会山行紀行文  2008.10.25(土)-27(月) NO.79 紅葉満開の渓谷美
黒部下ノ廊下 1862 Y/I

紅葉真っ盛りの10月25日から27日の3日間、北アルプス随一の渓谷美を誇る黒部峡谷探訪を、総勢24名(男12名・女12名)で楽しんで来ました。


10月25日(土)曇のち晴れ
新潟7:00−(北陸道・R148)−11:10扇沢−(トロリーバス)−12:00黒部ダム−13:00ロッジくろよん−14:00黒部平−15:00ロッジくろよん(泊)

10月26日(日)晴れ、夕方より雷雨、霰
ロッジくろよん5:00−5:55ダム下(朝食)6:13−7:05内蔵助谷−10:25白竜峡−11:14十字峡(昼食)11:40−12:38半月峡−13:18東谷吊橋−13:48仙人ダム−14:45阿曽原温泉小屋(泊)

10月27日(月)小雨午後から晴れ
阿曽原温泉小屋5:08−7:02折尾谷−7:36大太鼓−10:29欅平(お昼)12:49−(トロッコ電車)−13:10宇奈月13:30−(R148・北陸道)−17:30新潟

秘境黒部の峡谷は、長い年月風雪と豊富な水量で削られ、深く切れ込んだV字谷を形成しています。このV字谷は廊下と呼ばれ、黒部ダムから欅平までの27Km間は下ノ廊下と名付けられています。
峡谷には、白竜峡、十字峡、S字峡などなど名前がつけられ、美しさばかりでなく、そのスケールと迫力には圧倒されるばかりでした。
特にこの峡谷は紅葉シーズンがもっとも美しいと言われていますが、時も良し、その紅葉にも魅了されました。

(東谷吊橋を渡ってくつろぐ仲間達。阿曽原温泉小屋まで後1時間)

(黒部別山谷付近の大ヘツリを歩く、シンガリのグループ。こんな水平道が延々と続きます)

(見上げれば荒々しい岩峰群、紅葉が一際目立ちます)

(白竜峡の左右の谷は紅葉真っ盛り、思わず口ずさむ「山の麓の織る錦」)

このような素晴らしさにもかかわらず、このコースがなかなか人を寄せ付けないのは、何と言っても断崖絶壁に切られた幅の狭い旧日電歩道を歩くことに他なりません。これを水平道と呼んでいますが、それはそれはスリルのある道なのです。昔はこれが電源開発のための作業道というから驚きです。沢山の人夫が谷に落ちて犠牲になったとも聞いています。

(同じく白竜峡、もう声も出ません。美しいより怖いのですこの水平道)

(十字峡でお昼を食べ、再び歩き出した一行。アルコールを飲む人は1人も居ませんでした)

岩壁に沿って、ワイヤーが延々と張られていますが、これに掴まっていてさえ下を見ると足がすくみました。
それと、この辺りは北アルプスのど真ん中、真夏になっても固くしまった残雪が谷を埋め、水平道を寸断しているのです。
その年の状況によりますが、開通するのがようやく8月の中旬なのです。しかも夏が過ぎても固い雪が残っており、そのような場所は梯子を掛けて高巻するしかないのです。 今回も、そんな場所が何箇所かありました。

(ここに人が居るのが分かりますか? 自然に溶け込む無心な人達です)

(半月峡、S字峡と続きます。きれいな中にもダイナミックで雄大な渓谷です)

そんな困難にもかかわらず、楽山会の面々は臆することなく歩き通しました。
途中宿泊した阿曽原温泉、全てを終えて入った欅平の露天風呂、どちらも源泉掛け流しの素晴らしい温泉でした。仲間と酒を酌み交わし、思い出に浸りながら歓談できたのも、苦労を共にした仲間ならばこそと思いました。

(東谷吊橋を渡る一行。これを渡ればホッと一息、やっと緊張感がほぐれます)

こうして長い長い旅は終りました。この思い出はいつまでも消えることは無いでしょう。 (おわり)