮りあうなどしてから、大物忌神社へと下る。

岩が積み重なる「新山」山頂付近 「御田ヶ原」を気持ちよく下る。 鳥海山を振り返る

ルンルン気分で山頂(鳥海山大物忌神社奥院前広場)に到着。
広場に荷物を置いて、鳥海山の最高峰である新山・2236mを往復してのち、日本海側の象潟口コースの鉾立登山口目指して下山にかかる。

鳥の海(鳥海湖) 御浜小屋。ここで昼食 バスの待つ鉾立登山口に到着

 あとはほぼ下り、千蛇コースを慎重に歩行。千蛇雪渓はほとんど雪が残っていなかった。七五三掛手前のハシゴ場も無事通過。七五三掛に到着。
 この先には、もう危険箇所はなし。のんびりと稜線漫歩。御浜小屋で昼食。

 予定時間前に鉾立登山口に到着。
参加者の足が揃っていたことと絶好の天候に恵まれ、楽しい会山行となりました。

 今回は自分がリーダーを務めましたが、絶好の天気と良き仲間に恵まれ
て、無事終わる事が出来て、感謝感謝の山行だった。







(七高山。山頂にて集合写真)

 《一口メモ》

◆中島台レクレーションの森・獅子ケ鼻湿原

・奇形ブナ群生地:地上1.5〜2mで数本に枝分かれ、原因は炭焼きにため冬期間の伐採のため、雪解け期の吸水前であれば切断箇所から新芽が再生、吸水後では枯死してしまう。また、吸水前であれば木材が軽い。加えて、積雪期であれば釜場に集積する際にソリが使える。

・湧水出つぼ:あれだけの量の水が1ケ所から湧き出していることから地下に大きな水路があることは確実。火山活動中の噴気抗がその役割をしているのでは?。膨大な湧水量は年中途絶えることがないと聞く。鳥海山の地下には巨大貯水庫があると予想される。地上部のブナを観察すると、標高の高い所では高温・乾燥のため葉ヤケを起こしている。
 ブナは大量の腐葉土により雨水を大量に保持することが知られているが、鳥海山では地下浸透が非常に早く、それも深層まで一気に浸透するのではなかろうか?水不足のための葉ヤケである。翌日の登山の際、沢には水がほとんどなく、湿原の湧水出つぼから湧き出すと推察した。

・天然クーラーの仕組み:湧水の水温は年中7〜8℃だと聞いた。これは暑い時期に飲んで一番うまく感じる水温である。この水温の水が獅子ケ鼻湿原全体を覆うように流下するので、気温も冷やされ、まるで冷房に利いた場所にいるように感じる。
  この水を稲作の用水に利用するには冷たすぎる。ここに行く途中に用水路があった。川幅が広く浅い、所々に滝を設けてある。これは空気に触れる面を多くし、田んぼに入るまでに水温を上げるための工夫である。

・鳥海マリモ:想像していた球形のものとは全く異なる。岩に付いたコケのように見えるが、厚さは1mにもおよぶ由。湧水出つぼからの冷水による産物と新知見を得た。

◆法体の滝・玉田渓谷
 自分には釣りの趣味もある。愛読書に矢口高雄著マンガ「釣りキチ三平」シリーズがある。その第3集、イワナ釣り編「夜泣谷の怪物の巻」の舞台である。
 齋藤リーダーの会山行でこの滝を見た瞬間、この景色をベースにしているとわかった。玉田渓谷は夜泣谷そなもので、数年前映画化されたが、ここでロケが行われた。